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ストレスの源・ネガティブ思考を止める「瞑想」|ストレスオフ(3)

ストレスオフ・トレーナーの高橋昭子さんが、心と体を軽くする方法を提案する「ストレスオフ」連載。第3回の今回はコーヒーの香りや味に癒やされながら行う「コーヒー瞑想」をご紹介します。

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瞑想って何がいいの?

「集中力がアップする」「脳疲労をとる」など、すばらしい効果が次々と明らかになっている瞑想。もちろん、日々積み重なるストレスにも効果を発揮します。効果があるのは分かるけど、瞑想というと「初心者にはむずかしい」「やったけどよく分からなかった」といった読者の声も…。まずは、瞑想によるたくさんのストレスオフ効果をみていきましょう。

ストレスオフ効果(1) α波により究極のリラックスモードに

瞑想をすると、脳がリラックスしたときに出現する「α(アルファ)波」が出ます。α波とは、体と心をリラックス状態へ導く脳波。これにより、ストレスで固まった心身が休息モードに切り替わります。脳の情報整理も行われ、短時間で頭がスッキリ、クリアに。

ストレスオフ効果(2) 自律神経が整い、過緊張がゆるむ

私たち人間がストレスを感じているときは、自律神経の中でも「交感神経」が優位になっている状態です。瞑想をすると呼吸が整って自然と深くなり、「交感神経」と「副交感神経」のバランスが整います。体の緊張がほぐれて、同時に心も落ち着いてきます。

ストレスオフ効果(3) ネガティブ思考が減る

瞑想をすると、その間は感情が一切ありません。ネガティブな心配事も浮かばなくなるため、絶対的な安心感に包まれて心地が良いのです。瞑想をつづけると不安や恐怖などを感じる脳の「偏桃体(へんとうたい)」が静まり、イライラが減って、ネガティブな感情をコントロールできるようになります。つねにストレスに動じない、平常心を保てる人に。

ストレスオフ効果(4) 内臓が活性化して代謝アップ!

背筋を伸ばして瞑想することで、深い呼吸が自然と身に付きます。呼吸によって内臓の働きが活発になり、代謝が上がって脂肪を燃焼しやすい体になります。見た目がキレイになると、自分に自信が生まれ、さらにポジティブ思考に変わります。こうしたプラスの感情もまた、ストレスオフにつながるのです。

脳は1日6万回も思考している!

ここまで瞑想によるストレスオフ効果をご紹介してきました。では、今から1分間、目を閉じて呼吸に集中し、自分なりに瞑想をしてみてください。スマホでタイマーをかけてもOKです!

いかがでしたか? 1分の間に、色々な考え事をしてしまったのではないでしょうか?
初めは誰でも、瞑想をしようとしても仕事や家庭のことなど考え事が浮かんでしまいがちです。中でも過去への後悔や今抱えている心配事、これから先の不安などに気がそれてしまった人は、その思考がクセになってはいませんか?

人間は1日、6万回も思考を繰り返すといわれています。そのうち、約80%がネガティブなことで、そのうち約95%が過去のことなのです。例えば、スマホやパソコンを毎日何時間も使い続けていたら、どんどん熱くなってシャットダウンしてしまいますよね。これは、脳も同じ。思考を続ける時間が長いほどストレスは溜まり、心と体にトラブルが起こりかねません。パソコンの電源を落とすように、脳にも一時的な休息が必要なのです。

瞑想初心者でも超簡単!「コーヒー瞑想」

先ほどやってみた1分間の瞑想で、考え事が浮かんでしまったという人がほとんどだと思います。そんな瞑想初心者でも上手にリラックスできるのが、ご紹介する「コーヒー瞑想」です。

コーヒー瞑想

「コーヒー瞑想」は、「今この時間」に気持ちを集中させる「マインドフルネス」の考え方を応用した瞑想です。マインドフルネスとは、“今ここ”に目を向けた状態のこと。集中力が高まり、仕事や勉強などの効率も上がるといわれています。

マインドフルネスの一番の効果は、自分を客観視できるようになること。「今この時間」に意識を向けることで、過去や未来の余計なことを考えなくなります。すると、トラブルが起こったとき、ネガティブな考えや行動に陥るポイントに対して気がつけるようになるのです。

例えば嫌なことを言われたとき、つい相手に言い返してしまい、それを後悔してしまうことはありませんか?

