腸の健康のためには、腸内細菌のエサになる「発酵性食物繊維」が大事!
「腸の健康のことならお任せ!」の、『からだにいいこと』誌面でもお馴染みの松生恒夫先生が、腸内環境を良くするための最新の情報を教えてくれます。腸内環境をよくするためには、ヨーグルトから乳酸菌やビフィズス菌を摂っているだけではダメ! 腸内細菌たちのエサになる“発酵性食物繊維”が重要なのだそうです!
提供/発酵性食物繊維コンソーシアム
“発酵性食物繊維”が腸内環境を良くするためのカギ
腸内を健康にする、つまり腸内環境をよくすると、病気になりにくくなるし、幸せホルモンもたくさん分泌されるといわれますね。これは、『からだにいいこと』を毎号しっかり読んでくれている『からこと』読者ならよく知っていること。
そのために、
「毎朝ヨーグルト食べてるわよ」
「乳酸菌入りのチョコレートも食べてるし」
「ビフィズス菌入りの飲料も飲んでる!」
なんて声が、次々と聞こえてきそうです。
全国的にみても、腸活を実践している人は、3人に1人いるそうです。
どの世代も30%以上の方が「腸活」を実践しているんですね。
でも、乳酸菌やビフィズス菌を摂っているだけじゃ、片手落ちだって知っていました? 乳酸菌やビフィズス菌が生きたまま腸まで到達する数は少ないといわれます。
もちろん死菌だって、腸内細菌のエサになるわけですから無駄にはなりません。しかし、腸内細菌をもっともっと元気に活動させる方法があったのです!
それは「発酵性食物繊維」を積極的に食べること。
「腸内細菌がエサを食べると産生物を出します。つまり、発酵するわけです。この腸内細菌による発酵を促すには、発酵するためのエサを与えることが必要で、それが“発酵性食物繊維”です」
と、松生(まついけ)クリニック院長の松生恒夫先生。
人間の体のために良い働きをする腸内細菌を増やそうとして、乳酸菌やビフィズス菌をたくさん摂っても、その多くはエサになるだけ。それならば、もっと効率よく善玉菌を元気にするエサを摂った方が、善玉菌は元気になっていくというわけです。
“腸内発酵”ってどんなこと?
「善玉菌は食物繊維を分解して、健康増進に有効な“酪酸”をはじめとした“短鎖脂肪酸”を産生します。この一連の仕組みを“腸内発酵”といいます」
腸内に短鎖脂肪酸が増えていくと、腸内の酸性度が高まって、ビフィズス菌などの善玉菌は棲みやすく、悪玉菌は棲みにくい環境になるのだそうです。そのうえ、
「酪酸は整腸効果を高めたり、肥満を予防するなど、全身の健康維持に深く関係する」というのですから、腸内発酵力を高めることが、重要だということがわかりますね。
“発酵性食物繊維”はどうやったら摂れるの?
まず、食物繊維は何かということからご紹介すると、昔は「炭水化物」と呼ばれていたものが、最近は「食物繊維」と「糖質」に分けて考えられるようになりました。
「糖質やビタミン、ミネラル、タンパク質などが消化・吸収されて力を発揮する栄養成分なのに対して、食物繊維は、人間の体に消化・吸収されない成分です。小腸の消化管酵素の作用を受けず、大腸まで到達して善玉菌のエサとなり、発酵を促進してくれるのです」
と、松生先生。
その食物繊維の中でも、発酵力を高める食物繊維があります。それが“発酵性食物繊維”。
私たちがよく知っている食材に含まれているのです。
松生先生がオススメする“発酵性食物繊維”豊富な食材というと、
【穀物系】
全粒小麦、小麦ブラン、大麦、玄米、もち米
【根菜類】
ごぼう、こんにゃく、菊芋
【海藻類】
わかめ、こんぶ
などがあります(腸の手術をした方は、海藻類を食べ過ぎないようにしましょう)。
「サラダに入っているレタスやキャベツなどの葉物野菜は、大半が水分で、かなりの量を食べないと十分な食物繊維を摂ることができません。全粒小麦や小麦ブラン(ふすま)、玄米のふすまなどに含まれるアラビノキシラン、大麦やオーツ麦に含まれるβ-グルカン、菊芋や玉ねぎなどに含まれるイヌリンなどが、発酵力を高めてくれる食物繊維ですので、このような食材を積極的に食べることで、善玉菌の活動が活発になり、酪酸などを産生し、善玉菌が棲みやすい腸内環境になります」
いかがですか? 私たちが元気になれる大好きな食品があるように、善玉菌にとってもよい効果が期待できるエサがあるのですね。これからは善玉菌が元気になるように、私たちはせっせと“発酵性食物繊維”を腸へ送りこみましょう!