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コロナ禍での「先行き不安」との付き合い方・心の保ち方

2回目の緊急事態宣言により、これからの社会や生活への不安がさらに増したという人も少なくないはず。先の見えない不安とうまく付き合い、コロナストレスを乗り切る方法を教えてもらいました。

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孤立感、閉塞感のコロナストレスで、“先行き不安”に

メンタルアップマネージャ(R)の大野萌子さんに人間関係でストレスをためない方法を教えてもらうこちらの連載。第17回目のテーマは、「コロナ禍の先行き不安との付き合い方」です。

新型コロナウィルスで社会が激変してから、早くも1年。昨年末からの第三波、それに続く2回目の緊急事態宣言で、我慢を続けてきた私たちのコロナストレスも限界といえるのではないでしょうか。

【長引くコロナが心や体のストレスに!】

(1)    不安感が拭えない

不安

・考えても仕方がないとわかっていても、気がつくと「これからどうなるんだろう…」という不安ばかりが頭をよぎる。
・この先、自分や周りの状況が明るくなる気がしなくて、悪いことばかり想像してしまう。

(2)    孤立感

・家族以外の人と接する機会がなく、気分転換もできない状況に、得体のしれない“孤独”を感じる。
・情報はSNSやインターネット中心。リアルに人と会う機会が減り、自分だけが取り残されたような感覚になる。

(3)    閉塞感

・身近な環境はもちろん、社会全体も行き詰まって、見通しが立たないことに息が詰まるような気がする。

(4)    格差を感じる

格差

・コロナによる影響が大きい人と少ない人がいる。そうした格差の現実に怒りを感じたり、他の人の方が恵まれていると感じてしまう。

(5)    言葉が出ない、眠れないなどの体の異変

不眠

・人と話す機会が激減して、いざ話す場面でなかなか言葉が出てこない。
・夜、不安なことばかりが頭に浮かび、うまく寝付けない。寝ても眠りが浅い。

2回目の緊急事態宣言の方がストレスは深刻

コロナストレスと言っても、昨年春の最初の緊急事態宣言時と2回目の今回は、ストレスの感じ方に大きな違いがあります。

1回目の緊急事態宣言による自粛では、「大変だけれども、みんなでがんばって乗り切ろう」という気持ちが、世の中全体にありました。不安や我慢があっても、「ここを乗り切れば、明るい未来が開ける」という期待もあったはずです。

しかし、2回目の緊急事態宣言では、1年近く続いてきたコロナ禍による疲れが溜まっていて、心のストレスもマックス。状況が好転する見通しが感じられないという諦めや、いつになったら終わるのかという徒労感、コロナにかかることやこれからの生活、将来設計、健康不安など…、さまざまな不安が大きくのしかかっています。

長引く社会全体の先行き不安は、まさに「真綿で首を絞められる」ようなもの。さまざまなストレスが溜まりに溜まって、自分が思っている以上に心も体も疲れ切っているのです。

先行き不安に押しつぶされる人と、ポジティブな人の違いは?

コロナ禍という先がわからない現実に直面したときに、今の状態をどう捉えるかは、人によって違います。

「ワクチンの接種も始まるし、きっと状況はよくなるだろう。もう少しこの状況が続くのは仕方ない」と思う人もいれば、「こんなに我慢してきたのに、まだ収まらないなんて辛すぎる。コロナが落ち着いても社会や経済がもっと悪くなりそうで怖い」と不安な気持ちに押しつぶされている人もいます。

捉え方の違いをわかりやすく表す例として、「コップに入った水をどう捉えるか」という話があります。

●水が半分はいっているコップを見て…?

(A)「まだ半分ある」と思う人…ものごとをポジティブに捉えられるので、心に余裕を持つことができる

(B)「もう半分しかない」と思う人ものごとをネガティブに捉えがちで、不安や焦りを感じやすい。不安な気持ちが強すぎると、まだ起きてもいないことに対しても不安になる。

水が半分入っている

「ものごとをどう捉えるか」は、その人の価値観や生活環境、置かれている状況によって大きく違ってきます。必要以上に先行き不安を感じやすい人は、ひとつの視点からばかりものごとを見ています。一歩引いて、別の視点からみると、ものごとは変わって見えるもの。

例えば、コロナで大変なこともあるけれど、「家族と一緒に過ごせる時間が増えた」「自分の人生をゆっくり見つめ直すことができた」など、何か自分にとってよいきっかけになっていることもあるのではないでしょうか。

先行き不安ばかり感じてしまうときは、一度深呼吸して、今の自分の状況を少しだけ引いて見てみるようにしましょう。ものごとをいろいろな視点からみることで、心に余裕が生まれて、将来への不安も小さくなっていきます。

経済的な先行き不安が強い人は?

コロナで多くの人が感じているのが、経済的不安です。「自分やパートナーの収入が下がった」「仕事がどうなるかわからない」という危機感を感じている人もいるでしょう。

大切なのは、不安に囚われすぎないことです。不安から離れるためには、頭で考えるよりも、「今、自分にできることを行動に移してみる」ことが大切。小さくても良いので一歩行動してみることを心がけてみましょう。

例えば、収入や仕事に不安があるならば、副業を探してみる、自分がこの先やりたい仕事の情報収集をしてみる。時間があるなら、将来に向けて資格取得にトライするのもいいでしょう。

また、経済的な不安には、生活費が実際いくら必要なのか書き出し、具体的な数字を確認してみるのもおすすめです。

経済的不安

花粉症の治療法のひとつに少しずつアレルゲンを摂取して、抗体をつくるという方法がありますよね。それと同じで、小さな行動を少しずつ積み重ねていくことで、今感じている大きな不安を乗り越えることができます。

逆に言うと、漠然とした不安でいっぱいになり動けないというときにそのままにしておくと、不安が不安を呼んで雪だるま式に大きくなります。小さなことでもいいので具体的に行動すると、状況の改善だけでなく、自分の心に余裕が生まれるはずです。

先行き不安を和らげるために「自分らしさを大切にする」6つの処方箋

将来への先行き不安は、ふとした瞬間に心に広がっていくものです。そんな不安を取り除くには、普段から「自分らしさを大切にする」こと。

それは、自分が好きなこと、ご機嫌になれることを積極的に取り入れることです。そんな自分を大切にして自分らしくいられるための処方箋をご紹介します。

【自分らしさを大切にするために、6つのできること】

自分の好きなこと

(1)    自分の好きなことをやる
(2)    好きなものに囲まれた居心地のよい部屋にする
(3)    柔らかい肌着やモフモフのひざ掛けなどで気持ちよくなる
(4)    興味のあること、好きなことに思い切って挑戦する
(5)    優雅な気分でお茶を飲む時間をつくる
(6)    子どもの頃や学生時代に好きだったことや興味があったことを再開してみる

コロナとの共存はもう少し続きそうですが、少しでも明るい気分でいられるように、自分をいたわるようにしましょう。

取材・文/工藤千秋 イラスト/地獄カレー

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