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毎日が快適で穏やかに!「更年期のご自愛ケア」
更年期は、女性の体が“更新”される時期。女性ホルモンの量が乱高下を繰り返すことで、さまざまな不調をきたします。自身の心身と向き合い慈しむ「ご自愛」でゆらぎをなだめ、日々を穏やかに過ごしましょう。
目次
人生の“更新”時期こそ、ご自愛を心がけて
卵巣の機能が徐々に低下し、女性の体が“更新”されるのが更年期。自身の心身と向き合い慈しむ「ご自愛」が欠かせない年代です。
閉経前後の計10年が「更年期」
医学的に、更年期の定義は「閉経前後の各5年間」。30代などで似た症状が出た場合は、自律神経失調症など別の原因も疑われます。
体の不調には自律神経の調整を
更年期に起こる体調不良の多くは、自律神経が乱れることで生じます。自律神経のバランスを整え、血の巡りを促すことが体調を回復させるカギです。
心の養生でイライラ・抑うつ消去
イライラするだけでなく、落ち込みやすいのが更年期。リラックスできる習慣が心身の緊張を解き、心を落ち着けます。
心身をゆっくりいたわれば、前向きに過ごせるように
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「人生を“更新”する時期が『更年期』。思春期と同じように心身に変化が起こる、誰しもに訪れる人生のステージです」と話すのは、更年期に詳しい産婦人科医の髙宮城直子さん。
個人差があるものの、平均的には45~50歳になると卵巣の機能が低下。女性ホルモンの分泌もだんだんと減っていきます。
「閉経すれば女性ホルモンの量はほぼゼロに。ですが、それまでは最後の悪あがきのようにホルモン量が急増したり、かと思えば激減したりと、乱高下を繰り返します。この変化が、心身に不快な症状をきたすのです」
ゆらぎをなだめて日々を穏やかに乗り越える秘訣は、自分で自分をいたわる「ご自愛」です。
「今は人生100年時代ですから、50代はまだまだ折り返し地点。この前後からの過ごし方で、人生の後半をどう生きるかが変わってきます。体と心をしっかりいたわり、“更新”を前向きに捉えてくださいね」
ちょっとしたケアでも、つらい不調は遠ざかる
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女性ホルモンのゆらぎが引き起こす症状は、人によって非常にさまざま。実に300種類以上もの不調が起こり得ると言われています。
「症状の表れ方や感じ方も個人差が大きく、ホルモンの量に比例するわけではありません」と髙宮城さん。
ホルモン分泌の指示を出すのは脳の「下垂体」。この近くには自律神経の中枢があるため、ホルモン量の乱高下が起こると自律神経も乱れ、不快な症状を引き起こします。
自身の体がどういう状態かを知り、ゆらぎを整えるセルフケアを行うことが、不調を取り去る近道に。
「血の巡りを上げる、食事のバランスに少しだけ気を配る、体を軽く動かすなど、ちょっとしたことでもずいぶんラクになりますよ」
ただし、改善がみられないときは受診をためらわないで。
「ホルモン補充療法や漢方薬など、治療で一気に良くなることも多いです。少しでもキツいときはガマンせず、気軽に婦人科を頼ってください」
体のゆらぎに効くセルフケア
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女性ホルモンのゆらぎに伴って自律神経が乱れることで不調が発生。それぞれの症状を取りのぞくセルフケアの方法を伝授します。
冷えのぼせ・汗
足湯で巡りを整え、血を下ろして
頭や上半身に血がのぼりすぎてしまうのが、ホットフラッシュや冷えのぼせの原因。足湯で血を下ろすと改善するうえに、冷えやすい下半身も心地よく温まります。
編集部おすすめ! 温度調節できるインナー
機能性素材が衣服内の温度変化をゆるやかにする、ゆらぎ世代向けのインナー。抗菌防臭効果のある汗取りパッドで、汗ジミ対策も!
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読者がお試し!
