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お茶を飲みながらくつろぐ女性

心のゆらぎをなだめて毎日をより快適に!|私のためのフェムケア(6)

女性ホルモンの変動や、生活の変化などの影響で、女性は男性よりもうつ症状になりやすいもの。自分自身を責めず、うまく“ホルモンのせい”にしながら心をいたわって。

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ゆらぐ心を責めずに、ゆっくり自分をいたわって

温かく光るハート

「生理前や更年期などの気分の浮き沈みは、女性ホルモンの変動によって起こるもの。決してその人の性格の問題ではありません」と話すのは、産婦人科医の小川真里子さん。

エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌量が変動すると、不安や抑うつを引き起こす原因に。特に更年期は、ホルモンの乱高下によって普段よりも気持ちが不安定になるうえに、人生のさまざまな転機が重なる時期でもあります。仕事を続けられなかったり、対人関係に支障が出たりするほどの強い症状にさいなまれる人も。

「まじめな女性ほど『気分転換しなければ』『がんばらなければ』と気負いがちですが、落ち込みが強いときは何もせず、自分1人の時間をゆっくり過ごすことが大切です」

女性特有のメンタルヘルスは、婦人科などでの治療で改善可能。我慢せずに気軽に医療を頼るのも改善の近道なので、1人で抱え込まないで。

女性は男性の約2倍、うつ病になりやすい

ホルモンの変動が心の状態に直結する女性は、全年代で男性よりもうつ病になりやすい傾向。ライフイベントも重なる閉経前後は、特に心の不調が出やすくなります。

気分[感情]障害(うつ病・躁うつ病)総患者数(性別/年代別)

女性ホルモンの増減が、心のゆらぎを引き起こす

エストロゲンとプロゲステロンのゆらぎこそ、不安や抑うつの原因。決して「心が弱いせい」ではありません。

卵胞ホルモン「エストロゲン」:「幸せホルモン」と関連大

排卵前に増加するエストロゲンは、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の生成と関係。エストロゲンが減るとセロトニンも不足し、メンタルが不安定になりやすくなります。

黄体ホルモン「プロゲステロン」:不安を和らげる物質を作る

生理前に増加するプロゲステロンは代謝すると、脳の中枢に働きかけて不安を和らげる物質「アロプレグナノロン(ALLO)」に変化。減少することでうつ症状が出やすく。

タイミング別 女性に多いメンタルヘルス

女性ホルモンが急減少するタイミングは、うつ症状に陥りやすいもの。強い不安感があれば、ためらわずに受診を。

PMS/PMDD(月経前症候群/月経前不快気分障害)

PMS・PMDDに悩む女性

1カ月の1/3近く悩まされる人も

女性ホルモンの急減少が、心身の不調を招きます。PMSの症状は、長い人では10日ほど続くことも。特に精神症状が強い状態は「PMDD」と呼ばれます。

マタニティブルーズ/産後うつ

赤ちゃんを抱えて涙ぐむ女性

ホルモンの急降下で苦しみやすい

産後は女性ホルモンが激減。さらに育児によるストレスが加わり、環境の変化も相まってうつになりやすいときです。

更年期障害

介護のことに悩む女性

生活の変化が重なり不安を感じやすい

女性ホルモンが乱高下しながら減ることで、不安や抑うつが生じやすく。介護をはじめ、ライフイベントによるストレスを抱えやすい時期でもあります。

心のゆらぎを整えるセルフケア

制御できない不安やイライラを感じたら、まずは休むこと。加えて、食習慣にも気を付けてみて。

「1人だけ」の空間と時間を作る

「気分転換しなければ」とがんばるのは本末転倒。心がゆらいでいるときは、自分1人で過ごす時間と空間を作り、なんでも良いので好きなことをしてみて。それだけで気持ちが軽くなります。

3食しっかり摂って甘いものを減らす

甘いものを食べると、血糖値の急上昇・急降下が起こります。急激な血糖値の変動は、イライラの引き金になることも。3食をきちんと摂り、甘いものはほどほどにしておいて。

鉄分を摂取して貧血を改善する

鉄分不足による貧血の症状には、「イライラする」「疲れやすい」などの精神症状があります。牛肉や大豆製品など、鉄分を豊富に含む食材をしっかりと食べるだけで気分が落ち着くことも。

お茶を飲みながらくつろぐ女性

生活に支障があるなら、ためらわず医療を頼って

女性特有のメンタル不調は、治療でかなり軽減するもの。相談しやすい“かかりつけ医”を見つけておくと安心です。

婦人科や精神科など、かかりやすい科でOK

生理や更年期と関連する症状なら婦人科、メンタル症状のみが続くなら精神科が入り口に。とはいえ、自分にとってハードルが低いほうを受診すればOK。

カレンダーに“ゆらぎ”をメモすると説明しやすい

不安感が強い日をカレンダーに記録しておくと、ゆらぎの周期がわかることも。受診時に医師に見せれば、原因の特定や治療方針を決める近道になります。

誌面では、さらに女性に寄り添う情報を紹介!

雑誌『からだにいいこと』では、「フェムテック」にまつわる連載を掲載。誌面でも、みなさまに役立つ情報をお届けします。

2025年6月号誌面でも、小川さんのインタビュー記事をお読みいただくことができます。ぜひご覧ください!

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イラスト/桃色ポワソン

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