“食品ロス”を減らして月7千円節約! 買い物&保存の裏ワザ
食材の買いすぎや、料理の作りすぎで食べ切れず、食べ物もお金もムダにしていませんか? 買い物のしかたや食材の保存法を変えてムダを撲滅するワザで、かなりの節約になります!
食材のムダを減らせばお金が浮き、家計がラクに!
「私たちの家庭から出る、食べ残しや期限切れの食品。手つかずのまま捨てられる食品は、“食品ロス”と呼ばれます」と、食品ロス問題ジャーナリストの井出留美さん。
まだ食べられるのに捨てられてしまう“食品ロス”を減らすには、まず、買いすぎないこと。
「コロナ禍で買い物に行く機会が減っている今、家にあるもので賄おうという意識が大切。必要なものを見極めて買い足せば、余分なものを買わずに済み、節約にもなります」
買ったら上手に保存し、最後まで使い切ることも食品ロスの防止に。
「腐らせてしまうと気分が悪い上、お金のムダにもなります。その食材に適した保存法を知り、賞味期限の意味を理解するだけでも、捨てることはなくなるはずです」
余らせない買い物&保存テクを身につけて、毎月ちょっとずつトクしちゃいましょう!
“食品ロス”を減らすポイントは2つ
[余分なものを買わない]
不要なものを買ってしまう大きな理由は、家にある在庫を把握せず、目についたものをなんとなく手に取ってしまうため。家にある食品に目を向けるだけでムダなものを買わずに済み、お金の節約にもなります。
[上手に保存して使い切る]
どんな食品も「買ったら使い切る」が大前提。そのためには、賞味期限、消費期限を正しく理解すること。野菜や精肉などの食材は、それぞれに適した方法で保存することで、食べられる期間を延ばせます。
余分なものを買わないコツ
買い物に行くと、あれこれ欲しくなる誘惑がいっぱい。事前の対処法&心構えで、賢くショッピングしましょう!
買い物で“ついで買い”を減らすには、冷蔵庫などの家にあるもので献立を考え、買い足すものをメモしておきましょう。冷蔵庫は何度も開閉すると電気代がかかるため、中身をスマホで撮影すると◎。
買い物メモ作りの基本
〈1〉家にあるものをチェック
冷蔵庫の中身など、まずは家にある食品を把握することから。牛乳の賞味期限や、腐りやすい葉物野菜などの状態も抜かりなく!
〈2〉家にあるものでできるメニューを考える
家にある食品、調味料で作れる献立を考える。2~3日先まで考えておくと、買い物の手間を省ける。
〈3〉買い足すものをメモする
必要な食品は、紙やスマホにメモして。メモする食品を行きつけのスーパーの売り場順に並べると、効率よく買い物できる。
アメリカのある研究によると、空腹の人はそうでない人に比べ、最大64%お金を多く使うことがわかっています。つまり、空腹でなければ1,000円で済んだ買い物が1,640円になってしまうということ。買い物には、食事を済ませてから行きましょう。
お店で見かける「1つ300円のところ、2つ買うと500円」といった売り文句。一見おトクに思えますが、不要なものを買うことにも。余分な買い物は食べすぎ・飲みすぎにもつながります。
「自分へのごほうび」などと理由をつけて買いたくなる新作スイーツ。でも新製品は続々と出てくるため、見るたびに買うと溜まってしまい、賞味期限が切れる恐れも。買う曜日を決めましょう。
“食品ロス”に貢献できておトクな通販モール
新型コロナウイルスにより、飲食店が休業や時短営業に。その影響で廃棄の危機にある国産食材を、食べて応援する社会貢献型の通販モールが増えています。国も支援しており、肉や魚介類、果物などは送料無料で購入可。
WakeAi(ワケアイ) https://wakeai.net/
在庫を抱える事業者が、質の高い食品を値引き価格で販売。高級食材や珍しい食材が安く手に入るチャンスも。初期登録、月会費などは不要。
産直tabeloop https://sanchoku.tabeloop.me/
鮮魚など、水産物の種類が豊富。不ぞろいや傷アリなどの理由で、市場に流通しない訳あり食品も販売。初期登録、月会費などは不要。
上手な保存&使い切りのコツ
買ったものは、最後まで使い切るのが食品ロスを減らすポイント。正しい知識を得て賢く食材を保存し、使い切りましょう!
