食物繊維・栄養たっぷり。「4色作りおきナムル」で野菜不足解消
野菜不足の人におすすめしたい、無理なく毎日の野菜摂取量を増やせる4色ナムル。味がなじんだ美味しい作り置きを組み合わせて食べると、手軽に栄養バランスがアップします。
目次
4色の「作りおきナムル」で、野菜不足を解消!
野菜の摂取量が世界でもトップクラスといわれる韓国。その毎日の食卓に欠かせない常備菜が、ナムルです。
「加熱した野菜を油であえるので、かさが減ってコクがあり、サラダより量をたっぷり食べられます」と、管理栄養士の岩崎啓子さん。
「いろいろな色の野菜をとると、さまざまな栄養がとれるので、おすすめは色違いのナムルの作りおき。野菜は濃色(緑や黄)、淡色(茶や白)の両方をとるのが理想的。全色作りおきして組み合わせて食べると良いですよ」
【緑】
緑色が濃い、ブロッコリーや小松菜のナムル。ビタミンAが肌や口、鼻、のどの粘膜を乾燥から守り、ビタミンCとともに免疫力をアップ。風邪の予防にも。
【黄】
黄色いにんじんやかぼちゃのナムルでβ-カロテンを摂取。抗酸化作用で老化を防ぎます。かぼちゃに多いビタミンEは、血行を促して冷えの改善に◎。
【茶】
食物繊維をチャージできる、茶色いきのこや根菜のナムル。水溶性・不溶性両方の食物繊維がとれるため、便通を促して腸内環境の改善をサポートします。
【白】
白いナムルは大根ともやしを使用。大根はジアスターゼなど、消化を助ける酵素がたっぷり。もやしはアスパラギン酸を含み、疲労回復を促します。
4色ナムルのここがすごい!
1. 野菜をたくさん食べられる
ナムルは加熱したり水けを絞ることで、野菜のかさがぐんとダウン。量をたっぷり食べられます。
2. 油分でおいしく栄養効率アップ!
ごま油をはじめ、油分であえるのがナムルの基本。コクが出て油膜で水けも出にくくなり、油ととることでビタミンA、Eなどの吸収もよくなります。
3. ラクに献立の栄養バランスがとれる
その日の献立や体調に合わせて、好みのナムルを副菜に。肉や魚の主菜に添えるだけで、食物繊維やビタミンなどの足りない栄養をラクに補え、献立の栄養バランスがアップします。
緑のナムル:免疫力をアップ!
緑色が濃い野菜で、おすすめは小松菜とブロッコリー。定番のごま油に限らず、オリーブ油やマヨネーズとも好相性です。
小松菜とのりの和風ナムル
小松菜は鉄分も多く、アクが少ない食べやすさも長所。しょうゆ風味で和食に合います。
材料(2人分) 1人前41kcal
小松菜…1袋(250g)
焼きのり…1/2枚
A | しょうゆ…小さじ1・1/2
| ゆずこしょう(または練り辛子)
…小さじ1/4
オリーブ油…小さじ1
作り方
(1)小松菜は色よくゆで、冷水にとって水けをていねいに絞り、3㎝長さに切る。のりは小さくちぎる。
(2)ボウルに小松菜を入れ、オリーブ油を混ぜる。のり、よく混ぜたAを加えてあえる。
*冷蔵で保存:2~3日
ブロッコリーのマヨ風味ナムル
ブロッコリーは各種ビタミンや細胞の生成などに不可欠な葉酸、さらに食物繊維も多め!
材料(2人分) 1人前76kcal
ブロッコリー…小1株(150g)
A | 赤唐辛子の輪切り1/2本分
| 塩…小さじ1/5
| しょうゆ…小さじ1/2
| マヨネーズ…大さじ1
黒いりごま…小さじ1
作り方
(1)ブロッコリーは茎のかたい部分を切り落とし、小房に分ける。かためにゆで、ざるにあげてさます。
(2) ボウルにブロッコリーとAを入れて混ぜ、ごまを加えてさっとあえる。
*冷蔵で保存:2~3日
卵を割りほぐし、ナムルを加えてさっと混ぜ、オムレツに。味つけなしでもおいしく、マヨ風味のブロッコリーナムルはとくに卵と相性バツグン!
黄のナムル:老化を防いで血行促進
代表はにんじんとかぼちゃ。ごまやアーモンドをプラスして、風味とともにビタミンEも強化!
