無添加食材のおやつ「the kindest(カインデスト)」/連載Vol.6
調味料・保存料・添加物を最大限使わない、ベビーフードやおやつなど、子育て家庭向けの商品を展開しているブランド「the kindest(カインデスト)」。子どもも大人も安心して食べられる"やさしい"商品の秘密と、「食×ヘルスケア」というブランドスタイルについて、編集部が取材しました。
「からだにいい商品やサービス」の開発秘話、そこに込められた想いに迫る、連載「からだにいい仕事人」。第6回は、おやつやベビーフードなど、子育て家庭向け商品を展開している「the kindest(カインデスト)」。有機食材や自然食材を最大限使い、調味料・保存料・添加物を最大限使わない、“やさしい”商品づくりが特長です。運営会社である株式会社MiLの杉岡千草さんと、大塚かぐみさんにお話を伺いました。
(左)商品開発チームの大塚かぐみさん(product planner)、(右)CXチームの杉岡千草さん(CO-Founder)。
目次
「the kindest(カインデスト)」ってどんなブランド?
ー「the kindest」は、ざっくり言うと、どんなブランドですか?
杉岡さん:子育て家庭に「ほんとうにやさしいもの」を届けるブランドです。ベビーフードやおやつなどの商品を、シェフや小児科医などのプロフェッショナルな方々とチームを組んで開発し、D2C(Direct to Consumer ※)で販売しています。ブランド名は「やさしさ(kind)の最上級」という意味です。
※自社で企画製造した商品を、流通業者を介さずに、自社チャネルで直接販売すること。
カインデスト/the kindest
厳選した食材を用い、小児科、管理栄養士、一流シェフが共同開発したベビーフードやおやつをはじめとする商品を展開するブランドです。
「the kindest」の5つのやさしさ
ー「the kindest」のホームページを見ると、5つのやさしさ(1.身体にやさしい、2.時間にやさしい、3.一人一人にやさしい、4.やさしいものづくり、5.環境にやさしい)をブランドバリューとして掲げられていますが、その中で気になったのは、“時間にやさしい”という点です。これはどういう意味でしょうか?
杉岡さん:このブランドを立ち上げるにあたり、調査で見えてきたのは、世の中のママ達は、自分のことは後回しで子どものお世話をしている。ものすごくがんばっているにもかかわらず、肝心の「子どもや家族とふれあう時間」がなくなっているということでした。物理的にも精神的にも、しんどさを感じている人が多いんです。さらに「子どもに与える食事やおやつは手作りしなきゃ」という概念も、まだ根強くあります。
そこで、「ママ達が、罪悪感を感じることなく安心して子どもに与えられるものを私たちが作れば、子どもや家族とふれあう時間を提供できるのでは」と考えました。
ーそれが“時間にやさしい”なんですね。次に“環境にやさしい”について教えていただけますか。
杉岡さん:世界的にも日本においても、食に関する問題はたくさんありますが、「the kindest」は、特に食品廃棄問題に着目し、「まだ使えるのに捨てる」ことがないよう、whole food(ホール フード)への取り組みを行っています。本来捨てられる部分を使って出汁をとったり、食材をすみずみまで使い切る工夫をしています。
「the kindest」のおやつの特長について
離乳食に慣れてきた頃の赤ちゃんから大人まで、おいしく食べられるおやつは、全9種類(2020年7月31日現在)。
不要な添加物、砂糖や塩、アレルギー特定7品目は完全不使用のソフトクッキー。上から、プレーン&ストロベリー、ココア&オレンジ、ココア&バナナ、ココア&ラズベリー、プレーン&ミカン 各10本入り ¥1,680(税抜き)。
素材の自然な味わいを楽しめるドライフルーツ。左から、ドライレーズン 5袋¥1,740、ドライマンゴー 5袋¥1,990、ドライパイナップル 5袋¥2,490、バナナチップス 5袋¥1,590。すべて税抜き。
どうやって誕生したの?
大塚さん:私たちは、LINEアプリで「the kindest」をお友達登録してくださっているお客様に、頻繁にアンケートやインタビューを行っているんです。そこで、ママ達のニーズとして、ベビーフードに次いで多かったのがおやつです。「ちゃんと栄養のあるものを与えたいけれど、手作りする時間がない」、「お店で売っているものは添加物が多いのが気になる」といった声が多く、それなら「the kindest」でおやつを作ろうと。
ーたびたび、お客様とコミュニケーションをとられているんですか?
