秋バテに負けない 健やかな体づくりを|からだにいい天気
猛暑が過ぎ去った頃になって感じる不調―それは「秋バテ」かも。 季節の変わり目を元気に過ごすための養生法を、気象予報士の岡田みはるさんが教えます。
自律神経や胃腸トラブル… 体が疲れていませんか?
月が美しい季節になりました。涼しい秋風に吹かれ、虫の音に耳をすませたい頃です。いかがお過ごしでしょうか。
この夏は、前半こそ冷夏傾向でしたが、梅雨明けに一気に暑くなりました。そんな中、冷房が苦手なのに、体温を超えるような暑さにどうしても使わなくてはならず、自律神経が参ってだるくなってしまった、熱中症対策に冷たい飲み物を摂りすぎて胃腸が弱ってしまった、という人はいませんか。強い日射を避けて屋内で過ごすうち、知らず知らず運動不足になる人もいます。
猛烈に暑い夏が増えている昨今、熱中症対策がかえって仇(あだ)になり、秋になっても夏バ
テをこじらせたままになりやすいのです。夏は元気だったのに秋になって急にバテる「秋バテ」パターンの人もいます。秋は、秋雨や台風の季節。気温の上下も大きくなるため、早めにバテを解消しましょう。
食事、入浴、運動が 秋バテ解消への近道
食事にそうめんなど麺類が続いている人は、お米食に戻すことから。
お米には炭水化物だけでなく、夏の間に体から減ってしまったタンパク質やミネラル、ビタミンといった栄養素が含まれています。豆類や旬の食材も加えて、たっぷり補うようにしてみてください。
自律神経の回復法は、湯船につかるのが一番。温泉に行くのはもちろん、市販の入浴剤で温泉の成分を含むものを選んでみましょう。背骨も内臓も足腰もしっかり温めて。泉質はマグネシウムを含むものを選ぶと片頭痛や季節の不調対策に。
体力が戻ってきたら、ストレッチや有酸素運動で筋肉を適度につけましょう。
日々、体を慈しみ 季節の変化を楽しんで
夜に気温がすっと下がったら、読書や趣味でくつろいで。人間の体内リズムは、日中は活動的に、夜はノンビリ過ごすようにできています。
季節のリズムもあり、夏は交感神経が優位に、秋は冬に向かって副交感神経が優位に切り替わる時です。月の輝く秋の夜長は深くリラックスを。
今号も最後までお読みいただき、ありがとうございました。このコラムは今回が最終回。
季節や天気変化による不調に悩まされる人はまた、季節の美しさに誰よりも早く気づく人でもあると思います。これからも空気の変わる瞬間、四季それぞれの趣(おもむき)を楽しむことを忘れずに過ごしましょうね。
Keyword 「秋晴れ」
秋は夏の空気と冬の空気が綱引きをする季節。最前線では、雨も降れば嵐も吹き荒れます。
しかし、大陸から移動性高気圧がやってくる日は気持ちのいい秋晴れに。そんな日は気持ちも晴れ晴れ。心も体も解放してのんびり養生を。
やがてやってくる冬に備えて、体のコンディションを整えます。
秋バテに効く食べ物
体調に合わせた「お米食」で秋バテを予防・解消! 昔ながらの“発酵栄養ドリンク”甘酒を飲むのも◎。
イラスト/中村加代子
(からだにいいこと2019年11月号より)
[ 監修者 ]