
脂質ダイエットと糖質制限はどちらがおすすめ?メリットや効果などを比較!
本記事では、脂質ダイエットと糖質制限ダイエットのどちらが良いか紹介します。メリットや効果も比較しているので、脂質ダイエットのやり方が気になる方はぜひ最後までご覧ください。
目次
そもそも脂質ダイエットとは?

まずは、脂質ダイエットについての詳細を紹介します。脂質とは何か?や、ダイエット方法を見ていきましょう。
脂質とは
脂質は三大栄養素の1つであり、体に欠かせない役割を持っています。
脂質は、エネルギー源となるだけでなく、細胞膜の構成成分です。また、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収を助け、ホルモンや胆汁酸の生成にも関与しています。さらに、体内で合成できない必須脂肪酸を含むため、適切な摂取が必要です。
脂質は、常温で固体の「脂」と、液体の「油」に分かれます。肉や乳製品に多く含まれる「脂」は動物性脂質、植物油や魚油に多い「油」は主に不飽和脂肪酸を含みます。n-3系やn-6系の不飽和脂肪酸は体内で合成できず、食品からの摂取が不可欠です。
脂質ダイエットのやり方
脂質ダイエットは、脂質の摂取を減らしてカロリーの過剰摂取を防ぎ、体重を管理する方法です。脂質は高カロリーなため、摂取を抑えて総摂取カロリーを減らすと、効率良くダイエットを進められます。
脂質の割合を1日の総カロリーの20%以下にすると、余分な脂肪の蓄積を防ぐことが可能です。脂質は、揚げ物や肉の脂身だけでなく、炒め油や調味料にも含まれています。

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脂質制限ダイエットと糖質制限ダイエットの違い

ここでは、脂質制限ダイエットと糖質制限ダイエットの違いを見ていきましょう。それぞれの特徴をチェックし、自分に合った方法を選んでください。
脂質を制限するか、糖質を制限するか?
脂質制限ダイエットと糖質制限ダイエットの主な違いは、何を制限するかです。脂質を抑えるのか、糖質を減らすのかでアプローチが異なります。
脂質制限ダイエットは、脂質の摂取量を抑え、総カロリーを減らして体脂肪の蓄積を防ぐ方法です。一方、糖質制限ダイエットは炭水化物を控え、血糖値の急上昇を防ぐことで脂肪をためにくくすることが目的です。
糖質を制限すると、インスリンの分泌が抑えられ、脂肪の蓄積を防ぐ効果が期待できます。脂質制限では脂質の摂取量を1日の総カロリーの約20%以下にすることが推奨されています。調理油や脂の多い食品を避けることがポイントです。
炭水化物を多く食べたい方は「脂質制限ダイエット」

炭水化物をしっかり食べながらダイエットをしたい人には、脂質制限ダイエットが適しています。
脂質制限ダイエットでは、主食の摂取を維持したまま、脂質を減らしてカロリーを調整します。そのため、糖質制限のように主食を控える必要がなく、炭水化物を摂取する習慣がある人でも続けやすいのが特徴です。
さらに、炭水化物は脳のエネルギー源のため、適量を取ることで集中力の低下を防ぐメリットもあります。脂質制限ダイエットでは、1日の脂質摂取量を総カロリーの20%以下に抑えます。
おかずを多く食べたい方は「糖質制限ダイエット」
おかずをしっかり食べながらダイエットをしたい方には、糖質制限ダイエットが向いています。

糖質制限ダイエットでは、主食の摂取量を抑え、肉や魚・卵・野菜などを中心に食事を組み立てます。たんぱく質や脂質の摂取量が増え、満足感が得られやすいのが特徴です。
また、糖質の摂取を減らすことで血糖値の急上昇を防ぎ、脂肪の蓄積を抑える効果も期待できます。1日の糖質摂取量を130〜150g程度に制限し、肉や魚・チーズ・卵・豆類などのたんぱく質源を積極的に摂取してください。
さらに、野菜やナッツ類を取り入れるとビタミンやミネラル・食物繊維のバランスも保ちやすくなります。これにより、美肌や健康維持にもつながるでしょう。