賞味期限を過ぎたばかりでも、捨ててしまう人が多い生卵。実は、保存温度が10度以下であれば57日間生で食べられて、火を通せばより安全に食べられます。パックのまま、温度変化の少ない冷蔵庫の奥に保存すると日持ちしやすいとされています。
[消費期限=安全に食べられる期限]
未開封で表示の保存法で保存した場合、「ここまでなら安全に食べられる」という期限。お弁当、サンドイッチ、刺身や精肉など、品質が急激に劣化しやすい食べ物に表示されます。
[賞味期限=おいしく食べられる期限]
表示の保存法を守った場合、「この年月日までなら品質が変わらずおいしく食べられる」という目安。生卵、缶詰、スナック菓子、飲料など、劣化しにくい食ベ物に表示されます。
筑前煮や野菜炒めなどを作るときは、野菜を個別に買うより、必要な野菜が少量ずつ入ったカット野菜のほうがコスパがいい場合も。一見割高でも腐らせて捨てるくらいなら、使い切れるセットのほうが結局はおトク。
家庭から出る食品ロスのうち、もっとも多く捨てられるのが野菜類。そこで使いたいのが、野菜や果物専用の鮮度保持袋。普通のポリ袋より水分蒸散を抑えてくれるため、通常より長く新鮮さを保てます。
鮮度保持袋は100円ショップでも手に入ります。さまざまなサイズがあり、チャックで開閉できるものも。洗って乾かせば、数回使えます。
[プラスワンテクでさらに長持ち]
〈もやし〉もやしの成長速度(劣化)を抑えるには、野菜室より温度設定の低い冷蔵室で保存するのがコツ。
〈きゅうり〉1本ずつキッチンペーパーにくるんでから袋へ。また、縦に育つ習性から、野菜室に立てて入れると劣化を防げます。
〈レタス〉レタスは収穫後も成長を続けます。 芯をくりぬいて濡らしたキッチンペーパーを詰めるか、ようじを刺して成長を止めれば長持ちします。
空気に触れると酸化が進み、雑菌が繁殖する肉類。トレーから出してラップで包み直し、フリーザーバッグに入れて冷凍すると劣化を防げます。小分けにしたり、できるだけ薄くして、短時間で凍らせるのも品質を保つコツ。
みそやジャム、鍋に残ったたれなどを取るのに便利なゴムベラ。食べ残しを減らし、ゴミを減らすという利点も。種類がいろいろあるので、必要に応じて使い分けて。
ポイントは先端の大きさ。サイズが異なるものがあれば、口が狭い容器のジャムなどもきれいに取れて便利。
毎日買い物するより土日にまとめ買いしたほうが、余分なものを買う機会が減って節約に。また、冷蔵庫に何かを入れたら、同じだけ出して使うことを意識。
冷蔵庫に入れる物の量は70%以下にすると、使い忘れを防げて、消費電力も約35%減らせます。
コロナ禍だからこそ!の“食品ロス”対策
コロナ禍でデリバリー&テイクアウトを利用する機会が増え、備蓄に対する意識も高まっています。この機会を生かし、ほんの少しの心がけで食費を上手に節約して食品ロスも減らして。
デリバリー、テイクアウトは便利ですが、デリバリーの送料と最低注文手数料には注意が必要。割高になったり、注文金額が少ないと利用できないことも。
また、送料、手数料を無料にするために余計なものまで注文すると、食べ残しが発生する可能性も。場の人数や注文量に応じて、うまく使い分けて。
地域によって、利用できるデリバリーサービスは異なります。お店によってはデリバリーの商品価格が、店内で食べるイートインより高く設定されていることも。
非常食=非常時のための食品と考えていると、棚の奥でうっかり賞味期限切れに。忙しい日は非常食のレトルトご飯とカレーにするなどのルールを決め、「ローリングストック」で備えて。
ローリングストックとは?
日常で消費する食品を多めに買いおき、古い順に食べ、減った分を補充する備蓄法。常に一定量の備蓄ができ、かつ賞味期限切れを防ぐことができます。
缶詰に表示されている賞味期限のほとんどが3年程度ですが、きちんと保管すれば半永久的に持つといわれています。缶詰は特売でまとめて買い、普段から食べて切らさないように買い足すのが、賢い備蓄法です。
イラスト/やましたともこ
(からだにいいこと2021年4月号より)