全身の老化は、カラフルな「ファイトケミカルス」でSTOP!
呼吸、紫外線、ストレスが要因で、体内に大量の“活性酸素”が発生! 増えすぎた活性酸素が、不調の大きな原因と言われています。その活性酸素を除去してくれる「ファイトケミカルス」のパワーをご紹介します!
野菜と果物のパワーで、老化の原因:活性酸素を撃退
生命活動である呼吸や食事はもちろん、日常的に晒されることが少なくない、紫外線やストレス。これらが体内の活性酸素発生の原因とは悩ましいもの。強い酸化力を持つ活性酸素は細胞を酸化させ、細胞老化を進め、全身の不調を引き起こすことに! つまりこれが歳とともに増える“肌や体の悩み”の根源です。
その危険な酸化力を除去して、細胞の酸化を止めてくれるのが、カラフルな野菜や果物に含まれる『ファイトケミカルス』です。ファイトケミカルスとは、植物が身を守るために作り出した色素や香り、辛み、苦みなどの機能性成分のこと。その数は1500種類以上といわれています。
そもそも、活性酸素って?
活性酸素には細菌やウイルスを撃退する重要な役目がある一方、強力な“酸化力”があり、増えすぎると体の細胞を酸化させボロボロに。代表的なのはこの4つ。
ヒドロキシラジカル
最も強力で凶暴な活性酸素。無毒化する手段がないため、体への影響大。
スーパーオキシド
攻撃力は穏やかだが、大量に発生するのが特徴。体内酵素で水と過酸化水素に分解される。
一重項酸素
肌の状態を左右する「美肌」の大敵。肌のハリを失わせ、くすみやシミ、しわの原因に。
過酸化水素
体内酵素が水と酸素に分解し無毒化。分解が間に合わないと、ヒドロキシラジカルに変化。
ファイトケミカルスの種類
ファイトケミカルスの種類は、カテキンなどのポリフェノール類、β – カロテンなどのカロテノイド類、ビタミンD・E・葉酸の他、におい成分や辛味成分の「硫化アリル」に大きく分けられます。
ファイトケミカルス 5色それぞれのパワー
ファイトケミカルスを含む野菜やくだものは、赤・緑・黄・紫・白に分けられ、抗酸化力だけでなく、他にも様々な体への効果が期待できます。
大切なのは、5色をバランスよく摂ること。また、体の調子によって野菜や果物を色で選ぶのもあり!
赤 ー エイジングケア
「赤」の正体は、トマトやすいかに含まれる「リコペン」、いちごに含まれる「アントシアニン」、唐辛子に含まれる「カプサンチン」といった色素成分。抗酸化力がとても強く、加齢で低下する体の抗酸化力をしっかり補い、体のサビを止めてくれます。
緑 ー 抗がん作用 & デトックス
緑色の色素の代表、「クロロフィル(葉緑素)」。抗酸化力だけでなく、抗がん作用やコレステロール値を下げる働き、ダイオキシンなどを排出するデトックス効果なども。特にクレソンや小松菜などに豊富です。
白 ー デトックス & 動脈硬化予防
白い野菜やくだものには、「ケルセチン」などの色素成分の他、におい成分や辛味成分が豊富なのが特徴。にんにくのにおい成分「アリシン」や大根の辛み成分「アリルイソチオシアネート」には、強力なデトックス作用や動脈硬化の予防効果が。
黃・オレンジ ー 美肌づくり & 免疫力アップ
黃・オレンジの代表的な色素成分は、「β – カロテン」。抗酸化作用はもちろん、効がん作用、皮膚や粘膜の保護にも有効。また、グレープフルーツの皮に含まれる「オーラプテン」は老化防止、とうもろこしに含まれる「ゼアキサンチン」は目の老化予防、みかんに含まれる「β – クリプトキサチン」は抗がん作用、免疫力アップ、美肌効果も!