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脂質制限ダイエットのメリット
脂質制限ダイエットのメリットは、主に以下の4つです。
- 摂取エネルギーを効率よく消費できる
- 筋肉量が減りにくい
- 主食(炭水化物)を食べられるため続けやすい
- 生活習慣病の予防につながる
それぞれ詳しく解説します。
摂取エネルギーを効率よく消費できる
脂質制限ダイエットは、摂取エネルギーをコントロールし、体脂肪の蓄積を抑えます。
脂質は1g当たり9kcalとエネルギー量が高く、摂取し過ぎると余分なカロリーが体脂肪として蓄積されます。しかし、脂質を意識的に制限することで自然と総摂取カロリーを減らせるため、エネルギーの過剰摂取が防げるでしょう。
また、炭水化物やたんぱく質を適切に摂取することで、体内のエネルギー消費がスムーズになります。その結果、脂肪燃焼が促進される可能性があります。高カロリーな脂質を抑えることでエネルギーの過剰摂取を防げるのです。
筋肉量が減りにくい

脂質制限ダイエットは、筋肉を維持しながら脂肪を減らせるため、引き締まった体を目指せます。
脂質制限ダイエットでは、筋肉の材料となるたんぱく質や炭水化物の摂取は維持できます。そのため、筋肉量の減少を防ぎ、基礎代謝の低下を抑えることが可能です。
基礎代謝が高い状態を維持できれば、効率的に脂肪を燃焼しやすくなります。筋トレしながら脂質を制限し、適切な量のたんぱく質を摂取すると、筋肉を維持しながら脂肪を減らせるでしょう。
主食(炭水化物)を食べられるため続けやすい

ご飯やパン・麺類などの主食を摂取できるため、無理なく続けやすいダイエット方法です。
炭水化物を制限するダイエットは、主食を我慢する必要があるため、食事の満足感が減ります。しかし、脂質制限ダイエットでは主食を適量摂取できます。そのため、食事の満足度が高く、空腹感を感じにくいでしょう。
また、炭水化物は脳の主要なエネルギー源です。そのため、適切に摂取することで集中力の低下や倦怠(けんたい)感を防げます。朝にご飯とみそ汁、昼にパスタ、夜に玄米と野菜中心のおかずを食べるなど、主食を取り入れた食事を続けてください。
生活習慣病の予防につながる
脂質制限ダイエットは、生活習慣病の予防に効果的です。
脂質を過剰に摂取すると、肥満だけでなく高血圧や動脈硬化、糖尿病などのリスクが高まります。特に、肉類や乳製品に含まれる飽和脂肪酸は、コレステロール値を上昇させ、血管の健康を損なう原因となるのです。
しかし、脂質制限ダイエットをすれば脂質の摂取量を適切にコントロールでき、生活習慣病のリスクを抑えられます。
例えば、バターや揚げ物の代わりに魚や大豆製品を取り入れると、脂質の質を改善できます。また、野菜や果物を積極的に摂取すると食物繊維の摂取量が増え、血糖値の急激な上昇を抑えやすくなるでしょう。
脂質制限中の脂質量の食事内容

ここでは、脂質制限ダイエット中の適切な脂質量や食べられる食材を紹介します。おすすめできない食材も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
脂質は総摂取カロリーの20〜25%以内が目安
脂質制限ダイエット中は、1日の総摂取カロリーのうち脂質を20%以下に抑えてください。
脂質は1g当たり9kcalのため、過剰摂取するとカロリーオーバーになりやすく、体脂肪が蓄積します。そのため、適正な脂質量を把握し、摂取量を管理することが大切です。
特に夕食の脂質を控えると、夜の代謝低下による脂肪の蓄積を防げます。例えば、1日の摂取カロリーを1,600kcalに設定する場合、脂質の目安は20%で320kcalです。
食べられるもの

脂質制限中でも高たんぱく質・低脂質な食材をうまく選べば、満足感を得ながら健康的な食事を続けられます。
脂質を制限していると食事内容が単調になりますが、工夫すると栄養バランスを保ちながらおいしく食事を楽しめます。特に、高たんぱく質で低脂質な食材はダイエットをサポートし、筋肉量を維持しながら体脂肪を減らす助けとなるでしょう。
例えば、鶏ささみや鶏胸肉はたんぱく質が豊富で脂質が少なく、ダイエットに適しています。牛や豚の赤身肉もおすすめです。その場合は、脂肪が少ない部分を選んでください。
食べてはいけないもの

