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おうちでできる! 骨粗鬆症学会認定医が教える“巣ごもり”骨活

感染症が心配なこの時期。“巣ごもり生活”による運動不足は、筋肉や骨の衰えにつながることも。骨粗鬆症学会認定医の中山久德さんに、自宅でもできる骨を丈夫にする対策について教えてもらいました。

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巣ごもり生活は、筋肉や骨の衰えの原因に

入院患者さんは1週間もベッドに寝たきりだと、とたんに足腰が弱ってしまいます。それと同じように、家にこもりがちで運動量が減ると、たった1~2週間でも筋肉や骨の衰えにつながることがあります。

一般的に20~44歳くらいまでがその人にとっての骨密度のピークであり、それまでにどれだけ骨貯金をできるかが、その先の骨の健康を左右すると言われています。特に女性の場合は閉経前後からは何もしなければ下がる一方です。

それまでせっかく骨貯金をしていたとしても、生活スタイルが変わることで一気に下がってしまい、それを元に戻すには何倍も時間がかかります。

このような時期こそ、自宅でも手軽にできる“巣ごもり”骨活に取り組んでみてはいかがでしょうか。からだを支えてくれる骨について見直す良い機会かもしれません。

骨を丈夫に! 自宅でできる「かかと落とし」

骨を丈夫に!

それでは、この状況下でもできる、“巣ごもり”骨活とはどのようなものなのでしょうか。

骨は重力の負荷がかかることと、振動を与えてあげることで丈夫になっていくという性質を持っているので、骨の健康に一番いいのはジャンプすること。
お子さんや若い人なら、手軽に自宅の前でできる『なわとび』がおすすめです。

そして、体力に自信のない人や高齢者でも家の中で簡単にできるのが、つま先立ちでかかとを上げた後に床にドスンと落とす『かかと落とし』と呼ばれる運動。

ドスンと振動を与えることで、骨の形成に関わる『オステオカルシン』というホルモン物質が効果的に分泌されます。オステオカルシンは神経細胞のネットワークをよくする働きもあるため、認知症予防にもよいということが解明されています。

自宅でできる「かかと落とし」運動のやり方

骨を丈夫に! 自宅でできる「かかと落とし」

姿勢をよくして真上に伸び上がるようにつま先立ちになり、ドスンと一気にかかとを床に落とします。
ひざを伸ばし、かかとから頭までが一直線になっていることが大切。1度に10回を朝昼晩の3セットで30回くらいを目標に。転倒の危険がない安全な場所で行いましょう。

※ひざなどに疾患がある方、すでに骨粗しょう症の診断を受けている方などは、運動を行う前に医師にご相談下さい。 

クエン酸やビタミンDをプラスして、効率的にカルシウムを吸収

クエン酸やビタミンDをプラスして、効率的にカルシウムを吸収

運動に加えて、食事ももちろん大切。骨を丈夫にするのに大切な栄養素といえば、カルシウムが真っ先に思い浮かびますが、そこには意外な盲点があります。

カルシウムは吸収率が悪い栄養素です。
吸収率が一番良いと言われている乳製品でも含まれているカルシウム量の50%くらいしか吸収されず、小魚は30%程度とさらに少なくなります。
野菜の中では小松菜に多く含まれますが、食物繊維が含まれていることでカルシウムの吸収を邪魔してしまうため、20%くらいしか吸収されないと言われています。

せっかく食べた栄養素をより効率的に体内に吸収するためには、調理の際にひと工夫することがおすすめです。レモンやお酢に含まれるクエン酸はカルシウムのイオン化を促進して吸収しやすくする『キレート作用』を持っています。

レモンは果物の中でもクエン酸含有量がトップクラス。ですから、カルシウムを多く含む乳製品などと一緒にレモンを取りいれるといったひと工夫をすることで、より効果的に摂取できます。

ビタミンDもカルシウムの働きをサポートするので、ビタミンDを含むきのこ類などをさらに加えてもいいでしょう。

カルシウムとレモンを一緒に摂ると、カルシウムの吸収がよくなるばかりでなく、骨を壊す働きが抑えられるという研究結果もあります。

県立広島大学の飯田忠行先生らが行った研究では、閉経後の中高年女性40名を対象にレモン果汁(レモン1個分の果汁)とカルシウム350mgを含むレモン果汁飲料を6カ月摂取してもらった結果、骨吸収マーカー(骨が壊される指標)が、摂取1カ月後より減少、飲み続けていた6カ月後まで有意に低い値を示しました。

レモンは骨の材料であるカルシウムの吸収を高め、さらに骨を壊す細胞の働きを抑え、結果的に骨密度を増加させることが期待できるのではないでしょうか。

出典:The Effect of Calcium-Fortified Lemon Drink on Bone Density and Bone Metabolism in Postmenopausal Women. IMJ 2017 ; 24(3) : 279-283 (24195)
via 出典:The Effect of Calcium-Fortified Lemon Drink on Bone Density and Bone Metabolism in Postmenopausal Women. IMJ 2017 ; 24(3) : 279-283

