
オートファジーダイエットの正しいやり方とは?食べてよいものや注意点を紹介
24時間のうち16時間断食し、残りの8時間で食事をするオートファジーダイエット。正しく行わないと、健康を害する可能性もあります。正しいやり方や、断食中に食べてよいものなどを紹介します。
目次
オートファジーダイエットとは?
オートファジーダイエットとは、24時間のうち16時間断食し、残りの8時間で食事をするダイエット方法です。16時間ダイエットとも呼ばれています。
まずは、オートファジーの意味や仕組み、効果について詳しく見ていきましょう。

本記事では、18時間断食ダイエットのやり方や効果について詳しく解説していきます。ダイエットの効果をより高めるコツも紹介しているので、興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

本記事では、12時間ダイエットの効果について詳しく解説します。効果を出すためのやり方や、プチ断食との違いも紹介しているので、興味がある方はぜひ最後までご覧ください
オートファジーの意味
オートファジーはギリシャ語を組み合わせた造語で、「オート(自分を)」「ファジー(食べる)」で「自分を食べる」という意味。
古くなった細胞や体内で慢性的な炎症を引き起こす悪玉たんぱく質を分解し、新しいものにつくり変える仕組みがオートファジーです。細胞自身が不要な部分を分解・再利用する仕組みのため、自食作用とも呼ばれます。
オートファジーは、空腹状態が12時間以上続くと発動します。細胞が生まれ変わるタイミングで脂肪燃焼も促進されるため、ダイエット効果が期待できるのです。
16時間断食=オートファジーダイエット

オートファジーダイエットは、16時間の断食が基本的なルールです。24時間のうち16時間断食し、残りの8時間以内に食事を済ませます。
例えば、夜20時に食事を食べ終えた場合は、翌日の昼12時まで断食します。昼12時から食事可能で、夜20時までに食べ終えるというサイクルです。
断食している16時間は食べ物を消化する必要がないため、消化器官が休まり腸内環境の改善や細胞が活性化します。老廃物の排出や、脂肪の分解とエネルギー活用が促進され、体脂肪が減少するという仕組みです。
オートファジーダイエットの正しいやり方
24時間のうち16時間の断食時間を決め、残りの8時間で食事をするのが正しいオートファジーダイエットのやり方です。オートファジーダイエットでは食事できる時間が8時間しかないため、食事量や回数が減る傾向にあります。そのため、バランスの良い食事を意識しましょう。

本記事では、SNSなどで話題になっている「ケトジェニックダイエット」のやり方を解説します。他のダイエット方法との違いも紹介しているので、ケトジェニックダイエットが気になっている方はご覧ください。
1.16時間の断食期間を決める

オートファジーは24時間のうち16時間断食する必要があるため、断食の時間を決めましょう。
例えば、朝食と昼食を取りたい方は、朝7時〜15時以外の時間を断食時間にします。反対に夕食を楽しみたい方は、夕食を食べ終わる時間から8時間逆算し、それ以外の16時間で断食します。
1日のうちどの時間を断食時間にするかは、自由です。そのため、生活リズムや1日のうち大切にしている食事の時間があれば、その食事時間に合わせて断食時間を設定するとよいでしょう。
2.食事時間を決める
16時間の断食時間が決まれば、自動的に残りの8時間が食事時間になります。1日の食事内容を8時間の間に食べられるよう、2〜3回程度に分けて取ります。
決めた8時間の中で食事しますが、基本的には好きなものを食べて構いません。しかし、食べ過ぎてしまうとカロリーオーバーになってしまうため、注意しましょう。
3.バランスの良い食事を用意する

オートファジーダイエットでは、食事ができる時間が8時間しかないため、1日2食になる傾向があります。今まで1日3食とっていた方が1日2食になると、栄養バランスが偏りやすいため、バランスの良い食事を用意しましょう。
ダイエット中は筋肉量維持のために、たんぱく質を意識的にとることが大切です。たんぱく質は鶏むね肉やささみ、豆腐やヨーグルトなどの乳製品に多く含まれています。
また、便秘予防や血糖値スパイクを起こさないために、食物繊維を積極的にとりましょう。食物繊維の豊富な食材としては、野菜や海藻類が挙げられます。
オートファジーダイエットのメリット
胃腸の働き改善や脂肪燃焼効果、細胞の若返りや免疫力向上などが期待できます。また、身体面のメリットだけでなく、気分がリフレッシュされストレス解消につながるなど、精神面へのメリットもあります。それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
胃腸の働きが改善される

