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親に嫌われない・悲しませない!実家を片付けるコツ|元介護福祉士が指南

実家に帰るたびにモノが増えていて、廊下まで溢れている…!転んでケガをしそうで危険なのに、親に片付けを勧めても、「捨てるのがイヤ」「面倒臭い」、あげくは「うるさい!」と機嫌を損ねてケンカになってしまったり。 そこで元介護士の片付けヘルパー、永井さんがアドバイスするのは、親の気持ちに寄り添った片付け術。実家の片づけに悩んだら、プロのワザをぜひ真似てみて!

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会話から入れば、ケンカせず実家を片づけられる

「実家を片づけるなら、まずは親と会話して。好きな色や持ち物の使い心地、生活習慣などあれこれ聞けば、それが片づけの糸口になります」と、整理収納アドバイザーの永井美穂さん。『片づけヘルパー』と名乗り、高齢者の家の片づけを行っています。

「会話を通して親の好みや生活を知り、尊重しながら、いるモノ・いらないモノを分けましょう。そうすれば親に反対されません。『好きな色は? この服の色は好きなのね。よく着るならここに掛けるね』『このペン書きやすい? 持ちにくい? なら箱にしまっておくね』と」

親 片付け

永井さん式の片づけには、介護福祉士としてかつて10年間在宅介護に携わった経験が生きています。
「在宅介護は相手の生活の中に入り込み、相手の生活をできるだけ壊さないようにするのが基本。片づけも同じようにした方が楽に進み、ケンカにもなりません」

いきなり「家を片づけて」と言うと、親は「責められた」と感じるもの。まずは雑談し、親の生活や思いを知ることから始めましょう。一見遠回りでも、これぞ実家片づけの早道!

実家片づけの2大ルール

1.「親の好み」に合わせる

片づけるのはあくまでも実家=親の家。自分の家ではありません。物を捨てたりしまったりする時も、必ず親の好みや使いやすさを優先して。親の意思を尊重すると、お互いに楽に片づけられます。

親 片付け

古い、ダサい、使いにくそう……自分からはそう見えても、親にとっては愛着のある「良い物」かも。押しつけがましく、強引に片づけるのはNGです。

親 片付け

まずはおしゃべりして、親が今、何を気に入っているかを把握。それ以外の気に入らないものだけ、捨てたり押し入れの奥にしまったりと片づけの対象にして。

2. 「生活習慣」に配慮する

高齢になると体を動かすのが億劫になり、ケガしやすくなるもの。親が便利に安全に暮らせるよう実家を片づけるには、親の生活習慣を知り、配慮するのが近道です。

親 片付け

変な所にものがあっても、片づけるのは少し待って。そこにある方が便利なのかも。変な場所にある椅子だって、手すり代わりに使っている可能性も。

親 片付け

親の行動を観察し、「ここで使ってるの?」と尋ねれば、親の生活習慣がわかります。生活習慣を壊さないように片づければ、便利で安全な家に近づきます。

親とケンカにならない、プロの片づけワザ

上手に実家を片づけるための、プロの小技を大公開! これで親の機嫌を損ねてお互いイヤな思いをすることが減るはずです。

親 片付け

「片づけて」と言わず、自分が手を動かす

親に「片づけて」と要求したり、「私が片づける」と宣言したりすると、親はカチンとくるかも。直接的には言わずに、楽しくおしゃべりしながら、親の前で手を動かしてそこにあるものを片づけてしまいましょう。

不用品は捨てずに、一旦、しまっておく

親 片付け

親も不用品だと思っているものでも、いきなり捨てるのは抵抗がある場合も。そんな時は一旦、押し入れの奥など見えないところにしまってみて。見えなくなると、自然と物への執着度が下がります。

親の大事なものはキレイにして飾る

親が大事にしているものは、一緒にキレイに掃除して、目につくところに飾って。自分の思いを子供と共有できたことで満足し、物への執着心が消えることが。飾る場所を作ることが、片づける口実にもなります。

親が捨てにくそうなら、一旦、自分がもらう

親 片付け

不要だと思っていても、「もったいない」という思いから物が捨てられないことが。こんな時はひとまず自分がもらうのも一手。自分が管理して様子を見てから、使うなり捨てるなりすればOK。


どんなにムダに見えても、勝手に捨てない

雑然と溜め込まれた刺繍糸やハギレにも、もしかしたら親の思い出が詰まっているのかも。黙って勝手に物を捨てるのは、子供といえどNGです。勝手に捨てると、親子関係が悪化し、片づけも拒否されるようになって、結局いいことは何もありません。

年末年始の帰省時は、実家を片付けるチャンス! ゆっくり親と話しながら片付けを始めてみませんか?
おしゃべりを楽しんだ上にお部屋がスッキリ使いやすくなると、最初は渋っていた親も、しみじみやって良かったと喜んでくれるようになりますよ。

イラスト/吉沢深雪
(からだにいいこと2020年5月号より)

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