40代のほうれい線は骨の老化と関係!運動と食事で改善を
40代のほうれい線は、骨の老化が影響しています。それを防ぐには、体を動かすことがカギ。皮膚科専門医・小林智子さんに聞いた40代のほうれい線対策をご紹介します。
目次
40代のほうれい線は骨の老化と関係している
年を重ねるにつれてくっきりしてくるほうれい線。ほうれい線が目立つと、実年齢よりも老けて見えてしまいます。
そもそもほうれい線の原因は、たるみ。肌のたるみは、真皮(肌の奥)にあるコラーゲンの減少や質の低下、皮下脂肪の増加、筋肉や骨の萎縮などによって起こります。40代のほうれい線の原因はそれだけではありません。
エストロゲンの低下で骨が衰える
40代は、閉経が近づくにつれ、コラーゲンの生成や骨の形成に関係しているホルモン「エストロゲン」が減少。すると、コラーゲンが減って骨や筋肉が縮みやすくなり、ますますたるみが進行。肌の老化はもちろん、骨が衰えていくということは、「骨粗しょう症」のリスクにもつながります。
「糖化」でコラーゲンの質が低下する
もうひとつ、ほうれい線に影響しているのが「糖化ストレス」です。「糖化」とは、体の中で糖が余ってたんぱく質と結びつき、コラーゲンの質の低下を招くことです。炭水化物や甘いものを摂り過ぎている人は、肌で糖化が起こりやすいので注意しましょう。
40代のほうれい線対策は?
40代は、体の中から若々しさを作るためにも、生活習慣の見直しが必要。40代におすすめのほうれい線対策をご紹介します。
ながら運動で骨の老化をストップ
たるみに影響する骨の老化を食い止めるために、普段から運動する習慣をつけましょう。日常的に体を動かすことで、骨が衰えるのを防ぐことができます。おすすめは、骨に刺激を与えて強くする「かかと落とし」。食器洗いや料理など立ち仕事をしているときにかかとを上げて下げる簡単な運動です。
【かかと落としのやり方】
(1)両足を肩幅に開き、背筋を伸ばして立つ。
(2)つま先立ちになり、両足のかかとを上げる。
(3)両足のかかとをストンと床に落とす。
(4)これを10回繰り返す。
10回を1セットにして、1日数回を目安に。他にも、ほうれい線対策のために、車や自転車ではなく、なるべく歩くようにするなど、体を動かすことを意識しましょう。
また、運動するタイミングは食後30分以内がベスト。食後の運動は、血糖値の上昇を抑えて、糖化ストレスを防ぐと言われています。
いつもの化粧水に美容成分をちょい足し
ほうれい線ケアにも効果的なシワ改善クリーム。30代からの肌におすすめなのは、「レチノール」や「ナイアシンアミド」、「ビタミンC」が配合されているもの。これらの成分は、コラーゲンの生成を促し、ほうれい線が深くなるのを防いでくれるでしょう。
また、化粧品に配合されているコラーゲンは、水分を引きよせる働きがありますが、減少したコラーゲンを肌の中で補うわけではありません。しかし、低分子のコラーゲンサプリを飲む場合は、体の中からコラーゲンを補うことができます。
肌の「糖化」を防ぐ食前酢
ほうれい線の原因でもある糖化。糖を摂りすぎると、肌のコラーゲンに影響してたるみを引き起こします。糖化を防ぐために効果的なのが、食事の前にお酢を摂ること。糖の吸収をブロックして、糖化ストレスを抑えることができます。とはいえ、お酢が苦手な人も多いはず。リンゴ酢を炭酸水で割ったドリンクなら、飲みやすくておすすめですよ。
また食物繊維をしっかり摂ることも糖の吸収をゆるやかにします。前菜としてきのこや海藻類などを、お酢を使った酢の物やマリネにして食べることも肌老化の予防に。
たるみを上げる「舌回しエクササイズ」
口の中で舌をぐるりと回す「舌回しエクササイズ」は、口まわりの表情筋を鍛えて、たるみを防止することができます。“ながら”で、いつでもできる手軽なフェイスエクササイズです。
【舌回しエクササイズのやり方】
(1)口を閉じたまま、歯と唇の間に舌を入れる。舌で円を描くように上下の歯ぐきを右回りで20回なぞる。
(2)同様に、左回りで20回なぞる。
40代のほうれい線を深くするNG習慣
リフトアップに効果がありそうな美顔ローラーや日焼け止めの塗り忘れ、低刺激なクレンジングクリームは、ほうれい線を深くする要因に。40代からは、今までの美容習慣を見直しましょう。
美顔ローラーは摩擦ダメージの元
リフトアップのためにやる人が多い美顔ローラーですが、実は摩擦による肌ダメージの元。摩擦ダメージはたるみに直結するため、ほうれい線が気になる人にはあまりおすすめしません。フェイスラインをほぐすなら、手で行うリンパマッサージがよいでしょう。表情筋に働きかけるリンパマッサージは、ほうれい線の原因となるたるみを改善するという報告があります。
摩擦を防ぐために、リンパマッサージをする前は必ずクリームやオイルを塗ってください。また、肌をホットタオルなどで温めてから行うと、より効果的です。
【リンパマッサージのやり方】
(1)眉の上や鼻の側面、口元にクリームやオイルをのせる。
(2)眉の上から耳の横まで、指で少し圧をかけながら流す。1~2回行う。
(3)鼻の側面から口角を通って耳の横まで、指で同様に流す。1~2回行う。
(4)耳下から鎖骨の内側へ。次に耳下から鎖骨の外側、鎖骨の外側→内側に向かって、指で同様に流す。1~2回行う。
紫外線はほうれい線にダイレクトに影響
夏以外はサボりがちになってしまう紫外線対策ですが、日差しの弱い季節でも日焼け止めの塗り忘れはNG。SPF30以上であれば、UVカット効果のある下地でもOKです。
紫外線を浴びると、真皮層のコラーゲンが減ったり質が低くなったりして、たるみでほうれい線ができやすくなります。
紫外線には「UVA」と「UVB」の2種類がありますが、特にほうれい線対策で注意すべきなのがUVA。波長が短いUVBと比べると、UVAは波長が長く、肌の真皮層に影響を及ぼし、たるみの原因に。
さらに、すべての紫外線のうち約95%を占めていて、1年中降り注ぐ量が変わりません。また、UVAは窓ガラスを通過します。室内でも日焼け止めは忘れないようにしましょう。
日焼け止めは、汗や摩擦で落ちてしまいます。パウダーやスプレータイプの日焼け止めでこまめに塗り直しを。
低刺激なクレンジングは肌ダメージになることも
刺激の少ないクリームタイプのクレンジングは、洗浄力が少ない分、長時間ゴシゴシと洗う人も多く、摩擦ダメージの元に。それより、洗浄力の高いクレンジングアイテムでさっとメイクを落としたほうが肌に負担がかかりません。
さらに、クレンジング後の洗顔も念入りに時間をかけて行う人がいますが、肌を守るためには軽く洗うだけでOK。刺激を少なくして、肌本来の働きを高めてあげたほうが、ほうれい線やたるみ予防につながります。
このように40代のほうれい線は、骨の老化や糖化ストレスといった体の中の衰えも関係しています。化粧品に頼ることも大切ですが、運動や食事を見直してインナーケアを続けていくことが必要です。
また、年齢を重ねると、さまざまな美容グッズを取り入れがちですが、スキンケアは摩擦を避けるシンプルなお手入れがベスト。今日からしっかりほうれい線対策をして、いつまでもハリのある若々しい肌を目指しましょう!
イラスト/chieko
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