“巣ごもり”生活が引き起こすデメリット

感染予防のことで頭がいっぱいになって、他のデメリットに目が向かなくなることも心配です。

若い女性は、熱心なUVケアでカルシウムの吸収をサポートするビタミンDが不足していることや、ダイエット志向による食事の偏りで、もともとカルシウムなどの栄養素が不足気味です。
そこに、今回のことで拍車がかかってしまうことも考えられます。

子どもたちも休校で給食を食べなくなることで、毎日、牛乳を飲まなくなっているかもしれません。
栄養不足は成長期にとってもよくないこと。お母さんたちは、乳製品を摂る習慣を休校期間にも心がけるといいでしょうね。

骨貯金は運動と食事で増やすことができます。家に閉じこもっている間に、災い転じて、毎日の食事を意識的に見直してみるきっかけになればいいですね。

手間なしかんたん“巣ごもり”骨活レシピ4選

牛乳ととろけるチーズで簡単!レモンクリームパスタ

牛乳ととろけるチーズで簡単!レモンクリームパスタ

【材料/1人分】
パスタ…100g 
牛乳…200ml 
きのこ…50g 
とろけるチーズ…1枚 
ベーコン…20g
レモン果汁…大さじ1と1/2
にんにく…一片
塩・こしょう…適量 
バター…10g
パセリ…適量

【作り方】
(1)材料は計量する。きのこはほぐし、ベーコンは1cm程度の短冊切り、にんにくはみじん切りにする。パスタはゆでておく。
(2)熱したフライパンにバター、にんにく、ベーコン、きのこを入れ、きのこがしんなりするまで炒める。
(3)牛乳を2,3回に分けていれ、ふつふつとするまで火にかける。
(4)細かくしたチーズを加え溶けてきたら茹でたパスタを加えからめる。
(5)レモン果汁を加えひと混ぜし、塩・胡椒で味を調える。お皿に盛り付けパセリを振ったら出来上がり。

じゃことチーズのカリカリサラダ

じゃことチーズのカリカリサラダ

【材料/4人分】
サニーレタス…5〜6枚
ミニトマト…8個    
ちりめんじゃこ…20g  
プロセスチーズ…4切 
オリーブオイル…大さじ1
レモン果汁…大さじ2 
しょうゆ…大さじ1   
砂糖…適量       
こしょう…適量       

【作り方】
(1)サニーレタスは洗ってひと口大にちぎり、冷蔵庫で冷やす。ミニトマトは半分に切る。
(2)チーズは7〜8mmの角切りにする。
(3)フライパンにオリーブオイル、ちりめんじゃこを入れ、弱火で3〜4分炒める。
(4)器に(1)を盛り、(2)を散らし、(3)を油ごとじゅっと回しかける。
(5)レモン果汁、しょうゆ、砂糖、こしょうをかけ、全体をざっくりませながら食べる。
※サニーレタスの他に、水菜やサラダほうれんそうなど、季節のサラダ野菜でもおいしくいただけます。
※じゃこは香ばしく炒めるので、お子様にも食べやすくなります。

きのこと小松菜のソテーじゃこソースがけ

きのこと小松菜のソテーじゃこソースがけ

【材料/1人分】
エリンギ…1パック(100g)   
しいたけ…4枚           
しめじ…1パック(100g)    
小松菜…1束           
ごま油…適量            

A|ちりめんじゃこ…大さじ6  
 |桜えび…大さじ8      
 |しょうゆ…大さじ1と1/2 
 |レモン果汁…大さじ3
 |ごま油…大さじ3

【作り方】
(1)エリンギは長さを半分に切ってからタテに6等分に切る、しいたけは軸をとって、縦に繊維に沿って厚さ5mmにスライスする。
しめじは小房に分ける。
(2)小松菜は水洗いし、長さ5cmに切る。
(3)フライパンを熱し、ごま油を入れて小松菜を炒める。ひと炒めしたら【1】を加えてさらに炒め、しんなりとしたら、塩、こし
ょう、レモン果汁(各分量外)をふり、皿に盛る。
(4)【3】のフライパンに【A】のごま油を入れ、ちりめんじゃこと桜えびをこんがり炒め、しょうゆとレモン果汁を加え、熱いうちに【3】をかける。

冷やした牛乳とレモンでおいしく!レモンラッシー

冷やした牛乳とレモンでおいしく!レモンラッシー

【材料/1人分】
牛乳…150ml       
レモン果汁…大さじ2
はちみつ…大さじ1     

【作り方】
(1)グラスにすべての材料を入れ、よく混ぜ合わせる。
お好みで氷を浮かべる。
※レシピにははちみつが含まれます。
1歳未満の幼児には与えないでください。

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