産後ダイエットはいつからいつまでが効果的?食事や運動のコツを解説
産後に体形を戻そうと、ダイエットに取り組む女性は多いでしょう。本記事では、産後ダイエットに適した時期や、食事・運動のコツを紹介します。これから産後ダイエットを始める方は、ぜひ参考にしてください。
目次
産後ダイエットはいつからいつまで行うのがおすすめ?
産後ダイエットは、出産後の1カ月健診で健康状態に問題がないと医師にいわれてから始めましょう。産後ダイエットはいつまでにするというような終わりの期間は決まっていないため、目標の体重やスタイルになるまで、無理のない範囲で継続してもよいでしょう。
出産後6〜8週間は、「産褥期(さんじょくき)」と呼ばれる期間です。出産でダメージを受けた体の回復が最優先のため、育児以外は安静にするよう心がけましょう。産後すぐにダイエットをしたい方も、1カ月間は激しい運動は控えてください。1カ月健診での医師の指示に従い、ダイエットを始めるようにしましょう。
医師からダイエットの許可が出てからでも、いきなり激しい運動を始めるのはおすすめできません。産後の体は、産前に比べて筋力が弱くなっていたり体のバランスが変わっていたりするため、まずはストレッチや軽めの運動で少しずつ慣らすことが大切です。産後2〜4カ月経てば赤ちゃんとの生活にも慣れ、ストレッチの効果も出てくるため、無理なく運動ができるでしょう。
産後の骨盤は3カ月〜半年かけて元の位置に戻るといわれているため、産後6カ月がダイエット期間の目安と考える方もいるでしょう。しかし、産後6カ月を意識し過ぎて無理なダイエットをすると、体調に悪影響が出かねません。
そのため、産後の期間にとらわれず、焦らず自分のペースでダイエットを継続するのがおすすめです。
2人目出産後にダイエットで痩せにくいといわれる原因
1人目と2人目の産後ダイエットでは、2人目の出産後のほうが痩せにくいといわれています。その原因として、生活習慣や精神的な変化、基礎代謝の低下が考えられます。
それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。
生活習慣の変化
初産のときは1人の赤ちゃんのお世話だけでしたが、2人目の産後は子ども2人のお世話をしなければなりません。そのため、生活習慣が大きく変わる方が多いでしょう。
もったいないと上の子の食べ残した食事を食べて摂取カロリーが増えたり、2人目の育児をしなければならず早食いの習慣がついてしまったりします。そのため、食習慣が乱れ、痩せにくくなるケースが多いのでしょう。
精神的な変化
1人目の産後と2人目の産後は、精神状態にも違いがあるでしょう。
1人目の産後は初めての育児でわからないことや慣れないことも多く、緊張とストレスで痩せやすい傾向にあります。しかし、2人目の産後は、育児にも多少慣れていることから、リラックスして子育てできる方が多いでしょう。
リラックスして育児した結果、体重の減りが停滞したり、逆に増えたりする方もいます。
基礎代謝の低下
1人目と2人目の出産まで期間が空き年齢を重ねた場合、基礎代謝が低下し、痩せにくくなることがあります。
基礎代謝の低下によって日常生活における消費カロリーが減少するだけでなく、母乳育児の場合の消費カロリーも低下します。具体的には、母乳育児の場合の消費カロリーは平均350kcal以上です。
しかし、2人目の母乳育児で基礎代謝が低下していた場合、消費カロリーが350kcalを下回ってしまう可能性が考えられます。
産後ダイエットのやり方【食事編】
産後は体の回復や母乳のために、普段より多めに食事をとる方もいるでしょう。しかし、摂取カロリーが多いと痩せにくくなるだけでなく、太る原因にもなります。そのため、産後ダイエットでも食事の管理は大切です。
しかし、単純に摂取カロリーを制限するだけでは、体調不良や母乳の出に影響を与えかねません。
産後ダイエットの食事で意識してほしいポイントを解説します。
高タンパク低カロリーを意識する
産後ダイエットでは、高タンパク低カロリーを意識しましょう。
具体的には、高タンパク低カロリーであり、食物繊維も摂取できる和食がおすすめです。しかし、育児しながら食事を準備するのは大変なため、高タンパクな食材を意識的にとるだけでも、長い目で見た際にダイエット効果に違いが出るでしょう。
