人にイライラするのはなぜ?怒りをコントロールする方法
外ではレジで待たされイライラ、家では夫にイライラ…。怒ってばかりの自分にストレスが溜まっていませんか? 怒りをコントロールする対処法を身につけて、毎日穏やかに過ごす方法をご紹介します。
目次
人にイラ立ちや怒りを感じる理由は?
疲れて帰宅した時に家が散らかっていてイライラしたり、夫とケンカした時に言われた言葉を思い出してふつふつと怒りがよみがえってくる…。日常生活でたびたび現れる、さまざまな怒りに困っていませんか?
まわりの人の言動や環境で怒りが起こると思いがちですが、実は怒りの感情を引き起こす原因は、自分自身の感情と価値観にあるのです。
人が怒りを感じる理由は3つあります。
その1.悲しみの裏返し
怒りの感情の裏には、悲しみや寂しさなどの感情が隠れています。
例えば、夫に靴下をソファーの上に脱ぎっぱなしにしてしまうクセがあるとします。「洗濯カゴにいれておいてね」と何度もお願いしていているのに、なおらない…。
このイラ立ちの背景には、「自分のことを分かってくれない」、「私の話を全然聞いてくれてない」といった悲しさや寂しさがあるのです。
自分が怒りを感じる本当の原因を知り、その感情を癒すことでイラ立ちを減らすことができます。
その2.厳し過ぎるマイルール
マイルールに縛られていると、そのルールを侵されると感じた時に怒りを感じます。
自分の中では常識だと思っているマイルールは、往々にして親や先生などまわりの大人や育った環境、自身の過去の経験などから、形成されてきたものです。
ここでハワイ在住の私の経験をご紹介します。過去に仕事をお願いしていた方が、事前連絡もなしに5時間も遅れてきたことがありました。以前の私なら、山ほどマイルールがあったので、「時間は守るべき」、「事前に連絡しないなんて失礼」、「半日も無駄にされた」と、やり場のない怒りを抱えていました。
なかには、「海外の人なのだから自分と常識が違っても、仕方ない」と思える人もいるかもしれません。
でもそれと同じように、日本国内であっても会社の同僚、友人、家族、みんなそれぞれ違う価値観を持っているのです。
相手はこちらに嫌がらせをしようとしているのではなく、ただその人のルールで行動しているだけのこと。違いを理解するだけでもイラ立ちを減らすことができます。
その3.低すぎる自己肯定感
怒りの原因は、低すぎる自己肯定感にもあります。
例えば、家事をしているときに家族から「さっさとやりなよ」と言われたとします。
自分が「考えてから着手した方がうまくいく」と自信をもっていたら、イライラしません。でも、「自分はいつもやることが遅くてダメな人間だ」と自己肯定感が低いと、自分で気にしていることを指摘されてカチンときてしまうのです。
このようにイラ立ちを感じると、その原因を相手や環境のせいにしがちですが、あなたのイラ立ちは自分の気持ちが発端になっています。
相手ではなく自分に意識を向け「自分が自分のことをどう思っているか」に注目して癒すと、怒りをコントロールできるようになります。
怒りをコントロールするセルフワーク
怒りの原因は、自分の感情と価値観にあります。自分と向き合って怒りをコントロールするセルフワークを3ステップでご紹介します。
ステップ1.自分の怒りを思いつくままに書き出す
ただひたすら思いつくままに怒りを紙に書き出します。特別なノートではなく、裏紙などで大丈夫です。その時の感情、なんでイライラしたかなど、文体を気にせずに書きましょう。
このように、実際に感じた感情のまま書き出します。
【例】
・手伝いもせず自分だけソファーで寝転がっているなんて、ありえないんですけど!!!
・いつも5分遅刻するんだから、5分早く準備を始めれば良いだけなのに、なんでできないの?!
