快眠食材でぐっすり!「眠れる夜ごはん」
質の良い睡眠をとるためには、夕食がとても大切。適切な時間に、眠りをサポートする成分が豊富な「眠れる夜ごはん」を摂れば、深い眠りが得られます。身近な食材でつくれる睡眠力UPレシピをぜひ試してみて。
目次
眠りの質のカギは、夕食の時間と安眠食材
「”食べてすぐ寝る習慣”がついている人は要注意です」と話すのは、睡眠コンサルタントの友野なおさん。
脳や内臓などの深部体温が下がらないと、スムーズな眠気を誘導できません。
「寝る直前に食事をすると、消化活動のために内臓が動き出して体温が上昇し、睡眠の質が低下します。遅くとも就寝4時間前には食べ終えるようにしましょう」
摂る食材によっても眠りの質は変わります。脳の興奮を鎮める、肉体疲労を取り除く、深い眠りに誘うなど、より良い眠りをサポートする作用のある7大成分は、身近な食材に含まれているものばかり。ぜひ夕食に摂り入れて、質の良い睡眠で成長ホルモンをしっかり分泌させましょう。
夕食に摂り入れたい! 眠れる7大成分
慢性疲労の軽減に「硫化アリル」
独特の刺激臭とはうらはらに、鎮静・疲労回復効果が高い成分が硫化アリル。夕飯なら、臭いの心配もありません!
脳を鎮静化する「トリプトファン」
トリプトファンは、脳に運ばれると睡眠、鎮静、精神の安定などに効果があるセロトニンの材料になります。
疲労回復に「ビタミンB1」
糖質の代謝に大切な役割を持ち、疲労回復効果が高いビタミンB1。別名「チアミン」とも呼ばれます。
神経を鎮める「ラクチュコピクリン」
レタスの茎を切った時に出てくる白い液がラクチュコピクリン。深い眠りに誘います。
レタス
深い眠りに誘う「GABA」
脳の興奮を抑えてリラックスさせる効果があるGABAは、不安やイライラも改善。
発芽玄米・トマト
ストレスを減らす「パントテン酸」
脂肪燃焼と糖代謝を助け、ストレスを軽減するパントテン酸。特に鶏レバーに多く含まれます。
レバー・たらこ・干ししいたけ
眠れる体をサポート「ナットウキナーゼ」
ナットウキナーゼは血液をサラサラにして血流を促す効果があり、新陳代謝を促します。脂肪燃焼効果のある大豆ペプチドもたっぷり。
納豆
眠れる夜ごはんレシピNo.1!「ねぎだく納豆卵かけごはん」
友野なおさんイチオシ! 睡眠の質を上げる食材を効率的に摂ることができるスペシャルごはんです。
翌朝まで長時間じっくり効いて代謝を高めるナットウキナーゼたっぷり。糖質を制限している人は、ごはん抜きの小鉢にしてもOKです。
【材料】(1人分)
納豆…1パック
細ねぎ…3本
卵…1個
発芽玄米ごはん…茶碗1膳分
【作り方】
(1)細ねぎは小口切りにする。納豆はお好みの味付けでかき混ぜておく。
(2)茶碗に盛ったごはんに、細ねぎ、納豆、卵の順で盛る。
トッピングにおすすめ!眠れる成分
GABAを含むキムチ、神経の興奮を鎮静化させるマグネシウムを含むのりやごまなどを、手軽にトッピングすると、より安眠効果が高まります。
眠れる夜ごはん 小鉢からメインまで4レシピ
香味野菜たっぷりサラダ
安眠成分の代表格、硫化アリルを含む玉ねぎ。ストレス解消成分アピオールを含むパセリと合わせれば、眠気を誘うサラダに! 生食なら成分を逃しません。
【材料】 (2人分)
玉ねぎ…1/2個
セロリ…1本
三つ葉…1/2束
パセリ…1枝
オリーブオイル…大さじ3
レモン果汁…大さじ1
しょうゆ…小さじ1
塩…小さじ1/3
こしょう…少々
【作り方】
(1)セロリは筋を取り茎は薄切りに、葉の部分は細切りにする。玉ねぎは薄切り、三つ葉は3㎝の長さ、パセリは葉の部分をみじん切りにする。
(2)ボウルにAを混ぜ合わせ、(1)の野菜と和えて器に盛る。
スペシャルしょうが焼き
糖質代謝や疲労回復効果の高いビタミンB1は、水溶性のため長く体にとどまれませんが、硫化アリルと摂ることで作用効率がアップ!