タンパク質が豊富に含まれている食品には、鶏むね肉やささみ、卵や大豆製品、魚介類などがあります。
炭水化物もバランス良く摂取する
産後ダイエットでは、炭水化物もバランス良く摂取しましょう。産後の体は血液を失い、骨密度も低くなっています。そのため、体の回復のためにも、バランスの良い食事をとることが大切です。
また、母乳育児している方は、消費カロリーが多くなります。そのため、カロリー制限をすると体調不良につながったり、母乳の出に影響が出たりすることもあるでしょう。
産後は炭水化物を必要以上に制限せず、食べる順番に気をつけましょう。具体的には、汁物や野菜から食べ始め、メインの食事、炭水化物の順番がおすすめです。最初に炭水化物を摂取しないことで、血糖値の急上昇を抑え、太りにくくなります。
体に悪い食品を避ける
産後ダイエットでは、体に悪い食品を避けるよう心がけるとよいでしょう。妊娠前は意識していなかった食品にも、体に悪いといわれている成分が含まれている場合があります。
例えば、合成甘味料や合成着色料、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸などです。これらの成分はダイエットだけでなく、母乳への悪影響の可能性もあるため、なるべくとらないように気をつけましょう。
水分補給を忘れずに行う
産後ダイエットでは、水分補給も忘れずにしましょう。
産後は育児で忙しいため、ついつい水分補給を忘れてしまいがちです。そのため、赤ちゃんが寝たタイミングやお風呂上がりなど、自分でルールを決めて水分を取とる習慣をつけるとよいでしょう。
水分不足はむくみや疲労感にもつながるため、健康のために水分補給の習慣づけは大切です。
産後ダイエットのやり方【運動編】
産後ダイエットにおける運動は、消費カロリーを増やすことだけが目的ではありません。妊娠・出産で変化した体を、元の状態に戻すのも目的です。そのため、医師から許可が出てから、自分のできる範囲で無理なく運動に取り組むとよいでしょう。
産後ダイエットにおすすめの運動を、5つ紹介します。
骨盤底筋群トレーニング
骨盤底筋群は、骨盤の底の部分にある筋肉群で、膀胱や直腸、子宮を支えています。出産によって骨盤底筋群はダメージを受け緩んでいるため、トレーニングで鍛えるとボディラインが整いやすくなります。
骨盤底筋群トレーニングのやり方は、以下の手順です。
- あおむけの状態で、お腹の上に両手を置く
- 肛門を軽く締め、5秒間キープする
- 尿を止めるように力を入れ、5秒間キープする
- 痛みがなければ2と3を同時に行い、5秒間キープする
上記の手順を10回1セットとし、1日3〜5セット行います。
腹筋運動
産後の腹筋は緩んでいるため、腹部の中央線に沿ってある「白線」と呼ばれる腹筋の筋に見える部分も広がっています。白線が広がっていると腹筋がうまく使えないため、腹筋運動で白線の広がりを解消しましょう。
腹筋運動のやり方は、以下の手順です。
- 両膝を立ててあおむけになる
- おへそに指を向けて両手をウエスト(白線の両脇)に置く
- 軽くあごを引き、頭を起こす
- 3の動作と同時に両手を白線に向かって押さえながら寄せる
- 5秒間キープする
上記の手順を5回1セットとし、1日3〜5セット行います。
白線の位置を意識しながら腹筋運動をすると効果的なため、運動前に白線の位置を調べて、画像で確認しておくとよいでしょう。
骨盤ストレッチ
産後は骨盤の位置が変化しているため、骨盤ストレッチで正しい位置に骨盤を戻すことが大切です。
骨盤ストレッチのやり方は、以下の手順です。
- 両膝を立ててあおむけになり、両手は体の横に置く
- 鼻から息を吸って口から息を吐きながら、両膝を右に倒す
- 息を吐き切ったら鼻から息を吸いつつ、両膝を元の位置まで戻す
- 膝を元の位置に戻したらひと呼吸し、同じ手順で左側も行う
上記の手順を5回1セットとし、1日3〜5セット行います。
骨盤下口(こつばんかこう)ストレッチ
骨盤底筋群と腹筋がトレーニングで鍛えられてきたら、広がった骨盤下口のストレッチをしましょう。今回は、椅子を使った骨盤下口のストレッチ方法を紹介します。
骨盤下口ストレッチのやり方は、以下の手順です。
- お尻を引き締め椅子に座る
- 背もたれに少し寄りかかる
- 両手で椅子の座面両端を押さえて、お尻を少し持ち上げた状態を5秒間キープする