「自分はなんて性格が悪いんだ」、「こんなひどいことを考えてはいけない」といったことは気にせず、思いのままを書き出します。
健康な体を維持するためには、食べたものを排泄する必要があるのと同じで、健全な心を保つには、感情も適切に外に出すことが大切。
でもいきなり人に思いのたけをぶつけるのは難しいもの。そのため誰にも見られることのない自分だけのノートやメモなど、安全な場所に書き出します。
思う存分書いたら、怒りの感情と一緒に、破って捨ててしまいましょう。
ステップ2.怒りの原因を掘り下げる
書き出すことを続けていくと、自分がイラ立ちを感じるものへの傾向が見えてきます。次のステップでは「なぜそれにイラ立ちを覚えるのか」を掘り下げていきましょう。
常識だからとか、社会人として当たり前だから、というマイルールに縛られていないか、悲しみの裏返しになっていないか、深く考えていきます。
具体的なやり方はこちら。
【例】
遅刻する人が許せない
→なぜ?
自分の時間を無駄にされるのが嫌だから
→なぜ?
相手にずさんに扱われている気がするから
→なぜ?
どうせ私との用事なんてどうでも良いと思っている
と感じて悲しかったから(悲しみ)
このように、「なぜ?」を繰り返していくと、怒りの元になった本当の感情が浮き彫りになります。
ステップ3.対策を事前に用意する
ステップ2のワークを通して、イラ立つ傾向が分かったら、イラ立ちが起こらないように、事前に対策を用意しておきます。
怒り)時間を守らない人に対してイラ立つ
↓
理由)自分の時間を無駄にされたと感じるから
↓
対策)待ち時間を有効活用する対策を用意する
・本を常に携帯しておく
・待ち合わせ場所を本屋にする
相手が遅刻するかどうかはコントロールできませんが、待ち時間をただ無駄に過ごすのか、有効活用するかは自分次第です。自分でコントロールできるところまで対策しておくことで、イラ立つタイミングを減らすことができます。
セルフワークを通して怒るタイミングを減らすと、心に余裕ができます。さらに、自分の怒りについて掘り下げたい場合は、落ち着いたときに悲しみなど深い感情と向き合ってみるとよいでしょう。
こんな人に怒りのコントロールはおすすめ
怒りやイライラといってもいろんなタイプがありますが、下記のような人に、怒りのコントロール法はおすすめです。
・些細なことにイラ立ちを感じてしまう人
・負の感情を爆発するまで貯め込んでしまう人
・言いたいことが言えない人
以前の私も、まさに些細なことでイラ立ちを感じるタイプでした。
思い通りにいかないことがあると「夫がこうしてくれないからできなかった」、「まわりの人は私のことを分かってくれない」、「会社が悪い」、「社会が悪い」、「私はついていない」など。
ただ、感情を露わにすることはなかったので、会社の同僚からは「ミドリさんは怒ることってあるんですか?」と聞かれたことがあるほど、表向きは穏やかでした。
当時の私は、怒りや悲しみといったネガティブな感情は出してはいけない、大人げない、恥ずかしいと考えていたからです。
でも、抑え込んでたまりにたまった感情は行き場をなくし、些細なことをきっかけに、家族など身近な人に対して爆発してしまい、自己嫌悪に陥るという悪循環になっていました。そんな自分が嫌でしたが、「環境が変わらない限り仕方がないことだ」と思っていたのです。
「全ては君の問題」と言われて気付く
ある日、夫と口論になった時にこんなことを言われたのです。
「僕が君に何をしたとか、何を言ったとかが問題ではなく、全ては君の心の中の問題なんだよ」と。
最初は責任逃れの言い訳だと思って反発していたのですが、コーチングを受けたり独学で学びながら自分と向き合う中で、その意味を徐々に理解していきました。
私たちは人と関わらずに生きていくことができない以上、思い通りにいかないことは起こり続けます。
自分と向き合い、まわりで起こることはすべては自分の考え方次第だと思うようになってからは、心穏やかに過ごせるようになりました。心に沸き起こる怒りの感情に自己嫌悪になったり、ストレスを感じている人は、ぜひセルフワークを試してみてください。
「ヘルスコーチ」とは?
ヘルスコーチとは、アメリカを中心に世界でニーズが高まっている職業です。健康の悩みに対し、食事、住環境、人間関係、キャリアなど、人生に関わる項目全体から答えを導き出して改善します。マラソンの伴走者のように悩みを抱える人と同じ立場に立ってコーチングしていくのが特徴。ダイエットのほか、摂食障害、心身の疲労、人間関係などヘルスコーチによって専門とするジャンルは多岐に渡ります。
https://www.integrativenutrition.com/
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