40代から急増する!「危険な目の病気」の防ぎ方
高齢者に多い目の病気が40代から急増しているといいます。原因はスマホによる目の酷使だけでなく、食生活や運動不足などの生活習慣が大きく影響しています。40代から増える3つの目の病気と改善法を紹介します。
目次
食の欧米化、運動不足で危険な目の病気が40代に
視力がよくて、眼科とは縁がない人ほど、目の病気に注意してほしいと、眼科医の山口康三先生。
「加齢とともに増える目の病気は、じわじわ症状が進行します。気づくと病状がかなり進んでいて、目が見えなくなっているというケースが多いんです」
しかも、お年寄りの病気だったものが、低年齢化しているそう。
「一般的には言われていませんが、食生活の欧米化や、運動不足など生活習慣の変化が、若年化の大きな原因ですね。実際、私が生活改善を指導した患者さんは、視力が回復したりしています」
アラフォーになったら、目の不調を感じていなくても年に1回は眼科で診てもらいましょう。
日本人の8割が発症する「白内障」
白内障は、レンズの役目をする「水晶体」が白くにごって視力が低下する病気。視界がぼやけたり、光がまぶしく感じるようにもなります。
40代後半からの発症が多く、90代ではほぼ100%の人がなります。最大の原因は活性酸素。水晶体は光の調節役なので、紫外線を吸収し、酸化しやすいのです。過食やストレスの多い生活は、活性酸素が生じやすく白内障の原因に。
白内障の治療は、水晶体を人工レンズに替える手術が一般的ですが、網膜の老化を招くため、逆に「黄斑変性症」の発症率が倍増するという報告もあります。
自分でできる予防・改善法
紫外線を防止するためにUVカットのメガネやコンタクトをいつも使ってください。また、活性酸素の消去に働く、緑黄色野菜をたっぷりとりましょう。
失明原因のNo.1「緑内障」
失明原因の1位という怖い病気、緑内障。40代以上の20人に1人が発症するといわれています。
眼圧が上がって視神経を圧迫するのが原因とされていましたが、眼圧が正常でも発症することが判明。対策は、眼圧を下げる目薬ですが、眼圧が正常な人にはあまり効果はありません。原因は、食生活や運動不足での血行不良が考えられます。
40代では、発症しても視野の変化は少ないのですが、放置され、気づくと視野が欠けていることも。欠けた視野は戻らないので、早期発見が大切です。
自分でできる予防・改善法
血流をよくする生活が重要です。油物や甘い物の食べ過ぎ、水分不足は血をドロドロにします。運動をし、ストレスを減らして巡りのいい体に。
30代から増える「黄斑変性症」
かつて日本になかった病気ですが、生活の欧米化とともに急増し、30代から発症することが多いです。
網膜の中心にある「黄斑部」の劣化で、物がゆがんだり、視野の中心部が暗く見えるなどの症状に。原因には、活性酸素、パソコンやスマホのブルーライト、食の欧米化などがあります。
標準治療では、抗がん剤を目に注射することですが、治療費は高額になることも。ただし人により効かないことも。
自分でできる予防・改善法
紫外線など、害になるものを防ぐメガネを使いましょう。抗酸化物質を含む食品をとるように心がけて。ルテインのサプリも。
目の病気を予防する5つの生活習慣
1. 脚を使って血行をよくする
ふくらはぎを動かすと、下半身の血液が心臓に戻り、血液循環がアップ。よく歩いたり、階段の上り下りもして脚を使いましょう。
2. UVカットやPC作業用メガネをかける
紫外線による活性酸素やブルーライトに含まれる高いエネルギーは、目の病気の原因に。UVカットメガネやサングラス、PC作業用メガネの着用を習慣に。
3. 甘い物・加工食品は眼病の元
甘い物や油、脂肪は目の血流を悪くします。また、加工食品に多く含まれがちな質の悪い脂質は、体の酸化を促進するので控えめに。
4. 目の好物!水をたっぷり
目の毛細血管をドロドロに詰まらせないよう、水分は多く摂って。カフェイン系の飲み物は脱水作用があるので1~2杯にとどめておきましょう。
5. 抗酸化力のある野菜を摂る
目は光(紫外線)を集めるため、酸化されやすい器官。緑黄色野菜や黒豆、黒ゴマなど抗酸化物質を多く含む食品で酸化を防ぎましょう。
視力がよくて眼科とは縁のない人こそ、目の病気に注意しましょう。加齢とともに増える目の病気はじわじわと進行し、気づくと悪化していることも。生活改善とともに、年1回の目の検査を習慣にして病気予防を!
イラスト/伊藤ハムスター
(からだにいいこと2015 年1 月号より)
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