BMAL1(ビーマルワン)が鍵!太りにくい時間に食べるダイエット
食べる量を減らさなくても、時間を変えるだけで代謝は上がります。その鍵は、脂肪の合成に関わる「BMAL1(ビーマルワン)」が少ない時間に食べること。時間栄養学に基づく太らない時間でガマンせずヤセ体質に!
目次
量よりも「どのタイミングで」「どう食べるか」が重要
人間は、食欲や睡眠、血圧、体温、ホルモン分泌など、体のすみずみまで“体内時計”によってコントロールされています。この仕組みをもとに、「何をどのタイミングでどう食べるか」を研究したのが“時間栄養学”。これにより、人間には理想の食事時間があり、その時間を守るだけでやせやすくなる効果があることがわかったのです。
太りにくいのは、脂肪の合成を促す「BMAL1(ビーマルワン)」が少ない時間
体内時計をつかさどっている時計遺伝子には、脂肪合成を促進するたんぱく質「BMAL1」を増減させる働きがあります。「BMAL1」が増えているときに食べると脂肪になりやすく、減っているときに食べると脂肪になりにくい…。つまり「BMAL1」が減っている時間に食事をすることが食べヤセの秘密なのです。
14時に最も減り、夜10時以降に急増する「BMAL1」の動き
上のグラフは、何時に「BMAL1」がどのくらい増減されているかを表すもの。「BMAL1」は毎日12時間周期で増減を繰り返し、深夜2時に最も多く、14時に最も少なくなります。
BMAL1が少ない時間をねらう「食べヤセスケジュール」
食べヤセスケジュールは、朝起きた時間からスタート! 起きてから12時間以内は食べても太りにくい時間帯といわれています。日常生活の動きの中でカロリーを消費し、BMAL1も減っている時間帯だからです。
朝食は絶対抜かず、起床後2~3時間以内に
朝起きてから2~3時間以内にごはんをしっかり食べるかどうかで、その日の消費エネルギーは大きく変わります。しっかり食べることが1日の代謝のエンジンになるので、朝食を抜くのは絶対NGです。
昼食はカロリーを気にせずしっかり食べてOK
午前に活動してエネルギー代謝が上がっているころの昼食は、好きなものを食べてもOK。脂質の多いものを食べるなら、昼食に食べるのがベストです。BMAL1が減ってきた12時ごろに食べるようにしましょう。
おやつはBMAL1(ビーマルワン)が少ない15時に5分以内で食べる
「3時のおやつ」には、理由があります。昼食の2~3時間後は血糖値が下がっているのと同時に、15時はBMAL1が少ない時間のため太りにくいのです。でも、だらだらと食べないよう“5分以内”と時間を決めることが大切。
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夕食か“プレ”夕食でごはんなどの主食を食べる
起床後12時間以内に、夕食をしっかり済ませておくのが理想。でも12時間が難しければ14時間でもOK。さらにそれも難しい場合は、この時間内に「“プレ”夕食」としておにぎりなどの主食を食べておきましょう。
遅めの夕食は起床後16時間以内に“おかず”だけ
夕食が遅くなってしまう場合に“プレ”夕食を挟むワケは、太る原因になる就寝前の炭水化物摂取を防ぐため。“プレ”夕食の後は、野菜料理など軽めのものだけにし、必ず起床後16時間以内に食べるようにしましょう。
空腹を感じないうちに食べるのはNG。食後2〜3時間ごろの血糖値が下がったタイミングで、空腹を感じてから食べましょう。お腹が空いていないのに何となく食べてしまうと、余分なエネルギーが脂肪に変わります。
時間栄養学をフル活用して、さらに太りにくい体に!
ヤセやすくなるための「理想の食事時間」を示すのが時間栄養学。ここからは、そんな時間栄養学をさらに活用するための豆知識を紹介します。これを守れば、さらにヤセ体質になれますよ!
水曜日は最も代謝が高い“ヤセ曜日”
1週間の体内リズムを見ると、平日の真ん中の水曜日に最もエネルギー代謝が高いことが時間栄養学の研究で判明。つまり、週に1回、水曜日は「ごほうびデー」として、羽目を外して思いきり食べても大丈夫!
昼食は「内臓が元気な時間」がおすすめ
内臓にも1日のリズムがあり、胃は正午から14時が最も働く時間帯。その意味でも、昼食はその間に食べるのがベストなのです。また、すい臓は午後から夕方、腎臓は夕方から夜、肝臓は朝に活発に働きます。
ランチに脂質、おやつにスィーツ……ガマンいらずのダイエットを行えば、生活習慣も整う可能性大! 健康な体づくりもできそうですね。
イラストレーション/といだあずさ
(からだにいいこと2017年6月号より)