家族の健康ケアまでサポート! 最新の住宅「スマートホーム」とは?
ロサンゼルス在住の健康系ライター&ヘルスコーチの小山陽子です。今回は、毎年アメリカ・ラスベガスで行われる世界最大の国際見本市「CES2020」に行ってきました。その中で発表された、家族の健康を管理してくれる「スマートホーム」についてレポートします。
もはや操作も不要で、勝手に健康管理してくれる
ここ数年で、「電気をつけて!」と声で操作できるグーグルホームなど、家電を声やスマホでコントロールするデバイスが普及。正直なところ、私は「電気ぐらい自分でつけるさ…」と、こういったものから一定の距離を置いていました。が、テクノロジーは飛躍的に進化。なんと今度は、家自体がインターネットとつながる「スマートホーム」が世界で注目されています。特徴は、もはや操作することすら不要という、生活に溶け込んだ機能。私のように、最新デバイスにうとい人でも安心です。
なかでも、今年ラスベガスの「CES2020」で発表された、積水ハウスのスマートホームは、今までと同じように“ただ住むだけ”で、家族の健康管理、病気予防ができるというもの。端末を体につける必要がなく、天井に設置されたセンサーが勝手に私たちのバイタル(心拍数や呼吸など)を読み取ってくれるのです。日頃の体調管理に役立てるのはもちろん、体に異常が出た場合は、救急隊に出動要請までしてくれるように。
自宅でもし倒れたら……家が命を救ってくれる
自宅での病気や事故は意外にも多く、脳卒中の年間発症者数は約29万人(※1)。そのうち79%(※2)が家の中で発症するといわれています。また、心疾患、転倒・転落などを加えると、自宅での死亡者数は年間約7万人にものぼります。
例えば、家で一人の時、急に心臓発作や脳卒中になってしまったら……。こんな時、積水ハウスの「スマートホーム」なら家に設置されているセンサーがバイタルの異常を検知・解析して、提携する通報センターに連絡。オペレーターが本人に緊急事態かどうかを音声で確認します。本人の応答がなければ、速やかに救急隊に出勤を要請。救急隊が到着したら、遠隔操作によりドアのロックを解除します。家の中のどの部屋で倒れているかの情報も救急隊に提供できるので、早期発見・早期治療につながります。
住めば生活の質が向上するサービスが受けられる
そして、蓄積された家族のバイタルデータは、日々の健康管理にも大活躍。データを活用して、その人にあった運動や快眠、健康な食事などのサービスを提供してくれる予定。ちなみに、食事などのフードサービスは、イトーヨーカードでおなじみの「セブン&アイ・ホールディングス」、睡眠分野は寝具メーカーの「西川産業」と提携して、サービスを展開する予定。例えば、自分用に栄養管理された食事をデリバリー、寝室は上質な睡眠が取れるように環境設定など、その家に住むだけで自分にぴったりの健康的なサービスを受けられるように。
まずは、2021年から、50戸限定で試験的に発売をスタート。家の価格プラス100万円程度を予定しているそう。家という概念を超え、生活の質を向上させてくれる健康的なサービスを受けられる日はもうすぐそこです。
※1滋賀医科大学「2017年6月6日 滋賀県脳卒中発症登録事業」より推計
※2「2000年度厚生科学費補助金/健康科学総合研究事業研究報告書/脳梗塞急性期医療の実態に関する研究」
撮影/飯富崇生
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