16時間の断食時間があるため、胃腸が休む時間を確保でき、結果的に胃腸の働きが改善されます。
1日3回の食事の場合、胃腸は常に食べ物を消化し続けることになります。オートファジーダイエットでは16時間食事をしないため、消化器官が休まり、胃腸の働きがスムーズになるでしょう。具体的には、胃もたれの軽減や便通が良くなるなどの効果が期待できます。
また、老廃物や毒素の排出も促進されるため、腸内環境が整います。腸内環境が整うと、脂肪が溜まりにくくなり、むくみの改善も期待できるでしょう。
脂肪燃焼効果を期待できる
16時間断食すると、体内にある糖をエネルギーとして消費し、糖の代わりに脂肪をエネルギーとして利用し始めるため、脂肪燃焼効果が期待できます。
人間の体は、糖をエネルギー源として使用しています。しかし、体内の糖がなくなると、脂肪をエネルギーとして利用するモードに切り替わるのです。脂肪をエネルギーとして利用すると、皮下脂肪や内臓脂肪が減少します。
また、断食を継続すると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが良くなります。インスリンの働きが良くなると、体に余計な脂肪を蓄えにくくなるため、太りにくくなるのです。
細胞の若返り効果を期待できる
オートファジーは古くなった細胞などを分解し、新しいものにつくり変えるため、細胞の若返り効果が期待できるでしょう。
オートファジーは、断食によって体が飢餓状態になると活性化します。体が飢餓状態になると、造血幹細胞という血液・免疫系に関係する細胞が活発に働き出します。造血幹細胞が活性化すると、細胞の生まれ変わりが促進されるのです。
また、細胞の中にあるミトコンドリアが古くなると、大量の活性酸素を発生させます。オートファジーで古くなったミトコンドリアが分解されると、活性酸素も抑えられるため、老化防止効果も期待できるでしょう。
免疫力向上につながる
16時間の断食によって、体にたまっていた老廃物の排出が促進されると、免疫力向上につながります。
免疫に関係する白血球には、体内に侵入した病原体やがん細胞、アレルギー物質を食べる働きがあります。白血球は血液中の栄養が過剰にあると、正常に働きません。
そのため、オートファジーダイエットで血液中の栄養を不足させることで、白血球が正常に働くようになります。白血球が正常に働くと、体にとって有害な物質を食べてくれるため、免疫力向上につながるのです。
また、断食によって胃腸が休まり、腸内環境が良くなることも免疫力向上につながります。
気分がリフレッシュされる

オートファジーダイエットを行うと気分がリフレッシュされ、メンタル面にも良い影響を与えるメリットがあります。
断食によって体内の糖を使い切ると、脂肪を分解しエネルギー源として利用し始めます。脂肪を分解するとケトン体が生成され、ケトン体が脳の働きを活性化します。そのため、頭がすっきりしたり、集中力がアップしたりするのです。
また、体内に入る食べ物の量が減るため、体が軽く感じます。体が軽くなった感覚が気分をリフレッシュさせ、ストレス解消効果を感じる人もいるでしょう。
オートファジーダイエットのデメリット
断食時間の空腹感に耐えたり筋肉が落ちやすくなったりなど、オートファジーダイエットにはデメリットもあります。それぞれのデメリットについて、詳しく解説します。
空腹感に耐えなくてはならない

16時間断食するため、空腹感に耐えなければなりません。オートファジーダイエットを開始したばかりの頃は、16時間の断食に慣れていないため、より空腹感がつらく感じるかもしれません。
体が断食に慣れれば空腹感にストレスを感じにくくなりますが、ダイエットを始めたての頃は空腹感に耐えるための工夫が必要です。体を断食に慣らすために、食事時間の間隔を少しずつ空ける準備期間をつくったり、断食中にとってもよい飲み物や食べ物を取り入れたりしましょう。
筋肉が落ちやすくなる
断食時間を設けるため、筋肉が落ちやすくなるのもデメリットのひとつです。
長時間断食すると体は飢餓状態になり、筋肉を分解してエネルギーとして利用します。そのため、食事から摂取するエネルギーが不足した状態が続くと、筋肉が分解されて筋肉量が減る可能性があるでしょう。筋肉が落ちると代謝が下がり、太りやすくなることもあります。
また、たんぱく質の摂取量が不足していると、筋肉の材料が足りなくなります。そのため、筋肉を落とさないためには、たんぱく質の摂取と軽い運動が必要です。
血糖値スパイクが起こる

