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支援ネットワーク『LOVE FOR NIPPON』を率いるキャンドルジュンさんとともに、いま私たちにできることとは?
毎年のように訪れる自然災害。人間の力を大きく超える大自然に翻弄されながらも、支え合って豊かな人間関係を築く。そんな当たり前のことなのに、なかなかできない……。それを当然のように行っているキャンドル・ジュンさん。その活動のほんの少しをお聞きし、私たちが今できることを考えたいと思います。
目次
2011年3月12日には『LOVE FOR NIPPON』という支援団体を仲間たちと立ち上げる
2011年3月14日、「東日本大震災」が起こった3日後。
バンに乗るだけの援助物資を積み、道路の断裂や液化を避けながら、たった一人で福島の地を踏んだキャンドル・ジュンさん。ここから現地活動がスタートしました。
「実は、その1年ほど前から、『LOVE FOR HAITI』という支援活動をしていたんです。そのメンバーと、当面ハイチはお休みして、この活動を東北に切り替えようと決めて、地震のあった当日には物資を集めだしました」
と、キャンドル・ジュンさんは、当時を振り返ります。
「現地では、ルールを決めていて、コンビニやガソリンスタンドなどが開いているところはまだ大丈夫。コンビニなどが開いていない地域で活動しようと。それが福島だったんです」
その頃はまだ、原発事故が起こる前。
「しかし、原発がまずいんじゃないかとすでに言われていましたから、それもあって、一人だけで行くと決めたんです」
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地震と津波によって建物は崩壊し、道路には亀裂が走り、線路は歪んでいる。現実に打ちのめされている現地の人々。その中での活動は、行く先々の現状に合わせ、臨機応変に対応していかなければならないものでした。
福島に着いてからは、積んでいた物資を一か所におろして終わりではありません。東京にいるスタッフから「どの地域に何が足りない」とか、「どこが水ばかりあるけど、あとは何もない」といった情報をどんどん送ってもらい、携帯(当時はスマホがなかったので)のインカムをつけて、多めにあるところからは全然ないところに融通してもらったり、交換してもらったりという活動を続けたのです。
「『LOVE FOR HAITI』のネットワークができていたので、メンバーである著名人、企業、団体などによって、僕が福島にいる間にも支援物資がどんどん集められました。僕は、東京にもどってその物資を積んでまた福島に行くということをひと月ぐらいは一人で続けていました。」
毎月11日に行っている「キャンドルナイト」
その活動は現在も続いていて、毎月11日には福島で「キャンドルナイト」が行われています。
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キャンドル・ジュンさんの活動イメージは、被災地の人々と支援者とを結んで、「お互い様」の関係を作っていくこと。例えば、東京などから物資などを供給するだけでなく、被災地の方々にも何かやってもらえることはないかと考えるのだとか。実際、宮城のお母さんたちに作ってもらった手作り品を販売したり、商店街を活性化させるためのプランニングの手伝いをして、人を呼ぶイベントを催したりしています。
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「復興という言葉がありますが、以前の状態に戻すということは、絶対に無理なわけです。だから、以前よりもっといい町にしていくことを一緒にしたいんです。『福島のせいで』とよく言葉を省略して言われます。原発事故は福島の方々のせいではないですし、むしろそのせいで一番大変なのは福島の方々なはずです。でもいつか世界中から、『福島のおかげで世界が学べたよ。ありがとう』と言われるようにしたいんです。」
それが、『LOVE FOR NIPPON』の活動の根底にあるそうです。
台風19号の被害にあったリンゴ農家への支援『リンゴスタープロジェクト』
今年(2020年)は、『LOVE FOR NIPPON』の活動の一環として、大規模なフェスを開く予定でした。
「3月8日と3月11日、福島県双葉郡楢葉町、広野町にあるJヴィレッジでフェスを開くことになっており、準備は最終段階まで終わっていました。会場では音楽だけでなく、フード&ワークショップのブースを出したり、サッカーやフットゴルフ、キャンドルナイトができる大きなイベントでした。ただ、新型コロナのパンデミックが起こり、イベント自体が流れてしまいましたが」
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そのフェス会場で、実は“リンゴペースト”を販売する予定でした。
昨年10月の台風19号では、長野のリンゴ農園が壊滅的な打撃を受け、『LOVE FOR NIPPON』は、農地回復支援活動を始めました。
「ほとんどのリンゴは落ちてしまったり、傷ついて、廃棄せざるを得ませんでしたが、十分食べられるリンゴもたくさんあったのです。それをサラヤさんがペースト状にして、Webでの販売とともに、福島でのフェス『SONG of the EARTH311』のブースで販売することになっていたのです」
『衛生・環境・健康』に貢献しているサラヤでは、食品衛生分野において品質を落とすことなく食品の保存ができる急速冷凍装置の開発・販売も行っています。その機械を納めている会社・泉州屋がペースト状にする部分を担いました。
リンゴ農園のボランティア、出荷が叶わなかったリンゴの加工、販売。そして一年後に復活したリンゴの収穫のお手伝いまでと一年間様々な形で被災地とつながるプロジェクトとして『リンゴスタープロジェクト』は活動しています。
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泉果通販 – リンゴスタープロジェクト|Yahoo!ショッピング
リンゴ農家を助けるために、今できること
台風のために出荷できなかったリンゴはピューレにされ、急速冷凍。そのため新鮮さと美味しさを保持できました。
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りんご、ハチミツ、レモン果汁、シナモン入り。温めてそのまま飲めます。
(右)『リンゴと甘酒のHOTジンジャースムージー』 200㎖ 1本 ¥300
りんご、甘酒、豆乳、しょうがシロップ入り。温めてそのまま飲めます。
災害にあった方々を支援したいという気持ちがあっても、なかなか現地にまで行けないという声をよく聞きます。現地に行くだけが支援ではないと思います。
例えば、このリンゴペーストを購入することで、キャンドル・ジュンさんたちのネットワーク『LOVE FOR NIPPON』とともにリンゴ農家を支援し、「みんなで頑張ろう!」というメッセージを発信することになるのです。
様々な自然災害、感染症などが続いている現代。みんなで力を合わせ、助け合える世の中を目指したいものです。
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