脂質制限中に完全に避けるべき食材はありませんが、高脂質な食材や料理は摂取量に注意が必要です。
脂質制限ダイエットは、過剰に脂質を取らないことが大切です。脂質を制限しつつも、栄養バランスを考えた食事を心がける必要があります。特に、脂質が高い食材や調理法を選ぶと、1回の食事で許容範囲を超えてしまう場合があるため注意が必要です。
例えば、揚げ物やフライ料理は油を多く吸収し、脂質が高くなります。天ぷらや唐揚げは1人前で20g以上の脂質を含むことがあるので、摂取量に気をつけましょう。また、脂肪分の多い肉(バラ肉やサーロインステーキ)、乳製品(全脂牛乳やチーズなど)も脂質が豊富です。
脂質制限ダイエットを成功させるコツ
脂質制限ダイエットをする際のポイントは、以下の通りです。
- 良質な脂質を積極的に摂取する
- 適度な運動も取り入れる
それぞれ詳しく解説します。
良質な脂質を積極的に摂取する

脂質を減らすだけでなく、良質な脂質を適量摂取してください。
良質な脂質を取ることで、食後の満足感が得られ、空腹感を抑えやすくなります。脂質は空腹によるストレスを減らし、ダイエット中でも過度な食欲を抑える助けとなります。
また、カロリー不足が原因の基礎代謝の低下や、血糖値の急激な変動を防げるでしょう。ダイエットにおすすめな脂質として、n-3系やn-9系脂肪酸が挙げられます。
オメガ3系脂肪酸は魚油やアマニ油に多く含まれ、血液をサラサラにし、代謝を促進します。
適度な運動も取り入れる
食事制限だけでなく、適度な運動を取り入れてください。
運動はカロリー消費を促進し、脂肪燃焼を助けるため、ダイエットの効果を高める助けになります。さらに、運動を習慣化すると筋肉量を増やし、基礎代謝が向上するため、効率的に脂肪を減らせます。また、運動は心身の健康を維持するためにも不可欠です。
厚生労働省によると、週に2回、1回30分以上の運動が望ましいとされています。例えば、ウォーキングなら1日8,000歩程度が目安です。日常生活の歩行や、家事で体を動かすことも運動に含まれます。
脂質制限ダイエットがおすすめな人
脂質制限ダイエットがおすすめな人は、以下の通りです。
- 中性脂肪やコレステロール値が気になる人
- 空腹感が苦にならない人
- 炭水化物は抜きたくない人
それぞれ詳しく見ていきましょう。
中性脂肪やコレステロール値が気になる人

脂質を制限することで、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールの値を低下させられます。特に夜間は脂質の代謝が低下するため、動物性脂肪の摂取を控えてください。
脂質の代わりに、食物繊維や不飽和脂肪酸を多く含む食品を選んでください。血液がサラサラになり、コレステロール値の改善が期待できます。
空腹感が苦にならない人
脂質制限ダイエットは、空腹感が苦にならない人におすすめです。
脂質は、食事において満足感を得るための要素です。過度に脂質を制限すると、食事のうまみが減り、空腹感が強くなります。そのため、空腹を感じてもストレスを感じない人には向いています。
空腹感を我慢できる人であれば、脂質を制限することでカロリーの摂取を抑え、ダイエット効果を高められるでしょう。例えば、低脂肪の食材を中心にした食事に切り替え、満腹感を得るために食物繊維を積極的に取ることが有効です。
炭水化物は抜きたくない人

脂質制限ダイエットは、炭水化物を抜きたくない人にもおすすめです。
脂質制限ダイエットでは、炭水化物を極端に制限する必要はありません。そのため、白ご飯やパンなど、日常的に食べる主食をしっかり取りながらダイエットができる点が魅力です。
例えば、ご飯やパンを減らさずに脂質の少ない食材を使ったメニューを選ぶことで、炭水化物を維持しつつ健康的に痩せられるでしょう。また、主食は比較的安価で手に入るので、経済的にも無理なくダイエットを続けられます。
まとめ
脂質制限ダイエットは、炭水化物を取りながら減量したい方におすすめです。一方、炭水化物よりおかずを食べたい方は、糖質制限ダイエットを選んでください。
脂質制限ダイエットは、摂取したエネルギーを効率良く消費でき、筋肉量が減りにくいのがメリットです。脂質制限中は、質の良い脂質を取り、適度な運動も取り入れましょう。
炭水化物をしっかり食べながら理想の体形を目指したい方は、ぜひ挑戦してみてください。
[ 監修者 ]