本当のオーガニックライフ始めよう!
社会起業家ジョン・ムーアさんの“笑顔になれる暮らしのヒント”をご紹介します。 あらゆるところで目にする「オーガニック」という言葉ですが、それは本当の“オーガニック”なのでしょうか? 自然の営みに寄り添う暮らしを提案するジョン・ムーアさんが語ります。
この記事の監修:ジョン・ムーアさん
まず“本物”を知り、次に行動すること
突然ですが、みなさんは健康や環境のために、どんなことに取り組んでいますか? 食材やコスメなど、オーガニックのものを選ぶ方も多いのではないでしょうか? 確かに素晴らしい選択ですが、それだけではオーガニックな暮らしを送っているとは言えません。なぜなら、本当のオーガニックライフとは、外側から取り入れるものではなく、内側から生まれるものなのです。
F1(エフワン)種(※)という言葉をご存じでしょうか? 一世代だけ安定した生産ができるよう改良された品種で、現在私たちの口に入る野菜の多くがF1種から作られています。それに対し、在来種・固定種(※)は、自然の中で長い時間をかけて受け継がれたDNA を持つ品種で、次世代へと種を繋いでいくことができます。このように外側は同じように見える野菜も、中身は大きく異なるのです。
“本物”の食べ物とは何なのでしょうか? DNA の形はらせん状をしています。らせんは次に進むことができる形です。しかし、今の私たちの生活は、丸い時計の中にあると思いませんか? まるでF1種のように、同じことを繰り返し、繰り返し、繰り返し……。これでは、前に進むことができません。実際、日本のオーガニック市場は、もう何年も横ばいのままなのです。
未来をつくるために、私たちは次のステップへ進まなくてはなりません。そのためには、まず“本物”を知ること。そして、行動することが大切です。私たちには自らの手で未来をつくる力、そして自然に寄り添いながら、健やかに暮らす知恵があります。そう、未来をつくる「種」は私たちの中にあるのです。小さなことでも、地球のために、子どもたちのために、本当のオーガニックな暮らしへと変えていきましょう。
オーガニック豆知識
※F1種と在来種・固定種について
F1(エフワン)種とは、形や収量などが安定した生産ができるよう改良された品種。一世代目は優れた特性を持つが、次世代は同様の品質のものができないため、種を採取して育てることは難しい。一方、在来種・固定種は、環境に順応しながら長年受け継がれてきた品種で、次世代の種へと特性を引き継ぐことが可能。
在来種の種は、気候や土壌など受け継がれてきた情報を記憶し、次世代へと継いでいく。
ジョンさんからの一言
ジョンさんがアンバサダーを務めるオーガビッツとは?
orgabits
日本で最も多くのアパレルブランドが参加するオーガニックコットン普及プロジェクト。オーガニックコットン100%にこだわらず10%の商品を100倍の人に届けるという「逆転の発想」で現在約100ブランドが参加。一枚の服を通しておしゃれに参加出来る社会貢献活動としても注目されている。
取材・文/坂田奈菜子
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