人に嫌われるほめ方、好かれるほめ方の違いって?
相手をほめているつもりでも、人が聞くと「嫌われるほめ方」になっているかも! 「好かれるほめ方」との違いを知って、家庭でも仕事でも良好な人間関係をつくりましょう。
ほめ方で「嫌われる人」と「好かれる人」はここが違う!
メンタルアップマネージャ(R)の大野萌子さんに人間関係でストレスをためない方法を教えてもらう連載。第13回目のテーマは、「人に嫌われるほめ方、好かれるほめ方」です。自分は人をほめているつもりでも、実は「ほめ方」次第で相手がイヤな気分になることがあります。
ほめ言葉の選び方を間違えると、信頼関係にヒビが入る、お互いの距離感が離れてしまう、いつの間にか敵をつくってしまうなど、知らず知らずのうちに人間関係で損をしてしまいます。
ほめ方で「嫌われる人」と「好かれる人」の大きな違いは、ちょっとした言葉の使い方。人に好かれるほめ方ができる人は、“ほめポイント”を伝えるのがうまく、「相手を受け入れて信頼している」気持ちが伝わりやすいのが特徴です。
あなたは上手なほめ方ができていますか?
実は人に嫌われる、「NG」なほめ言葉は?
人に嫌われるマイナス言葉とは、ずばり「逆説的な言葉」を使った言い方です。代表的な言葉が、「でも」「だって」「けど」など。
ほめるシーンで、「○○がいいね」と言いつつ「でもね…」とほめたことを打ち消すのが、典型的なNGなほめ方のパターンです。
嫌われるようなほめ方をする人は、自己肯定感が低くてプライドが高く、あまのじゃくで卑屈な考え方をしがちです。ほめているのにも関わらず、自分が優位に立とうとするマウンティング精神が言葉の端々に見え隠れするため、ほめた内容が相手の心に真っ直ぐ響くことはありません。
ほめ言葉に嫌味っぽさが含まれていたり、大げさにほめすぎたりするのも相手がしらけるのでNGです。
【こんなほめ言葉はNG】
・今日の仕事のできはよかったね。でも、もう少し早く仕上げてくれる?
・今日のファッションはすごく素敵じゃない。だって、いつもはあまりおしゃれに気をつかっていないものね。
・お皿を洗ってくれたんだね。だけど、洗い残しがあったから気をつけてね。
・美人は得だよね(嫌味っぽい)。
・(大げさに)○○さんって、すっごく若く見えるよね〜。
人に好かれる好印象なほめ言葉は?
では、どんなふうにほめると、素直に受け取ってよろこんでもらえるのでしょうか。ポイントは、「私」を主語にして「私がどう思ったか」を伝える“Iメッセージ”。
それに加えて、“何が良かったのか”を相手に具体的に伝えるようにすることです。
相手も「自分に向き合ってくれている」「気持ちを受け入れてくれる」「信頼されている」と自然に感じられて、よりよい人間関係につながります。
また、「さすが」「上手だね」「すごい」「センスがある!」「その通り」など、ほめ言葉の「さしすせそ」を上手く使うのもコツです。ただし、これらのほめ言葉も使い方によっては嘘っぽく響いてしまうので要注意です。
相手をほめる気持ちが伝わるように、具体的に「何が」良かったのか“ほめポイント”を言葉にすることが大切です。それが加わるだけで、相手は「自分がきちんと見てもらえている」「認めてもらっている」と感じます。
すると、それが自信につながって、自然とやる気も。あなたとの信頼関係も深まるはずです。
【嫌われるほめ言葉→好かれるほめ言葉に変える】
・(NG)あなたはおしゃれだね→(OK)私はあなたがおしゃれだなといつも思っている
・(NG)すごく勉強になりました→(OK)△△さんの○○という言葉が印象的ですごく勉強になりました
・(NG)さすだね→(OK)○○ができるなんて、さすがだね
・(NG)それでいいんじゃない→(OK)とてもいいと思う(本当にいいと思ったことは、余計な言葉を添えずにシンプルに伝える)
・(NG)人にものを頼むのは上手だね→(OK)人とコミュニケーションをとるのも上手だね
・(NG)若いのにしっかりしたママだね→(OK)しっかりしたママだね(年齢のことなど余計なことは付け加えない)
・(NG)(子どもに対して)やればできるじゃない→(OK)がんばって結果を出してすごいね。努力が実って、ママもうれしい
このように、人に好かれるほめ方ができる人は、相手との距離感やお互いの境界線がわかっているので、「自分もOK、あなたもOK」とお互いを認め合うことができます。そういうほめ上手な人は、相手も会話をしていて心地よく、誰からも好かれる存在になります。
言い方ひとつで、ほめ上手になる
人をほめるときは「あなたのおかげで助かった」というような感謝の一言を添えると、より効果的です。誰でも、人の役に立つことはうれしいはず。言われた方は、「自分が認められ、人の役に立った」と感じられ、モチベーションがアップします。
上手にほめて感謝することで、職場の同僚が仕事に前向きになる、子どものやる気が育つといった変化がみられるでしょう。相手が成長することで、あなたにもさらにメリットを感じられるはずです。
相手をほめるときは、「どんなふうにほめられたら自分もうれしいか」を考える習慣を持つようにしましょう。「いいな」と思ったことは素直に言葉にして、相手に伝えるようにします。その積み重ねで、“人に好かれるほめ上手”になれば、スームズで心地よい人間関係を築けますよ。
取材・文/工藤千秋 イラスト/地獄カレー
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