「腰痛」におすすめの足つぼ5選で痛みを撃退! 押し方やコツは ?
長時間のデスクワークや毎日の家事など、さまざまな原因で起こる腰痛。今回は、腰痛に効く足つぼと、効果的な押し方をご紹介します。
目次
足つぼが不調改善に効果的な理由は?
つい仕事や家事をがんばりすぎて、腰まわりがイタタタタ…。みなさんはそんな腰痛になってしまったときは、どうしていますか? 自分で揉むには無理がありますし、マッサージや整体に毎日通うわけにもいきません。
そこで、おすすめなのが自分でケアできる足つぼです。自分でつぼを刺激すると、腰を直接揉まなくても、腰痛を和らげてくれます。そもそもなぜつぼは、押すだけでこのように離れた場所の不調に効くのでしょうか?
東洋医学の考え方で、人間の体には「経絡(けいらく)」というエネルギーの通り道があるとされています。経絡は体の深いところで内臓器官の「臓腑(ぞうふ)」とつながっていて、生命活動の源になる「気(=エネルギー)」や、その気を運んだり体の組織をうるおしたりする「血(けつ=血液など)」が通ります。経絡は全部で14本あり、両手足に12本、正面と背面の中央にそれぞれ1本ずつあります。WHO(世界保健機関)では、この14本の経絡に沿って全身に361個のつぼが点在していると定めています。
つぼは「経穴(けいけつ)」とも呼ばれ、不調やトラブルが起こっている場所を教えてくれる“信号機”のような存在です。東洋医学では、体の中は「小宇宙」と考えられており、宇宙と同じように気の流れや水、鉄があります。体にさまざまな不調が現れるのは、それらの流れが滞っているから。不調を感じるときにつぼを押すと、経絡に刺激が伝わり、気や血の滞りが改善してスムーズに。つぼを押しは、体が本来持っている力を目を覚めさせて、不調の原因となる臓腑や組織を自然治癒していきます。
上手に足つぼを押すコツ
つぼ押しを1回でも試してみたことがある人は「この場所であっているの?」「力加減はこれでいいの?」と感じたことがあるかもしれません。自分でつぼ押しをするとき、上手に行うにはどうしたらよいのでしょうか? ここからは、足つぼを効果的に押すコツをご紹介します。
【足つぼの押し方】つぼに対して垂直に押して、痛気持ちいいくらいの強さで
足つぼを押すときは、つぼに対して指を垂直に当てます。指のハラの真ん中を当てて、息をフーッと吐きながら、3~5秒くらい深く押しましょう。息を吐きながら押すと関節がゆるみ、つぼを押しやすくなります。
力加減は、「痛気持ちいい」と感じるくらい。つぼ押しは体をゆるませることが目的です。「痛い!」と感じると筋肉が緊張してしまうため、つぼ押しの効果を得られません。
また、「押して離す」を1~2分の間に何度も繰り返し行います。1日に何回も押しすぎると皮膚や筋肉などを傷めてしまい、腫れや痛みの原因になってしまうため、注意しましょう。
初めは「ここでいいの?」と思うかもしれませんが、同じつぼを何回か押していくうちに、気持ちいいと感じる場所を見つけられるようになります。それは、つぼに上手に当たっている証拠。つぼ押しはやればやるほど、ヒットしている感じが分かるようになりますよ。
【足つぼケアのタイミング】寝る前のリラックスタイムに
足つぼを押すタイミングは、寝る前が最もおすすめです。睡眠は、日中にダメージを受けた細胞を修復させる大切な時間。自然回復力を高める時間でもあります。そのため、寝る前につぼ押しをしてリラックスした状態で眠りにつくと、体が回復する力をサポート。さらに、質の高い睡眠につながり、不調改善に効果を発揮するでしょう。
【つぼ押しがNGなタイミング】体調が悪いときは控える
体調の悪いときは、つぼ押しをしないほうがよいでしょう。「自然には逆らわない」というのが、東洋医学の基本の考え方です。体調が悪いからといって、あれこれセルフケアをやりすぎるよりも、そんなときは、ゆっくり体を休めることを優先させてください。また、妊娠中も、自分で行うつぼ押しは控えましょう。