炒めにんじんのカレーナムル
にんじんの風味が苦手な人も食べやすいカレー味。カロテン補給の定番に。
材料(2人分) 1人前101kcal
にんじん…小2本(240g)
にんにくのみじん切り…少々
A | 塩…小さじ1/3
| カレー粉…小さじ1/2
白いりごま…小さじ2
オリーブ油…小さじ2
作り方
(1)にんじんは斜め薄切りし、さらにせん切りにする。
(2) フライパンにオリーブ油、にんにくを入れて中火にかけ、香りが出たらにんじんを加えてしんなりするまで炒める。
(3) Aで味をととのえ、ごまを加えてさっと炒め合わせる。
*冷蔵で保存: 2~3日
焼きかぼちゃとナッツのナムル
これから美味しい季節をむかえるかぼちゃ。焼くと実がくずれにくく、あえものに使いやすくなります。
材料(2人分) 1人前261kcal
かぼちゃ…1/4個(正味350g)
ローストアーモンド(無塩)…20g
A | 砂糖…小さじ1/2
| 塩…小さじ1/6
| しょうゆ…小さじ1/2
オリーブ油…小さじ2
作り方
(1)かぼちゃは種とわたを除き、薄切りにしてさらに半分に切る。アーモンドは粗く刻む。
(2)フライパンにオリーブ油を熱し、中火から弱火でかぼちゃをこんがりと焼く。
(3)アーモンド、Aを加えてさっと混ぜ合わせる。
*冷蔵で保存: 2~3日
茶のナムル:腸内環境を整える
食物繊維が豊富なきのこと根菜。噛みごたえがあり、食事の満足感がUP。ダイエット中にもおすすめです。
焼ききのことねぎのナムル
きのこは焼くと水っぽくならず、香りも際立ちます。好みのきのこで代用してもOK。
材料(2人分) 1人前73kcal
しめじ…大1パック(200g)
長ねぎ…1本分
A | かつお節…1/2パック(2g)
| 塩…小さじ1/3
| しょうゆ…小さじ1/2
| ごま油…小さじ2
作り方
(1)しめじはいしづきを落とし、4つ割りにする。ねぎは半分の長さに切る。ともに魚焼きグリルに並べ、こんがりと焼き色をつける。
(2)粗熱がとれたら、しめじは小房に分け、ねぎは1.5㎝長さに切る。ボウルに入れ、手早くAと混ぜ合わせる。
*冷蔵で保存:2~3日
炒め根菜ナムル
根菜を香ばしく炒めたナムル。コチュジャンのほどよい辛みが味のアクセントに。
材料(2人分) 1人前91kcal
れんこん…小1節(120g)
ごぼう…1/2本(60g)
A | 赤コチュジャン…小さじ1
| 砂糖…小さじ1/2
| しょうゆ…小さじ1
| 白すりごま…小さじ2
ごま油…小さじ1と1/2
作り方
(1)れんこんは半月形の薄切りにする。ごぼうは縦半分に切り、さらに斜め薄切りにする。それぞれ水にさっとさらし、水けをきる。
(2)フライパンにごま油を中火で熱し、(1)を炒める。しんなりしたら火を止め、Aを加えて混ぜ、再び中火でさっと炒める。
*冷蔵で保存:2~3日
だし汁を煮立て、食べやすく割った豆腐、根菜ナムルを入れてさっと煮て、しょうゆで調味を。あっという間にできて根菜のうまみがたっぷり。
白のナムル:消化を促し疲れをとる
大根は酵素を生かすために生で調理を。もやしにはカッテージチーズを合わせ、ヘルシーな洋風ナムルに。
大根レモンナムル
生のまま、塩もみして水けを出すのがコツ。酵素が壊れにくく、日持ちもよくなります。
材料(2人分) 1人前76kcal
大根…1/3本(500g)
塩…小さじ1/2
レモンの輪切…り3枚
A | 赤唐辛子の輪切り…1本分
| 塩…少々
| ごま油…小さじ1と1/2
作り方
(1)大根はせん切りにし、塩をふって軽く混ぜ、しんなりしたら水けを絞る。レモンはいちょう切りにする。
(2)ボウルに大根、レモン、Aを合わせてあえる。
*冷蔵で保存:3~4日
もやしとチーズのナムル
定番のもやしナムルをひと工夫。低脂肪のチーズで、不足しがちなカルシウムを補って。
材料(2人分) 1人前93kcal
もやし…1袋(250g)
カッテージチーズ…80g
A | にんにく(みじん切り)…少々
| ねぎ…(みじん切り3㎝分)
| 粉唐辛子(または一味唐辛子) …少々
| 塩…小さじ1/3
| ごま油…小さじ2
作り方
(1)もやしはさっと水で洗い、耐熱のポリ袋に入れて厚みを平らにし、電子レンジ(600W)で3分30秒加熱する。そのままさます。
(2)ボウルにもやしとAを入れて混ぜ、カッテージチーズを加えてさっくりと混ぜる。
*冷蔵で保存:2日
もやしとチーズのナムルは、パンにもぴったり。マスタード&バターを塗って鶏肉のソテーなどとはさめば、ヘルシーなごちそうサンドに。
撮影/山本ひろこ
(からだにいいこと2017年4月号より)