トライするならここをチェック!医師が教える「健康法の見分け方」
これが効いた! 短期間で改善した!など、巷にあふれる健康法。体験者の話を聞くと、どれも実践したくなるものです。でも、本当に効くの? 健康法の“見分け方”を医師の北條元治さんが解説します。
目次
健康法とは「個人の感想」だった
実践した人全員に効く健康法はありません。そこが、医学と民間に伝わる健康法の違い。医学では病気の症状に対して治験を行い、多くの人に効果があった薬や機器で治療を行います。
体質は人それぞれなので、必ずしも全員に効くわけではないですが、統計上“改善する人が多かった”方法を治療法として採用されます。
一方、健康法は個人や地域の人たちなどが、自分の経験をもとに「効く」と言っているもの。つまり、個人の感想であることが多いのです。
他の人には効かなくても、あなたには効くかもしれない
医学と違い健康法は、統計を取っていないことがほとんどなので、どのくらいの割合で効くのかはわかりません。とはいえ、健康法は決して価値がないものではなく、自分の体質に合うものなら、効果は期待できます。
試してみて、実際に改善したかチェックして、よいと感じたら続けて。効果が感じられないものはやめて、また別の健康法をする。これぐらいミーハーでいいのです。
健康法にトライするならここをチェック!
この健康法を試してみたいけれど、どうだろう…? そう思ったら、チェックしておきたいことを紹介します。
「絶対効くはず」と思い込んでいませんか?
健康法は、少人数の成功体験から広まったものも多くあります。そのため、誰にでも効くと思い込むのは危険。自分に合うか、リスクはないかを冷静に考える視点は常に持つようにしましょう。
そのメソッド、やることが極端すぎませんか?
常識を覆す健康法は、その衝撃から注目を集めがち。しかし、人間の自然なリズムや動きに逆らったメソッドは、合う体質を選びます。あまりにも極端なものには、安易に飛びつかないほうが賢明でしょう。
治したい不調は急性のものではありませんか?
今まで経験したことのないような急性の痛みや苦しみは、すぐに医学的な治療が必要なケースが多くあります。数時間の差が生死の境目になることもあるので、健康法で乗り切ろうとせず、病院へ行きましょう。
「健康」について正しく認識していますか?
例えば一時的な高血圧を心配しすぎると、ストレスでかえって高血圧を招くことがあります。まずは病院で診断を受け、自分の症状を正しく認識した上で、健康法を選びましょう。
それをやっていて気持ちがいいと感じますか?
プラセボ(偽薬)でも不調が改善することが証明されているように、「気持ち」はとても大切。実践して「気持ちがいい」と感じられるかどうかも、その方法が合うかの判断基準です。
目的は達成しても新たな不調が出ていませんか?
悩んでいた不調がよくなったとしても、他に新たな不調は生じていませんか? 体質に合わない健康法を行っていると、どこかにムリが生じます。常に自分の体全体の調子をチェックして。
自分でいろいろと工夫して「健康になろう」というポジティブな気持ちも、健康を後押ししてくれます。必要に応じて医学の力にも頼りながら、健康法と上手に付き合っていきましょう!
イラスト/くぼあやこ
(からだにいいこと2016年3月号より)