断食で長時間空腹が続いた後に食事をとると、血糖値が急上昇・急降下してしまい、血糖値スパイクが起きやすくなります。血糖値スパイクとは、食後の血糖値が急激に上がり下がりすることです。
血糖値スパイクが起きると高血糖・低血糖症状が現れ、糖尿病発症リスクを高めます。頭痛や眠気、強い倦怠感や異常な空腹感を感じた場合は、ダイエットを中断したほうがよいでしょう。血糖値スパイクが起こらないように、断食中に軽食をとるなどの工夫も大切です。
ホルモンバランスが乱れるリスクがある
断食は体にストレスを与えるため、ホルモンバランスが乱れるリスクがあります。特に女性は、ストレスで女性ホルモンが乱れやすいため、生理不順や更年期障害が悪化するなどの恐れもあります。
また、妊娠中の断食は胎児に影響を与える可能性もあるため、妊娠中は控えましょう。
オートファジーダイエットの断食時間に食べてよいもの・飲んでよいもの
16時間の断食中は、何も口にできないわけではありません。ここでは、断食時間に食べてもよいものと飲んでよいものを紹介します。
食べてよいもの

断食時間には、以下のようなものは食べてもよいでしょう。
- チーズ
- 無糖ヨーグルト
- 少量のナッツ
- 低糖質なフルーツ
チーズは低糖質で血糖値が上がりにくく、たんぱく質が豊富に含まれています。ただし、カロリーは高いため、少量の摂取に抑えましょう。無糖のプレーンヨーグルトには、乳酸菌が含まれているため、腸内環境の改善効果が期待できます。
アーモンドやマカダミアナッツ、くるみなどの無糖・無塩のナッツは、少量であれば断食中に食べてもよいでしょう。ナッツには良質な脂質やマグネシウム、ビタミンEが含まれています。しかし、ナッツはカロリーが高いため、10〜20粒程度に抑えましょう。
ブルーベリーやラズベリー、イチゴなどのベリー類は糖質が少ないため、血糖値が上がりにくい傾向です。ヨーグルトに甘みを足したいときに、トッピングとして活用してもよいでしょう。
飲んでよいもの

断食時間には、以下のような飲み物を飲みましょう。
- 水や白湯、炭酸水
- 少量のコーヒーや紅茶
- スムージー
断食中は水分摂取量が不足しやすいため、水や白湯、炭酸水を積極的に飲みましょう。冷たい水や炭酸水は胃腸への刺激になったり、体を冷やしたりするため、常温がおすすめです。
無糖のコーヒーや紅茶は、少量であれば飲んでも構いません。カフェインには、食欲抑制や脂肪燃焼促進効果があります。ただし、飲み過ぎると胃に負担をかける可能性があるため、1日に1〜3杯程度に抑えましょう。
スムージーはカロリーがありますが、食物繊維やビタミンが豊富に含まれているため、断食中に摂取可能です。糖質が含まれている市販品が多いため、ほうれん草やケールなどの葉物野菜を中心に手づくりしましょう。
オートファジーダイエットを安全に行うための注意点
オートファジーダイエットを安全に行うためには、持病がある方は医師に相談する、十分な水分補給を意識するなどの注意点があります。それぞれの注意点について、詳しく見ていきましょう。
持病がある方は医師に相談してから行う
糖尿病などの持病がある方は、医師に相談してから行いましょう。糖尿病予備軍の方も、血糖値スパイクが起きると糖尿病発症リスクが高まる可能性があるため、必ず医師に相談してください。
持病がない方も、体調不良の際は無理にダイエットはせず、体調が良くなってから改めて取り組みましょう。
十分な水分補給を心がける
オートファジーダイエットは、水分摂取量が不足しやすいため、十分な水分補給を意識しましょう。断食時間は食事から摂取していた水分がなくなるため、水分摂取量が不足しやすい傾向にあります。そのため、いつも以上に意識的に水分補給しましょう。
断食時間の空腹を紛らわせるために、炭酸水などで水分を補給し、満腹感を得るのもおすすめです。
食事時間の食べ過ぎに注意する

8時間の食事時間中の食べ過ぎには注意が必要です。食事時間は基本的に好きなものを好きなだけ食べられますが、食べ過ぎると摂取カロリー過多でダイエット効果が低下します。
また、糖質が多いものを食べ過ぎると血糖値スパイクを引き起こし、脂肪をため込みやすくなったり糖尿病発症リスクが上昇したりする可能性があります。そのため、安全にダイエットをするためには、適量の食事を心がけましょう。
まとめ

24時間のうち16時間の断食時間を決め、残りの8時間で食事をするのが正しいオートファジーダイエットのやり方です。食事量や回数が減る傾向にあるため、たんぱく質や食物繊維など、バランスの良い食事を意識しましょう。
断食時間でもチーズや無糖ヨーグルト、少量のナッツや低糖質なフルーツなど、食べてよいものや飲んでよい飲み物がいくつかあります。オートファジーダイエット中の低血糖や水分不足を防ぐためにも、体調と相談しながら適度に摂取しましょう。
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