紫 ー 目の健康維持&生活習慣病予防
ぶどうや紫玉ねぎ、紫キャベツ、なすなどの深みのある紫色の正体は「ポリフェノール」。抗酸化作用、目の健康を保つ効果が有名ですが、その他、抗がん作用や動脈硬化予防、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病といったさまざまな病気の予防にも。
ファイトケミカルスで夏老化 & 夏不調STOP!
紫外線をたっぷり浴びやすいこの時季は、
体内で大量の活性酸素が発生して、体も肌もどんどん老化が進みがち。
シミ、しわ、夏バテ……、
そんな悩みを回避するための、最強の組み合わせがこれ!
トマト リコペン:最強の抗酸化力&メラニンを抑制
「リコペン」の抗酸化力は、βカロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上と、ファイトケミカルスの中でも最強クラス。さらに「メラミンの生成を抑える」「肌のうるおいやハリをアップさせる」といった美肌効果も!この時季のエイジングケアに欠かせないファイトケミカルスです。リコペンはすいかにも豊富に含まれています。
●効果的な食べ方
旬の春〜夏のトマトは、抗酸化パワーが最大!「リコペン」は熱に強く、油と一緒に摂ると吸収力が高まるため、スープなどにするのもおすすめ。
クレソン イソチアシアネート: デトックス効果で巡りアップ
辛み成分の「イソチオシアネート」が肝臓のデトックス機能を活性化。余分なものを体から追い出し巡りをアップさせてくれます。ちなみに大根、キャベツ、にんにくなどにも含まれる成分です。さらにクレソンには「シニグリン」という辛み成分も含まれており、食べ物の消化吸収を促進する効果もあります。
●効果的な食べ方
「イソチオシアネート」は揮発性で熱にも弱いため、生で食べるのがおすすめ。成分が飛ばないよう、できるだけ細く切らずにそのまま食べるのが◯。
玉ねぎ アリシン:疲れをとる!
にんにくにも含まれる強力なにおい成分「アリシン」。アリシンには、ビタミンB1の吸収や働きを高め、疲労回復効果を持続させる効果が。また血液をサラサラにするため、血栓予防にも効果的です。強い抗菌作用もあり、感染症や風邪の予防にも。また玉ねぎに含まれる「ケルセチン」にも免疫力アップや抗菌作用があります。
●効果的な食べ方
水溶性の「アリシン」は水に溶け出すため、水にさらすときは短めに。熱にも弱いので、アリシンの効果を最大限に発揮するなら、生で食べるのがおすすめ。
グレープフルーツ ナリンギン:血栓予防 & 夏冷え対策に
グレープフルーツやはっさくなどに多く含まれるポリフェノールの一種で、苦み成分の「ナリンギン」。抗酸化作用はもちろん、血流改善効果も期待できます。夏に多い血栓の予防や、クーラーの冷え対策にも効果的。また、グレープフルーツには、疲れた体を癒やす「リモネン」も豊富です。
●効果的な食べ方
「ナリンギン」は、果実より果皮や薄皮に多く含まれています。無農薬や減農薬のものが手に入るときは、皮をすりおろしてドレッシングなどに加えて。
紫キャベツ ルテイン・ボリフェノール : 紫外線から目を守る
「ルテイン」や「ポリフェノール」には強い抗酸化力があり、がんの抑制、抗菌作用、抗ウイルス作用、動脈硬化予防などの効果があります。また、網膜で発生する活性酸素を抑える働きも期待できるため、紫外線でダメージを受けた目の網膜の酸化を抑え、目の老化を予防する効果も。
●効果的な食べ方
多くの「ポリフェノール」は水溶性なのでそのまま食べるか、スープに入れて汁ごと摂るのが◯。効果が持続しにくいため、こまめに摂るのがおすすめです。目にも美味しいカラフルな食事で、毎日発生する体内の活性酸素をクリア! バランスよくしっかり摂って、内側からキレイに健康になりましょう。
撮影/阿部吉泰
(からだにいいこと2019年7月号より)
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