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さよならイライラ!「ストレスオフ」を学べる講座を体験
家事や仕事、子育てなど誰もがストレスを感じていますよね。今回は、そのストレスを上手にコントロールする技術を身につける「ストレスオフ・トレーナー」の育成講座を受けてきました!講座の様子をレポートします。
目次
「ストレスオフ・トレーナー」とは?
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「ストレスオフ・トレーナー」とは、一般社団法人ストレスオフ・アライアンスが認定する、メンタルヘルスケアの資格です。「ストレスオフ」とは、ストレスの正しい知識を身につけ、ストレスに振り回されないよう事前予防していくこと。
「ストレスオフ・トレーナー」の資格を取得すると、自らのストレスコントロールはもちろん、職場のマネジメントに活かせたり、身近な人のストレスをケアしたりすることができます。ストレスフルな社会で生きる現代人にとってとても役立つ認定資格といえます。
講師はメンタルコーチ・小山圭介さん
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今回の講師は、「ダイエット王子」としてメディアでも有名なメンタルコーチの小山圭介さん。人々の心も体も美しく健康にしたいという思いから、インストラクター・ダイエットトレーナーになった小山さん。自身も「ストレスオフ・トレーナー」の資格を持っています。とてもにこやかで優しい雰囲気の小山さん。受講者のみなさんも自然と小山さんのお話に耳をかたむけていました。
「触れ合い」でストレスオフ物質が分泌
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参加したのは、全8回の講座の7回目。まずは、前回学んだことを日常生活で実践できたかを、グループごとに話し合います。ちなみに、前回は「期待しないこと」「プチ感動」「温冷浴」がテーマだったそうです。話し合いが終わると、グループの代表者1名が全員に発表します。
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グループディスカッションや発表で聞こえてくるのは、ほめ言葉などのポジティブワードと拍手ばかりで、和やかな笑い声が絶えません。ちなみに小山さんは、受講者に“王子”というニックネームで呼ばれ、とてもアットホームな雰囲気です。
小山さんは、このようなポジティブな触れ合いを、「グルーミング」と呼んでいます。「グルーミング」によってストレスオフを促す脳内物質「オキシトシン」が分泌されます。オキシトシンは、ストレス物質の分泌を抑える働きを持ち、親しい人とのスキンシップや対面の会話などで分泌が促されます。つまり、「グルーミング」が行われる講座自体が、ストレスオフの場になっているのです。
内臓と呼吸はストレスに関わっている
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今日のテーマは、内臓と呼吸。この二つがストレスとどう関わっているのかを学びました。
まず、内臓は主に腸の働きについてです。腸の動きが乱れるとストレスが起こり、ストレスが起こると腸の動きが乱れるというように、腸とストレスは影響し合っています。そのため、腸の健康状態が分かると自分のストレス状態を知ることができます。
毎日自分の便をチェックすることがストレスのバロメーターにもなるのです。ちなみにいい便は、ニオイがしません。見た目は、段ボールのような薄茶色でバナナ形をしているもの、または親指くらいの太さで腸のようにうねうねしたものがいい便。小山さん曰く、どういう生活をするとどんな便が出るかという「うんち日記」をつけると良いとのこと。これは、今日からでも始められますね!
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次は、呼吸についてです。呼吸は、ストレスによって乱れた自律神経のバランスを整えます。その中でも特におすすめなのが、「ストロー呼吸」という呼吸法です。鼻で大きく息を吸って、ストローをくわえているかのように、口から細く長く息を吐きます。吸うよりも吐くことに意識をかたむけることがポイントです。実際にやってみたところ、すぐに呼吸が深くなり、リラックスできました。気持ちを切り替えたいときに、手軽に使えそうなストレスオフテクです!
正しい姿勢でストレスに負けない体を
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続いて、みんなで立って体を動かす「姿勢とエクササイズ」の時間です。
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実は、姿勢はストレスオフにとても深い関わりを持っています。そもそも姿勢は、全身の筋肉によって支えられています。この全身の筋肉は、“幸せホルモン”と言われる「セロトニン」の影響を大きく受けています。「セロトニン」の分泌が減ると、筋肉がゆるんでしまい、正しい姿勢を保てなくなります。すると、体にコリや痛みが発生。
体と心はつながっているので、体の不調が心のストレスに悪影響を及ぼします。ストレスに負けない体を作るためには、常に正しい姿勢を意識して生活することが大切なのです。
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講座で行ったエクササイズの中で、特に印象に残ったのは、「猫背バイバイエクササイズ」。その名の通り、猫背を改善するものです。やり方は、まず足を肩幅に開いて、両手を左右に開き、ひじを大きく後ろに引きます。そして、うでを上下に20回動かします。ポイントは、うでを下げるときに肩甲骨をしっかり引き寄せること。
パソコンに向かうことが多く猫背が悩みの私には、ぴったりなエクササイズでした。
少し体を動かしただけなのに、気持ちがとてもスッキリ!激しい動きではないので、仕事帰りの服装で参加しても気軽にできます。ちょっとした休憩の合間にやっても、いいリフレッシュになりますよ。
ストレスを溜めない「考え方」をマスター
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最後は、ストレスから身を守る「考え方の復習」です。ストレスから解放されるために前向きになれる考え方を学んでいきます。その中でも、特に面白かったのが、「不寛容に対して寛容に」という考え方です。例えば、誰かからぶっきらぼうな態度を向けられたとき、相手を理解して許そうという姿勢を持つことです。「もしかしたら、あの態度には何か理由があるのかもしれないからしょうがない」などと思うことで、自分自身がイライラから解放されますよね。常に寛容な気持ちでいることで、平和な人間関係が築けます。
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この時間もグループディスカッションでコミュニケーションをとりながら、理解を深めていきます。
授業の後も、LINEでストレスを報告
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この「ストレスオフ・トレーナー」の講座は、週1回、全8回行われます。講座のない期間、受講者たちはSNSアプリのLINEを使い、自身のストレスの状況などを報告し合います。報告する内容は、体重や運動、睡眠、姿勢、ストレス具合の点数、自分をほめたいと思ったことなど9項目です。
小山さんによると、講座が進むにつれて、生徒さんのストレス点数もどんどん下がり、報告内容もポジティブになってくるそうです。講座のない期間も、ひとつのチームであることを忘れずに、みんなで励まし合えるようなムードがすばらしいですね。
ストレスで悩んでいる人や、仕事で活かしたい人に
今回学んだことは、ストレスを減らす体調管理テクとネガティブな思考を避ける考え方。ストレスオフには、体と心の両方のコントロールがとても大切なんですね。また、ひとつのチームとして生徒さんたちが受講している姿を見て、「毎週のレッスンが楽しみになりそう!」と感じました。
ストレスオフ・トレーナー育成講座 概要
ベーシックコース
自分自身のストレスをマネジメントする方法を全8回の講座で習得。「ストレス」「自律神経」「ストレス性疲労」「ストレスオフ」といった基礎知識と、ストレスオフを実践するための5つの基本要素「過ごし方」「休み方」「体づくり」「考え方」「環境づくり」を学ぶことができます。今回体験したのは、このコースです。
アドバンストコース
ベーシックコース修了者を対象としたコース。ストレスオフの知識や技術を教える指導者になるためのスキルを身に付けることができます。
撮影/代 和佳子
[ 著者 ]