「気づく力」が高まれば、言い返してしまう前に冷静になって、行動をコントロールできるようになります。マインドフルネスは、後悔の元を未然に防ぎ、ポジティブな考えを習慣づける効果があり、それがストレスを防ぐ「ストレスオフ」につながるのです。

マインドフルネスの考えを活かした「コーヒー瞑想」は、香りや温かさなどを感じながら行うので、「今この時間」に意識を向けやすくなります。さらに、コーヒーの香りは脳からα波を放出するといわれていて、リラックス効果があります。ブレイクタイムに飲むついでに、簡単に瞑想することができるのです。

【実践】「コーヒー瞑想」にトライ!

それでは、「コーヒー瞑想」をやっていきましょう。

コーヒー瞑想のやり方

「コーヒー瞑想」は、コーヒーを目の前に置いてから一口飲み終わるまで、2分ほどかけます。その間に感じたことをじっくり観察していく瞑想です。

コーヒーを飲み込んで味わうまでの流れを、一時停止しながら観察していくイメージです。決して、自分の感情を出してはいけません。好き嫌いなどの感情も受け流しましょう。

(1)コーヒーを飲む前に、香り・温度・様子を見つめる

コーヒー瞑想

まずはコーヒーを目の前に置いて姿勢を正します。コーヒーの色、姿、形をよく見てください。「好き」「嫌い」「おいしそう」といった感想が浮かんできたら、それも頭の中で観察します。

コーヒー瞑想

すぐに飲まずに、ゆっくりカップに触れてみましょう。カップが手に触れる感触や、手に伝わる温度を感じます。

コーヒー瞑想

カップを鼻の近くに持っていき、コーヒーの香りをかぎます。カップを持つ手の動きをゆっくり観察しながら、「フーフー」とコーヒーに息を吹きかけ、カップを口に運びます。そのとき口に触れる温かさも観察しましょう。

(2)コーヒーを口の中へ

コーヒー瞑想

ここで一口コーヒーを含みます。まだ、飲み込んではいけません。口の中にコーヒーが流れ込んだときに舌に触れた感覚や、舌の上に乗った感覚を観察します。口の中に広がる味、鼻からふわっと抜ける香りもしっかり感じましょう。

さらに、コーヒーが口の中で唾液と混ざって変化していく様子や、飲み込みたくなる思いも観察します。

(3)いよいよ、コーヒーを飲み込む

コーヒー瞑想

ここでようやくコーヒーを飲み込みます。のどを通っていく感触もしっかり観察。飲みこんだ後は、味や香りが残っていないかを確かめます。この間にも何か考えが浮かんだら、それも観察してみましょう。

さて、一通りやってみたところでもう一度今の感覚を意識しながら、コーヒーを一口飲んでみてください。

いかがでしたか?何か考え事は浮かびましたか?普通の瞑想はむずかしいという人も、「コーヒー瞑想」なら、自分の好きなコーヒータイムに気軽に実践することができます。ちなみに、カフェインには血管をゆるめる作用があり、コーヒーを飲むと血流が良くなり代謝もアップします。

「コーヒー瞑想」をつづけると、過去の後悔も未来への不安も不思議と気にならなくなり、日々感じていたストレスから解放されていきます。イライラ、モヤモヤで心も体もぐったり。そんなときこそ、おいしいコーヒーを一杯入れて「ストレスオフ」しましょうね。

撮影/代 和佳子

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