専門家に聞く「セックスレスでもOK」な7つの理由
からだにいいこと読者260人のアンケート結果では、約7割がセックスレスでした。女性ホルモンや子宮を守るために、セックスは “しなければならない” と思い込んでいる人もいましたが、専門家は「無理をしてまでする必要はない」とアドバイスします。
目次
無理してセックスしなくていいって本当?
からだにいいこと読者の大多数が、セックスレス!? このアンケート結果を受けて、「セックスレス」がもたらす体、心、パートナーとの関係性への影響について、泌尿器科医の尾崎由美さん、精神科医の和田秀樹さん、夫婦問題研究家の岡野あつこさん、3人の専門家に聞きました。
その結果、「セックスは無理をしてする必要はありません」という予想外の回答が。3人の先生方それぞれの立場からの、「無理してセックスをする必要がない」理由を紹介します。
30〜50代のからだにいいこと読者260名のアンケート結果から、 セックスレスの実情とその本音をレポート!
1.セックスの回数が減っても女性ホルモンは減らない
女性ホルモン「エストロゲン」が低下すると性欲が減り、セックスレスになりやすくなります。しかし、セックスの回数が少ないことが女性ホルモンの低下につながる報告はありません。女性ホルモンの低下は、ストレスや加齢、病気の治療などによるものです。(尾崎さん)
2.セックスは運動と同じ
妊娠目的でないなら、“セックスは運動と同じようなもの”と考えるのがよいでしょう。運動は、するといいことがありますが、無理してするとむしろ体の害となる可能性が。するに越したことはないですが、そこまで無理してする必要はありません。(尾崎さん)
3.無理してすると心に悪い
本当はしたくないのに、夫のため、体のためと無理にセックスしようとすると、それがストレスとなり、過呼吸や震えが止まらなくなるといったパニック症状を引き起こす人も。
「しなければいけない」というストレスは心に大きな負担となるので、無理にしようとしなくてもいいのです。ただし、なぜセックスしたくないかをよく考えて、パートナーに相談することは大切です。(尾崎さん)
4.セックスをしなくても子宮や卵巣に影響なし
セックスしないことで子宮や卵巣に大きな影響はないですが、膣や外陰部は萎縮してしまう可能性はあります。また、セックスレスの女性はセックスをしている人と比べて、頻尿や尿失禁が生じやすいという報告もあります。けれどこれらの症状は、骨盤底筋訓練である程度予防することが可能です。(尾崎さん)
5.同じ作用を持つ行動でセックスの利点を得られる
セックスには心に幸福感や充実感を与える作用があります。これは好きな有名人などにときめいて得られる感情に似ています。この感情の刺激がセックスの代わりとなり、女性らしさや若さを保つことに。有名人なら、ネットやテレビで見るだけでなく、ライブや舞台に行って五感で感じるとより効果的です。(和田さん)
6.お互い信頼し合えば関係はうまくいく
セックスレスでも仲良くしているカップルはたくさんいます。彼女たちの特徴は、お互いがセックスレスであることを認め、セックス以外のことで尊敬し信頼しあっていること。信頼関係さえあれば、「セックスレス夫婦は成立する」パターンは多いですよ。(岡野さん)
7.いまセックスレスでも未来はある
5年以上セックスレスだったカップルが、レスから抜け出したというパターンを何例も見てきました。セックスレスについて話し、マッサージし合ったり、ハグしたりすることから始めて。今セックスレスでも、したくなるまで時間をかけて待つ方法も。(岡野さん)
もちろん、セックスにはこんないいことも
医学的メリット
性的な快感を得ることで心身ともに満たされ、その人自身の生活の質が向上することにつながります。お互いの体を見て触れるので、乳がんやその他の病気の早期発見につながります。(尾崎さん)
精神医学的メリット
女性が女性として、男性が男性としてあり続けるために確認し合うのがセックスという行為。性交渉のあるパートナーを持つことは精神的な安定にもつながり、更年期の情緒不安定やうつの予防にもつながります。(和田さん)
夫婦関係的メリット
心と体がつながるセックスは夫婦関係をより深め、女性らしさや奥ゆかしさを維持することにもつながります。ますますパートナーから愛されるようにもなります。(岡野さん)パートナーと生活していると、セックスは切っても切れないことなのも事実。無理してしなくていい、自然体でOKと安心していいけれど、セックスにメリットがあることを忘れないのも大切なのですね。イラスト/はしもとゆか
(からだにいいこと 2019年5月号より)
日本ではなじみの少ない「膣トレーニング」。 女性ホルモンのカギは膣にあるとして、フランスでは“女性に必要不可欠なこと”として導入されています。骨盤底筋に働く3つの膣とレーニングで、健やかな“女”を保ちましょう!
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