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アジサイ、ガーベラ、ドウダンツツジ、トルコキキョウ

種類別 花をもっと長持ちさせるコツ|季節の花 活け方レッスン(11)

花を長持ちさせるには、毎日水を変えることや、水を十分に吸えるようにすることが基本。さらに、花の種類によってもポイントが違います。種類に合わせて、長く楽しむちょっとしたコツをご紹介します。

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トルコギキョウ:茎をパキッと折る

トルコキキョウ

トルコギキョウ、キク、リンドウ、ストック、マーガレットなどの花は、手でポキッと茎を折ってから活けると、水を吸い上げやすくなります。

茎を手で折ると断面がギザギザになり、その繊維の部分がハサミで切るよりも水を吸い上げやすくしてくれます。きれいに折ろうとせず、できるだけ凸凹するように思い切って折ってみてください。茎に節がある花は、節の部分は避けて折るのがポイントです。また、なかなか手で折れないときは、無理をせずハサミを使いましょう。

花が長持ちする基本のコツ|季節の花 活け方レッスン(1)

花が長持ちする基本のコツ

ガーベラ:花瓶の水は3〜5cmに

ガーベラ

ガーベラダリアラナンキュラスアネモネポピーのように茎が空洞の花や、カラーのように茎がやわらかい花は、水の量が多いと細菌が発生しやすくなります。茎が傷まないように、活けるときは3〜5cm程度の水が鉄則です。

花瓶の水は少な目に活けるのが長持ちのコツ
花瓶の水は少な目に活けるのが長持ちのコツ。

水替えはこまめに。切り口もカット

水の分量の他にも、こまめな水替えも大切です。特に夏場は、ガーベラは傷みやすくなるので、水は毎日替えましょう。その時、少しずつ茎をカットして、切り口を常に新鮮な状態に保つようにします。花がぐったりしているときは、思い切って短くカットすると、再び元気がよみがえります。

ガーベラの首の部分は触らない

ガーベラは首の部分が繊細で、元気がなくなると首からクタッと折れてしまいます。水替えや飾るときは、なるべく首の部分を触らないように注意を。

また、エアコンの風があたると水分が奪われるので、飾る場所にも気をつけましょう。生花店では花を保護するフィルムに包まれて売られていますが、家で飾るときは、蒸れの原因になるのでフィルムは外して飾ります。

アジサイ:茎の中のワタを取り出す

アジサイ

アジサイには、茎の中に白い“ワタ”がつまっています。このワタには水を吸い上げる導管が通っていません。そのまま活けると水の吸い上げの邪魔になるので、あらかじめワタの部分を取り除くと、とても長持ちします。アジサイ以外にも、ライラックやビバーナム・スノーボールも同様の下処理を。

アジサイを長持ちさせる下処理のやり方

アジサイを長持ちさせる下処理のやり方

(1)茎の下の部分(7〜10cm程度)に、ハサミで切り込みを入れて縦半分にカットします。

ハサミで切り込みを入れて縦半分にカット

(2)ハサミの刃を使い、中のワタをかき出します。ワタを取り除いたら、たっぷりの水で活けます。アジサイは水をたくさん吸い上げる花なので、毎日こまめに水を取り替えましょう。

枝もの:茎に十字の切り目を入れる

枝もの

切り花に比べて、長く楽しめるのが枝ものです。夏は、涼やかなドウダンツツジなどの枝ものが人気です。

枝ものを長く楽しむには、「根元割り」といって、茎の下の部分に切り込みを入れ、しっかり水を吸い上げられるようにするのがポイントです。

そもそも枝ものは繊維が硬く、水を吸い上げにくいのですが、根元割りで水に接する面が増えると、吸水しやすくなります。花を咲かせるはずの桃や桜などがつぼみのまま枯れてしまうのは、根元割りをしていないため花に水が行き渡らないのが原因です。

枝ものを長持ちさせる下処理のやり方

枝ものを長持ちさせる下処理のやり方

(1)枝の切り口に5cm程度、ハサミで切り込みを入れます。ハサミの入れ方が浅いと枝が折れてしまうので、しっかりと深く入れましょう。

十文字になるように切り込み

(2)十文字になるように切り込みを入れ、たっぷりの水に活けます。

枝が細くてしなやかなユキヤナギやコデマリなどは、ハサミが入れづらいので、トンカチやハサミの持ち手部分で枝を叩きます。 叩くことで切り口がほぐれて断面が増えるため、同様の効果があります。

また、枝が太くてハサミが入らないものは、ノミとカナヅチを使って根元割りをします。ただし、太い枝を根元割りして水揚げするのは初心者には大変なので、購入時に生花店にお願いするのがおすすめです。

大ぶりの枝ものは、大きな花瓶に活けて床に直置きして楽しんだり、1〜2枝に切り分けて別々の花瓶に飾っても素敵です。飾る前に根元割りで下処理をして、ぜひ長く楽しんでくださいね。

今月のお花「アジサイ、ガーベラ、ドウダンツツジ、トルコギキョウ

アジサイ、ガーベラ、ドウダンツツジ、トルコキキョウ

みなさんにおすすめしたい「今月のお花」はこちら。左からアジサイ、ガーベラ、ドウダンツツジ、トルコギキョウ。それぞれ1〜2本ずつ活けて、籐のランチョンマットにまとめて並べてみました(予算1800円程度)。

アジサイ…国産のアジサイは梅雨時期の5〜7月に出回りますが、外国産であれば1年中手に入ります。自宅でアジサイを育てているお宅も多いので、花が咲いたら切って家の中で飾るのも素敵です。切り花として花瓶に活けるだけでなく、ドライフラワーにして楽しむのもおすすめです。

ガーベラ…1年中、生花店に並び、種類や色も多く、かわいらしさが人気の花です。長持ちさせるには、買うときに新鮮なガーベラを選ぶことがポイント。花びらが反り返ったりせずきれいに揃っている、花の中心の花粉が開いていないものが新鮮です。生花店のスタッフに相談してみるのもいいでしょう。

ドウダンツツジ…日本原産の落葉低木で、庭木や街路樹としてもおなじみです。小さな葉のついた枝は涼感を演出するのにぴったり。夏を象徴する枝ものとして定番の人気があります。暑い夏でも比較的長く楽しめるのもうれしいですね。

トルコギキョウ…1本に複数の花が咲く「スプレータイプ」が多く、ボリューム感と華やかさが印象的です。咲き方や色の種類も多く、好みで選んでみましょう。スプレータイプは、1本で花の咲き方に時間差があるので、咲き終わったものは早めに摘み取ると長持ちします。

撮影/安部まゆみ 取材・文/工藤千秋

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