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歯科医が説く!カムトレ × 新型コロナウイルス予防対策
全身の健康や美容に関わる「噛む力」について、様々な分野から学ぶ「カムトレ」連載。 今回は、現在世界的に流行中の新型コロナウイルスをはじめとした、様々な感染症を「噛むこと」によって予防するメカニズムを学びました。インスタライブでも配信したお口からの予防法をお送りします♪
目次
噛むことで免疫力を高め、“正しく恐れる”ことが大切
カムトレ特別講座シリーズ第7回は、歯科医の立場から新型コロナウイルス感染予防対策を発信している石井さとこさんにお話を伺いました。
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「口内には多くの菌が存在しているので、私たち歯科医師は、常に感染症予防対策を万全にしています。私の父も歯科医でしたが、当時はグローブがない時代だったので、都度ブラシ手洗いを徹底していました。感染症の予防には、“ 手洗い・マスク・消毒 ”、そして “噛むことによる免疫力の向上” が必要です」。基本的な予防策を徹底する事が大切なのですね。
また、最近メディアで報じられている感染予防に関する疑問にも言及。
“マスクは着けなくてもよい説は本当?” に対して、「マスクはしたほうがベター。みなさん何気なく鼻を掻いたり、おでこを触っていませんか? 顔に触れることで手に菌やウイルスがつき、体内に取り込むきっかけに…。マスクは顔と手指の接触回数を減らす防護壁の役割を担ってくれます。ただし、つけっぱなしは顔の筋肉の運動量が低下するので、家では外すなど、メリハリを意識して」。
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3、4、マスクの使い方について。小指で紐を外すと、マスク表面に触れないので、菌を手指にうつすリスクも減ります。
「未知のウイルスなので、不気味に感じてしまいますが、知識を得て“正しく恐れる”ことが大切。心に余裕を持てれば豊かに生活が送れるのではないでしょうか」。噛むことで得られる、題して「噛みセブン」なる、7つの嬉しい“神ポイント”も参考に、ぜひ今日からの感染予防対策に役立ててみてくださいね! 。
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6、口を閉じたときの舌の正しい位置を解説。
感染症を予防するための基本のキ !!
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噛むことで得られる健康効果 “噛みセブン”
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噛むと口もとの筋肉が動き、唾液が出ますよね。これにより中和性の高い口臭予防効果が期待できます。食べている時ほど実は口臭が無いのも唾液のおかげ♪ またラクトフェリン(多機能タンパク質)が含まれているので殺菌作用・免疫力向上にもつながります。健康と美をキープするため“美だ液”をたくさん噛んで出して!
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噛むことで満腹中枢を刺激すると血糖値が上昇し、食欲を抑制する効果が期待できます。是非ひと口20回以上噛んでみて!
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海馬に刺激を与え記憶力が良くなる効果あり。入れ歯でもよく噛んでいるご高齢の方は元気でしっかりされていますよ。老化防止にも◎。
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車を運転しているときや勉強するときにガムなどを噛む人も多いことでしょう。噛むことでイライラを防止するとともに集中力がアップ!
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スポーツ選手が噛みながらプレーするのは不安やストレスを軽減させるため。先が見えないモヤモヤも、よく噛むことで吹き飛ばして!
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血流がよくなるので体が温まり、凝り固まった筋肉をほぐしてくれます。頭痛も、よく噛むことで緩和されたり楽になったという実例も!
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噛むことは歯だけでなく顔の筋肉や喉の粘膜など、様々な部位が活性化するので小顔効果絶大♥ 舌の運動は特におすすめ。
レロレロエクササイズ
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1、舌を「レー」と思いっきり出す。声を出しながら筋肉を使って。
2、舌を巻くように「ロー」と発音。
この時舌先が上あごに触れるように意識しながら、10回繰り返す。
ぴよぴよぷーエクササイズ
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1、頬肉を吸い込み、くちばしのように唇をすぼめる。そのまま小鳥のように「ぴよぴよ」と唇を上下に10回動かす。
2、両頬を「プー」と勢いよく膨らませて口輪筋をほぐす。
ほかにも気になる予防策 Q & A
Q1 うがいはしたほうがいい?
A. 効果的なうがいは歯磨き前!
おちょこ1杯分(約20㎖)のお水を口に含んで。片方のほっぺたに含める量の水でうがいすれば歯磨きの精度が上がり清潔なお口に。
Q2 手洗い、うがい、消毒以外にも対策は?
A. 睡眠 !!
睡眠はお肌や健康にとても良いと言われますが、口腔内も同じ。口内炎など、一晩しっかり寝ると治ってることってありますよね。
Q3 口の中がどんな状態だとウイルスを寄せ付けない?
A. 口腔内が清潔であること!
歯周病菌をはじめ口腔内が不衛生だとインフルエンザ等の菌やウイルスを体内に取り入れやすくなってしまうので、常に清潔を保って。
撮影/大槻夏路
(からだにいいこと2020年6月号より)
[ 監修者 ]