着ると体がポカポカに。なのに汗も気にならず、インナーでこんなに変わるのかとびっくり!/Y・Kさん(52歳)
生理が不規則
閉経前の生理周期は変化すると知っておいて
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生理周期は一般的に、40代半ばごろには短くなります。その後、閉経1年前ごろから2 ~ 3カ月に一度程度に減少。「最初は周期が短くなる」と知っておけば備えに。
経血が多いなら必ず受診を
「ドバドバ続く出血が筋腫による過多月経や貧血だった」というケースも多いもの。ほかにも更年期と似た症状が出る病気は多く、検査しないと診断はできません。「何か変」と思ったら、必ず受診を。
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動悸
隠れ貧血かも!? 鉄分をしっかり摂って
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動悸や息切れ、疲労感などの陰には、貧血が隠れていることも。小松菜やひじきなど、鉄分を豊富に含む食材を積極的に食べて。生理中はサプリメントなども活用しましょう。
首・肩コリ
ストレッチによる血流アップで改善
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両手の甲を合わせ、腕をぐっと上に伸ばしたら、体をゆっくり左右に揺らして。全身がほぐれて血流が良くなり、痛みが和らぎます。デスクワークやスマホ作業の合間にやると◎。
尿漏れ
骨盤底筋や腟をキュッと締める習慣を
ゆるんだ骨盤底筋をトレーニングすれば、“ちょい漏れ”は改善します。姿勢を正したら、息を吐きながら、腟や肛門をキュッと引き上げましょう。
編集部おすすめ! はくだけで骨盤底筋を鍛えるショーツ
パワーネットが骨盤底筋を引き締め、膀胱を持ち上げます。はくだけで尿漏れ対策に。吸水パッドつきで、不意の漏れにも安心です。
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しっかりサポートされて締まる印象。トイレに駆け込む回数が劇的に減りました。/K・Mさん(59歳)
におい
敏感になりがちも、ケアしすぎに注意
実は更年期は、妊娠初期と同様ににおいに敏感になる時期。自身の体臭にも過敏になりがちですが、1日に一度入浴し、こまめに汗を拭き取れば十分です。
頭痛
薬の飲みすぎはNG! 漢方も選択肢の1つ
痛むときの服薬はOKですが、「痛む前に飲む」を繰り返すと、薬が切れること自体が頭痛の引き金になることも。予防に効く漢方もあるので、医師に相談を。
手足の痛み
湯船で温めると痛みは軽くなる
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入浴はシャワーで済ませず湯船につかり、温まる時間を作って。血流が上がると同時に副交感神経が優位になり、痛みが引きます。
寝つきが悪い
布団に入るのは眠くなってから
布団の中で長時間過ごすと、脳は布団を「眠れない場所」と認識。なかなか寝つけないときは一度出て、眠気を感じてから改めて入りましょう。
編集部おすすめ! アロマの力で眠活をサポート
専門医が監修した「眠りと目覚めに心地よい香り」。枕やシーツにシュッと一吹きすれば、柑橘系の爽やかな香りを感じられます。
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夜間頻尿
寝る前の刺激物はなるべく避ける
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コーヒーやアルコールのほか、ビタミンCも膀胱を刺激して尿意を引き起こします。夕飯以降は、こうした刺激物は避けるのがベター。
夜中に目が覚める
朝の目覚めが良いなら気にしなくてOK
年齢を重ねると、一息に7時間眠るのは難しくなるもの。翌日元気ならOKです。目が覚めたら割り切って、読書などをするのもおすすめ。
疲れがとれない
食事を見直すと疲労は回復しやすく
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不足しやすいたんぱく質やビタミンを意識的に摂ると、疲れにくい体に変化。たとえば朝食がパンだけの人は、卵やヨーグルトを添えるとバランスが良くなります。
編集部おすすめ! 大豆イソフラボンと乳酸菌でゆらぎサポート
大豆イソフラボンと乳酸菌を配合したサポート食品。ゆらぎ世代の女性にうれしい栄養素を、デザート感覚でおいしく手軽に摂取できます。
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読者がお試し!
持ち歩けて、気軽に栄養補給できました。食べた日は、睡眠の質が上がった気がします。/S・Rさん(54歳)
編集部おすすめ! ざくろの酵素で女性に栄養補給
天然ざくろや青レモン、山ブドウなどの植物原料を発酵・熟成させた、女性の美と健康のためのドリンク。酵素の力で体内の巡りを整えます。
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読者がお試し!
おいしくて飲みやすい! 睡眠の質が上がり、お腹の調子まで良くなりました。/N・Yさん(54歳)
誌面では、さらに女性に寄り添う情報を紹介!
雑誌『からだにいいこと』では、「フェムテック」にまつわる連載を掲載。誌面でも、みなさまに役立つ情報をお届けします。
2025年4月号誌面では、更年期の「心のゆらぎ」を整える方法も合わせて紹介。ぜひご覧ください!
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イラスト/桃色ポワソン、わたなべさちこ
[ 監修者 ]