【材料】(2人分)
豚ロース肉…200g
長ねぎ…1/2本
ニラ…1/2束
ごま油 …大さじ2
キャベツ(千切り)…適量
A|しょうが(すりおろし)…大さじ1
|にんにく(すりおろし)…大さじ1/2
|酒、みりん…各大さじ3
|しょうゆ…大さじ4
【作り方】
(1)長ねぎは斜め切りに、ニラは2㎝長さに切る。豚肉の筋切りをし、片面に軽く塩、こしょう(各分量外)をふる。
(2)熱したフライパンにごま油を入れ、豚肉を両面こんがりと焼く。豚肉に火が通ったら長ねぎとニラを加えて炒め合わせ、合わせたAを加えて強火で絡める。
(3)器にキャベツと(2)を盛る。
鶏レバーの香味野菜煮
脂肪燃焼と糖代謝を助け、ストレスを軽減するパントテン酸を多く含む鶏レバーを、硫化アリルを含むにんにくと。常備菜にもおすすめ!
【材料】(作りやすい分量)
鶏レバー(ハツも含む)…300g
しょうが…100g
にんにく…ひとかけ
酒…大さじ4
砂糖、みりん、しょうゆ…各大さじ2
【作り方】
(1)鶏レバーは血の塊などを取り除き、30分ほど水にさらす。しょうがは細切り、にんにくはみじん切りにする。
(2)レバーの水気を拭き、2〜3cm角の大きさに切る。
(3)鍋にすべての材料とひたひたになる程度の水(分量外)を入れ、火にかける。
(4)沸騰したらアクをとり、落としぶたをして時々混ぜながら弱めの中火で煮る。15分ほどして煮汁が1/3程度になったら火を止める。
レタスミルクスープ
眠りを誘うラクチュコピクリンと、セロトニンの材料となるトリプトファンを含む牛乳をスープでどうぞ。
【材料】(2人分)
鶏胸肉…80g
レタス…150g
長ねぎ…1/4本
しょうが…1片
ごま油…大さじ1
鶏がらスープの素(顆粒)…小さじ1
水…200cc
牛乳…250cc
塩…小さじ1/3
こしょう…少々
【作り方】
(1)鶏胸肉は小さめのそぎ切りにする。レタスは3㎝角に切る。長ねぎとしょうがは細切りにする。
(2)鍋にごま油としょうが、長ねぎを入れて火にかけ、香りが出たら鶏肉を加えて炒める。
(3)水と鶏がらスープの素を加えて3分ほど煮る。
(4)牛乳、レタスを加えて塩、こしょうをふり、沸騰する直前に火を止める。
眠れない時のお助けフードはこれ!
なんだか眠れない…、そんな時にお酒の力を借りてはダメ。覚せい作用が高く、眠りを浅くします。
GABAが豊富でもカフェインが多いチョコも避けて。トリプトファンを含む牛乳を温めたものや、マグネシウムを含むナッツを数粒どうぞ。
睡眠の質が上がれば、昼間の活動もアクティブになって、さらに新陳代謝もUP!
眠れる夜ごはんで、質の良い眠りと美ボディを手に入れてくださいね。
撮影/山下千絵
(からだにいいこと 2018年9月号特別付録より)
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