朝3分で全身に血が巡る!「冷えとり指圧」でコリ・疲れの元を押し流す
首やお腹、脚の付け根の太い血管を押して刺激すると、全身に血液がどんどん流れ、冷えが改善。同時につらいコリや疲れもすっきりします。全身をめぐる血管を直接刺激するので、すぐに効きやすい!3分を毎朝の習慣に。
目次
太い動脈を押すだけで、冷えも疲れもス~ッと軽く!
「指圧は一般のツボ押しやリンパマッサージと異なり、血管を直接押して刺激する治療法。太い動脈を押すと全身の血液がどんどん流れ、冷えが速やかに改善します」と話すのは、指圧師の浪越(なみこし)孝さん。
「同時に指圧はリンパや静脈も活性化。疲れやコリの原因である、血流と老廃物の滞りも改善できます」。
血管指圧のやり方は簡単です。ドクドクと血液の流れを感じる場所を押すだけ!
「押すのは太い動脈のある首、お腹、脚のつけ根の3カ所。はじめた瞬間から体がポカポカし、全身の不調が軽くなりますよ!」
血管指圧のココがスゴい!
指圧をすると…
ホースの先を指でつまむと、水の出る勢いが増します。それと同じ原理で、動脈を押すと血管の面積が狭くなり、血液が勢いよく流れます。
スゴい!その1 運動するのと同じ血流促進効果が!
血管指圧は、心臓から出ていく血管(動脈)を中心に押します。すると滞っていた全身の血液が勢いよく流れ、血流がアップ。動脈表面にある血管拡張神経も刺激され、筋肉運動をしたかのような血流促進効果が!
スゴい!その2 静脈血・リンパも流れて老廃物がスッキリ
動脈と静脈、リンパは毛細血管でつながっています。そのため、動脈を刺激すると自然に静脈血やリンパの流れもよくなり、コリや疲れの元になる老廃物をどんどん排出。コリや痛みが和らぎ、体が軽くなります。
血管指圧の3つのルール
頭部の血流を促す首、上半身や内臓の血流をよくするお腹、下半身の血流を促進する脚のつけ根。この3カ所の血液循環をよくすれば、全身の血行がぐんぐんアップ。
[首]頭部と顔面の血流促進、肩コリや頭痛に即効
首の総頸動脈に沿って刺激すると、頭部や頭皮、顔面の血流が促進。重い頭がスッキリし、肌荒れや白髪予防にも。
[お腹]「の」の字に刺激すると、全身の疲れが抜ける
栄養を消化・吸収、排泄する流れに沿って、臓器をとりまく腹部大動脈を刺激。全身の代謝が上がり、疲れがスッキリ。便秘も改善。
[脚のつけ根]太い動脈が通るつけ根を押して、むくみオフ!
心臓から遠い脚は血行が悪化しがち。大腿動脈が通るつけ根を押して下半身のめぐりをよくすると、むくみが改善。
指と手の平を使い、深部に向かって垂直に押します。息を吐きながら、気持ちいい圧で3秒ずつ押すのがポイント。痛みを感じると血管が収縮するので、強く押しすぎないこと。
血圧が低い、朝いちばんに行うのがおすすめ。だるさや疲労感が軽くなって目覚めがすっきり。また血流がよくなって代謝がアップし、その日1日を元気にすごせます。
3分で全身ぽかぽかスッキリ!「血管指圧」のやり方
皮膚に指や手の平を当てて、じんわり垂直に押すだけ。血液が勢いよく流れ、体がポカポカする感覚を味わって。
◯指紋部で垂直に押す
指は指紋部を、手の平は手の平全体をぴったりと皮膚に密着させて垂直に押す。3本指で押すときは、指をそろえて。
✕指先で押す、関節で押す
指を反らせて関節の部分で押したり、指の先端で刺すように押すのはNG。
首の指圧:肩コリ・首コリ・頭痛に効く!首の血管指圧
肩や首から上の不調が気になったらココをプッシュ。押すだけで顔色がよくなり、頭が冴えてきます。
顔を横に向けたときに張り出す筋肉の前側で、ドクドクと拍動を感じる場所が頸動脈。顔を左右に向けて位置を確認したら、顔を前に戻す。顔を横に向けたまま行うと、筋肉が緊張してしまうので避けて。
(1)で確認した場所に親指の腹を密着させ、残りの4本の指は首の後ろにそえる。このライン上をあごの下から鎖骨のすぐ上まで等間隔に下がって4点押す。1点につき3秒かけて3回押して。反対側も同様に。
両方同時に押すと、気道をふさいでしまうので危険。片方ずつ、やさしく押すこと。
お腹の血管指圧:全身の疲労・更年期障害・腰痛に効く!
内臓をとりまく腹部大動脈をやさしく刺激。胃腸や子宮、卵巣の血行を促して免疫力もUP。
食べ物が消化、吸収されるルートに沿って指圧。(1)みぞおちの下→(2)小腸→(3)膀胱→(4)盲腸→(5)肝臓→(6)脾臓→(7)下行結腸→(8)S状結腸→(9)直腸の順に、お腹を「の」の字に沿って押す。
脚のつけ根の血管指圧 : 下半身のむくみ・冷えに効く!
脚のつけ根のラインの真ん中あたり。少しくぼんでいる、触るとドクドクしているところ。
あお向けになり、両手の人さし指、中指、薬指の3本指をそろえて、左右の脚のつけ根の中央に、指の腹が当たるように置く。体の力を抜き、3秒かけてじんわり押す。これを5回くり返す。
イスに座りながらやるのも効果的。親指の腹を指圧ポイントに当て、上半身を前に倒しながら押すと、力が入りやすい。
撮影/福島章公 モデル/結城はゆる イラスト/ふるやますみ
(からだにいいこと2016年12月号より)
[ 監修者 ]