大塚さん:はい、それがお客様とダイレクトにコミュニケーションをとれるD2C(Direct to Consumer)の強みでもあります。実は、お客様の声をもとに、商品のプチリニューアルもよく行っているんですよ。
それと、私自身も子どもを持つママですが、「ママってこうだよね」と自分の基準で見るのではなく、お客様が本当に欲しいものや、求めていることをしっかりとキャッチして、商品開発に生かすことを第一に考えています。
“調味料・保存料・添加物を最大限不使用”というこだわり
ーソフトクッキーをいただきましたが、とても味わい深くおいしかったです。小麦粉のかわりにひよこ豆を使ってグルテンフリーなのもいいですよね。フルーツの自然な甘みも、“からだにいい”感じがしました。ホームページを見ると、5つのこだわりの中に、“調味料・保存料・添加物を最大限不使用”と書かれていますが、詳しく教えてください。
大塚さん:「使わなくて良いものは使わない、余計なものは入れない」という考えがベースなのですが、これを追求することって、コストは上がるし、技術的にもすごく難しいんです。素材の味があまりにも強く出過ぎたり、食感がボソボソになったり、試作は失敗の連続。本当は、調味料を足した方が簡単においしくできるし、保存料や添加物を足した方が品質としては安定しやすいんです。
それでも、余計なものを入れずに作る方法を探ります。材料の配合や調理法を工夫しながら、おいしさと品質を追求し、商品として世に出すのが「the kindest」のこだわりですね。小麦・卵・乳製品を使わないのは、アレルギーを気にされるママやパパにしっかり寄り添いたいという気持ちからです。
ーそれほど開発が難しいのに、くじけずにやり続けられる原動力って何なのでしょう?
大塚さん:「ほんとうにやさしいもの、からだにいいものをお客様にお届けしたい!」という強い思いはもちろんですが、私たちにとって大きな支えは、応援してくださるお客様と、生産者の方々、開発に携わっているプロフェッショナルな方々の存在だと思います。
白砂糖の代わりにフルーツピューレを使用したソフトクッキー。個包装なので外出先でも食べやすい。
「MiL」ってどんな会社?
ー「the kindest」を運営する株式会社MiLについて教えてください。
杉岡さん:「食×ヘルスケア」を軸に、2018年1月に創業した会社です。「Meal(食事)×I(私)×Life(人生)」の頭文字をとって「MiL」です。
ー正直言いますと、ホームページのトップ画像を見て衝撃を受けました。
杉岡さん:これは、アーティストのチョーヒカルさんが、私と、私の夫で株式会社MiL代表の杉岡侑也の体にボディペインティングした作品です。人の体は食べものでできていることを、子どもにもわかるように表現しています。
ーとてもインパクトがあって、強いメッセージが伝わってきますね。
杉岡さん:「the kindest」は、ベビーフードをはじめとする子育て世帯向け商品のブランドですが、子どもがいる家庭に限らず、誰もがヘルシーなライフスタイルを手に入れられるような商品やサービスの展開を考えています。
2020年7月には、赤ちゃんの離乳食から大人の食事まで幅広く使える、無添加・調味料不使用の「だし」が登場。少量のしょうゆと塩で味を整えた調味ありタイプも合わせて、全9種類。¥1,240~(税抜き)
MiL
「自分らしい人生を食から実現する」をビジョンに、地球環境と人間の未来に配慮した新しい価値を、“食”を切り口にして提供している企業です。
この記事を読んでくださった方へのメッセージ
大塚さん:ママ達には、心身ともに健康で、安心して子育てをしてほしいので、「もっと気軽に人の手を借りてもいいんだよ」と伝えたいです。その中で「the kindest」のおやつやベビーフードを、選択肢のひとつにしてもらえたらいいなと思います。
杉岡さん:「ヘルシーな食べもの」って、世の中的には「おいしくない」というイメージがまだ強いように感じています。でもそうではなく「ヘルシーなもの=おいしい」というイメージが当たり前になってほしいですね。そして、からだにいいものをちゃんと自分で選択できるように、心身ともにゆたかな生活が送れる社会を作っていけたらと思っています。
かわいらしい商品パッケージを手にしながら、笑顔でインタビューに答えてくれた杉岡さん(左)と大塚さん(右)。私たちの体は、食べたものでできているということを、あらためて考えるきっかけとなった取材でした。品質なのか、価格なのか、食べものを選ぶ基準は人それぞれ。ひとつひとつの食べものを、自分の目で確かめて選んでいきたいですね。
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