腰痛に効果的な足つぼ5選
ここからは、デスクワークや家事でダメージを受けた腰に効く足つぼを5つご紹介します。腰痛に効果的なつぼは、「膀胱経(ぼうこうけい)」という経絡に集中しています。腰痛はこの経絡の滞りが一番の原因と考えられ、実際に痛みが出る腰のあたりにも膀胱経が通っています。
【1】腰痛対策の代表的な足つぼ「委中(いちゅう)」
「委中(いちゅう)」は、「腰背委中(ようはいいちゅう)」と言われるくらい、腰や背中の不調を治したいときに定番の足つぼです。
ツボの場所:膝の裏の真ん中にあるつぼ。座ったときに、ちょうど折れ曲がるところです。
押し方:椅子に座り、両手の中指のハラを重ねてつぼに当てて、指の力だけで片足を持ち上げます。この持ち上げる力で、つぼを刺激します。
【2】足首の調節をする「崑崙(こんろん)」
「崑崙(こんろん)」は、足首の調節をするつぼです。腰痛は、足首のゆがみやバランスが原因になることもあるため、腰痛に悩んだらこのつぼも試してみましょう。また、「崑崙」は膀胱の働きを正常に導く働きもあります。
ツボの場所:外くるぶしとアキレス腱の間のくぼみにあるつぼ。
押し方:床の上で横座りをして、左右どちらかに脚を流します。足にあるつぼに対して中指を垂直に当てて刺激します。
【3】急な痛みを和らげる「金門(きんもん)」
「金門(きんもん)」は、経絡にある「郄穴(げきけつ)」と呼ばれるつぼのひとつ。郄穴とは、急激な痛みに対して効果を発揮するつぼです。
ツボの場所:外くるぶしから指2本分くらい下にあるつぼ。骨の際にあります。
押し方:床の上で横座りをして、左右どちらかに脚を流します。足にあるつぼに対して中指を垂直に当てて刺激します。
【4】腰痛に効く膀胱経のリーダー「京骨(けいこつ)」
「京骨(けいこつ)」は、「原穴(げんけつ)」と呼ばれ、各経絡の中で基本となるつぼです。65個くらいある膀胱経のつぼの中でも1番重要とされています。
ツボの場所:足の外側で、「金門」よりも小指寄りあるつぼ。「金門」の位置から指1本分ずれたところにあります。
押し方:床の上で横座りをして、左右どちらかに脚を流します。足にあるつぼに対して中指を垂直に当てて刺激します。
【5】ぎっくり腰や運動後の腰痛を癒す「陽陵泉(ようりょうせん)」
ぎっくり腰になったときや腰を使い過ぎてつらいときは、このつぼを押しましょう。「陽陵泉(ようりょうせん)」は、筋肉の痛みや不具合に効果的。固く張ってしまった筋肉をやわらかくします。「陽陵泉」は、足を通って、胆のうや肝臓 に関係する経絡「胆経」にあるつぼです。腰痛ケアに欠かせないのは「膀胱経」ですが、「胆経」も筋肉の張りをとるのにおすすめです。
ツボの場所:膝の真横を少し下がった場所に、ポコッと飛び出た「腓骨頭(ひこつとう)」という骨があります。この腓骨頭の下のくぼみにあるつぼです。
押し方:椅子に座り、中指をつぼに対して垂直に当てて刺激します。
足つぼは温めても効果的
足つぼは、指で押す以外にカイロや貼るお灸で温めるのも効果的です。温熱効果でつぼを刺激できます。冷えが気になる人はぜひ試してみてください。
また、足つぼは、つぼ押し棒などの道具に頼るよりも、自分の指で押すこと。東洋医学では、自分の指から「気=エネルギー」が出ると考えられています。自らのパワーで気の流れを良くして、体調を整えましょう。
腰痛の原因は複雑
腰痛とひとことで言っても、その原因は、さまざま。長時間同じ姿勢で続ける座り仕事や、日頃の運動不足、筋力の低下といった体の原因もあれば、ストレスなどのメンタル不調が原因になることもあります。中には、ただの腰痛と思っていたら、実は内臓疾患が潜んでいたという場合も。つぼ押しをしてもなかなか改善しないときは、病院へ行って医師に相談しましょう。
病気にならないように自分自身で予防するというのが東洋医学の考え方。腰痛を感じたら、ひどくならないうちに足つぼでケアを。体の緊張をほぐれると、腰痛も次第に和らぐでしょう。
文/廣瀬茉理 イラスト/中村加代子