上記の手順を5回1セットとし、1日3〜5セット行います。
散歩など軽いウォーキング
産後ダイエットには、軽いウォーキングがおすすめです。有酸素運動で脂肪を燃焼するだけでなく、血行が良くなり、老廃物の排出が促されます。また、腹筋が鍛えられたり骨盤が安定したりするため、ボディメイクにも役立ちます。
ウォーキングのコツは、太ももを意識して持ち上げ、足の指の付け根を使って地面を蹴る、おへそを引っ込めるイメージで歩きましょう。
産後は赤ちゃんのお世話で忙しく、運動時間を捻出しづらい方も多いでしょう。しかし、散歩であれば買い物のついでや赤ちゃんと一緒にできるため、取り組みやすい運動のひとつです。
産後ダイエットを成功させる心構えやコツ
産後ダイエットには、成功させる心構えやコツが4つあります。産後ダイエットを始める方は、これから紹介する心構えやコツを参考にしてみましょう。
ダイエット開始時期や内容は体の回復状態に合わせる
産後は出産でダメージを受けた体の回復や、赤ちゃんのお世話が最優先です。そのため、産後ダイエットの開始時期や内容は、体の状態に合わせましょう。
産後1カ月は運動を控え、1カ月健診後に医師から運動の許可が出てからダイエットを始めます。早く体形を戻したいからと焦ってダイエットを始めてしまうと、体の回復が遅れたり、母乳が出にくくなってしまったりするでしょう。
産後は無理せず、適切な時期からダイエットをすることが成功のポイントです。
できるだけ睡眠時間を確保する
産後は赤ちゃんのお世話で、夜間も授乳しなければいけません。そのため、細切れ睡眠になりやすく、慢性的な睡眠不足になる方も多いでしょう。
睡眠不足は体力低下や産後うつを発症するリスクも高くなるため、身内の協力を得てまずは睡眠時間を確保するよう心がけましょう。
他人の産後ダイエットと比べない
有名人の産後ダイエットの成功を、SNSやテレビで見ることもあるでしょう。しかし、有名人の場合は、妊娠前の体形に戻すことが仕事のひとつであるため、時間とお金をかけて努力しています。
そのため、有名人と同じやり方で産後ダイエットをしたとしても、必ずしも同じペースで痩せるとは限りません。
体形や環境は人によって異なります。そのため、他人の産後ダイエットと比較せずに、自分のペースでダイエットを続けるほうが、精神的に安定して痩せやすくなるでしょう。
パートナーにも育児や家事に協力してもらう
産後ダイエットには、パートナーの協力が大切です。睡眠時間を確保したり運動する時間を捻出したり、1人では難しい部分をサポートしてもらうことで、産後ダイエットが成功しやすくなります。
しかし、パートナーの中には育児の大変さや肉体的・精神的ストレスに理解がない方もいます。その場合、医師や助産師などの専門家から説明してもらう方法もおすすめです。
パートナーに育児や家事に協力してもらうことで、肉体的・精神的に余裕が生まれ、産後ダイエットに取り組みやすくなるでしょう。
産後ダイエットのよくある失敗
産後ダイエットのよくある失敗は、授乳期間終了後に太ってしまうケースです。
産後は体の回復や授乳のために、バランス良くしっかり食べることが推奨されています。母乳育児をしている方は、通常よりも消費カロリーが増えるため、痩せやすいといわれています。
しかし、授乳期間が終わった後も授乳中と同じ食事量だと、消費カロリーが減っているため、摂取したカロリーを消費しきれません。そのため、授乳期間終了後にカロリーオーバーで太ってしまうことがあるでしょう。
授乳期間中に痩せていくと産後ダイエットに成功したと感じるかもしれませんが、授乳期間終了後に太り、産後ダイエットが失敗してしまうというケースがよくあるため、注意しましょう。
まとめ
産後は、体の回復や赤ちゃんのお世話が最優先です。そのため、産後ダイエットは出産後の1カ月健診で健康状態に問題がないとわかった時点から始めましょう。
産後ダイエットはいつまでにするというような終わりの期間が決まっていないため、目標の体重やスタイルになるまで、無理のない範囲で継続するのがおすすめです。
医師からダイエットの許可が出ても、すぐに過度な食事制限や激しい運動を始めるのは控えましょう。バランスの良い食事を意識し、焦らず自分のペースでダイエットを継続することが、産後ダイエット成功のコツです。