口臭・虫歯・歯周病の防止に!唾液うるうるマッサージで口から若返り
唾液には、抗菌作用や修復作用など口や歯を守る成分がいっぱい。しかし、加齢やストレスで出にくくなってしまいます。30秒の唾液線マッサージで唾液量をアップさせて、歯の健康促進や口臭防止に! お口から若返りましょう。
目次
唾液は健康のバロメーター。口臭がない快適な口に
「口の健康を大いに支えてくれるのが唾液です」と話すのは、歯科医師の古舘健さん。
血液から作られる唾液をチェックすることで、糖尿病やストレスの具合が分かることも。また、抗菌機能がある唾液の分泌量を増やすことで、虫歯や歯周病の予防効果を期待できます。
さらに、唾液のうるおいで洗い流す自洗浄機能で、口の中を清潔に保って口臭を防げます。起きた時に口臭がするのは、睡眠中に唾液の分泌がほぼ止まり、口の中の細菌が最も多くなるからだそう。
「年を重ねるほど唾液量は低下し、ストレスや薬の副作用などの生活習慣でも減っていきます。しかし、刺激による唾液は年齢に影響されません。口を動かしてよく噛むことや、食事の前に唾液腺をマッサージすることで、唾液腺を自分で刺激して簡単に唾液を増やせますよ」。
こんなにある!唾液のすごい働き
【その1 抗菌作用を持つ成分が細菌の増殖を抑える】
唾液には、母乳に含まれる免疫グロブリンやリゾチームという成分が含まれており、ウイルスや細菌などが粘膜から侵入するのを阻止。細菌やカビ(カンジダ菌)の繁殖を抑える効果もあり、虫歯など様々な病気予防にも役立っています。
【その2 虫歯菌により溶け始めた歯の表面を修復】
唾液に含まれるリンやカルシウムなどのミネラルは、歯を守る再石灰化作用を促します。初期の虫歯なら、この唾液の力で、酸で溶けかかった歯のエナメル質を修復し、治すことができます。
【その3 酸を無効化し虫歯を防ぎ、口内環境を中和する】
甘いものを食べた時、唾液は虫歯菌が歯を溶かそうと出す酸を中和してくれます。 酸を中和して無効化するまでに30~60分程度かかるため、甘いものを1日何度も食べると虫歯になりやすくなります。
【その4 口の“かわき”で体の水分不足を知らせる】
唾液が減って口の中がかわくのは、血管内の水分が不足している証拠。体内の水分が3%(約1ℓ)失われるだけで、口の中が乾燥した状態に。水分不足になりそうな体の危険をいち早く教えてくれます。
【唾液の口臭予防効果はスゴイ!】
口の中の食べカスや菌を唾液と一緒に飲み込むことで、口内に細菌が増えるのを防ぎ、口臭を予防します。また、悪臭ガスを作る舌苔対策にも有効。
30秒「唾液うるうるマッサージ」のやり方
刺激するのはここ![三大唾液腺]
【耳下腺(じかせん)】
耳の前から下の位置にある大きい唾液腺。年をとっても唾液を作る機能は衰えない。
【顎下腺(がっかせん)】
下顎の骨の内側にあり、唾液の分泌量は最も多い。サラサラした唾液と粘液性のある唾液を分泌。
【舌下腺(ぜっかせん)】
口の底の粘膜の下にあり、舌の動きでネバネバの唾液を分泌。加齢により細胞が縮小する。
(1) 耳の前をクルクル
真ん中の3本の指を両耳の前・耳たぶの近くに当てる。後ろから前へ、やさしく円を描くようにマッサージする。
(2)頬の下をクルクル
親指以外の4本の指を頬の下辺りに当てる。軽く押しながら後ろから前へ、ゆっくりクルクルと指先を動かす。
(3)顎の下をクルクル
真ん中の3本の指を顎の下のライン(首の前側)に当てる。後ろから前へ、小さい円を描くように指先をやさしく動かす。簡単にできる「うるうるマッサージ」で、口の中がうるおう感覚を体験してくださいね。
撮影/福島章公 モデル/前田千絵 イラスト/ARI
(からだにいいこと2020年1月号より)